明日、国会に、日銀総裁候補として、白川方明副総裁が提案され、民主党が同意しているので選任される模様である。
世界的な経済不況の嵐が吹き荒れる緊急事態の真っ最中に、経済大国日本の中央銀行総裁を適切に選任出来ない体たらくについては、世界中の笑いものになっている様子だが、政略のみにうつつを抜かす政治家主導の国政の運営が如何に危険かを物語っていて実に悲しい。
真っ先に考えなければならないことは、まず、与党が、これまで、散々頭数に頼って傍若無人に国会運営を行っていたが、これが、衆参の力の逆転、すなわち、ねじれ国会となった以上は、少なくとも、衆参同意でないと法律の制定など議決が不可能な案件については、理由の如何に拘わらず、野党の合意がなければ、何も決定されないと言う厳粛なる事実を、自民党が、全く理解出来ていないと言うことである。
私などは、これほど日本経済をダメにしてしまったのは、大蔵省の経済の舵取りに大半の責任があると思っているし、日本の将来の為にも自民党・財務省コンプレックスを断ち切るべきだとも思っているので、民主党など野党の主張するように、財務省出身者の日銀天下りは絶対に反対であり、白川方明副総裁の総裁昇格には賛成である。
ところで、インターネットで調べたが、白川氏の経歴や考え方についての情報が非常に少なく、一番詳細だったのは、当然だが、前職(?)の京大公共政策大学院の略歴欄で、自己紹介で丁寧に語られており、研究分野、新入生に対する3冊の本等を見ると大体イメージが浮かび上がってくる。
研究分野と言う欄で、東大金融教育研究センターの客員研究員としての白川氏の教員プロフィールと同じことが次のように書いてある。
”近年の世界経済の特徴(低インフレ、グローバル化の進展、資産価格の変動等)や現実の中央銀行の制度的な特徴(委員会による意思決定等)を踏まえた上で、望ましい金融運営のあり方を研究する。”
尤も、日銀総裁ともなれば、研究と言っておれなくなるが、そのような公共政策の視点で日銀の金融政策を行おうと言うことであろう。
経済が発展する為には自由で競争的な市場メカニズムが不可欠であるが、市場がその機能を最大限発揮する為には、ルールや市場基盤の整備をはじめ、適切な「政策」も重要である、と白川氏は言っている。
更に、政策を考える為には、何よりも現実の経済や市場に関する具体的事実を知ることが出発点で、問題に応じて理論モデルを選び出して、望ましい政策を考える、とも言っており、未成熟で不完全な日本の金融システムや金融行政のあり方を、健全な市場メカニズムの構築などを通じて根本的に改革して行くと言う姿勢が貫かれるかどうか、これからの課題であろうか。
シカゴ大学のMAの学位をとっているので、フリードマン流のマネタリストとしての教育を受けたのであろうから、いまだに色濃く漂っている財務省主導のケインズ経済学の亡霊と如何に対峙すのかと言う問題意識もあるのかも知れない。
ところで、白川方明氏が、最近、「現代の金融政策」と言う専門書を著した。
A5版の445ページもある大著で、中央銀行の本質とは何か?と帯に大書されており、とにかく、最近の金融問題のカレント・トピックスを含めて実に克明に金融政策が論じられているようである。
ようであると言うのは、東京駅の書店で買って、名古屋へののぞみの車中で読み始めたのだが、とにかく、机に座ってじっくり対峙すべき書物で、まだ、読み始めて間もないからである。
しかし、日本もようやく、欧米流に、学問的にも素晴らしい業績を示し得る素晴らしい金融専門の中央銀行総裁を輩出できる様になったのだと言うことである。
世界的な経済不況の嵐が吹き荒れる緊急事態の真っ最中に、経済大国日本の中央銀行総裁を適切に選任出来ない体たらくについては、世界中の笑いものになっている様子だが、政略のみにうつつを抜かす政治家主導の国政の運営が如何に危険かを物語っていて実に悲しい。
真っ先に考えなければならないことは、まず、与党が、これまで、散々頭数に頼って傍若無人に国会運営を行っていたが、これが、衆参の力の逆転、すなわち、ねじれ国会となった以上は、少なくとも、衆参同意でないと法律の制定など議決が不可能な案件については、理由の如何に拘わらず、野党の合意がなければ、何も決定されないと言う厳粛なる事実を、自民党が、全く理解出来ていないと言うことである。
私などは、これほど日本経済をダメにしてしまったのは、大蔵省の経済の舵取りに大半の責任があると思っているし、日本の将来の為にも自民党・財務省コンプレックスを断ち切るべきだとも思っているので、民主党など野党の主張するように、財務省出身者の日銀天下りは絶対に反対であり、白川方明副総裁の総裁昇格には賛成である。
ところで、インターネットで調べたが、白川氏の経歴や考え方についての情報が非常に少なく、一番詳細だったのは、当然だが、前職(?)の京大公共政策大学院の略歴欄で、自己紹介で丁寧に語られており、研究分野、新入生に対する3冊の本等を見ると大体イメージが浮かび上がってくる。
研究分野と言う欄で、東大金融教育研究センターの客員研究員としての白川氏の教員プロフィールと同じことが次のように書いてある。
”近年の世界経済の特徴(低インフレ、グローバル化の進展、資産価格の変動等)や現実の中央銀行の制度的な特徴(委員会による意思決定等)を踏まえた上で、望ましい金融運営のあり方を研究する。”
尤も、日銀総裁ともなれば、研究と言っておれなくなるが、そのような公共政策の視点で日銀の金融政策を行おうと言うことであろう。
経済が発展する為には自由で競争的な市場メカニズムが不可欠であるが、市場がその機能を最大限発揮する為には、ルールや市場基盤の整備をはじめ、適切な「政策」も重要である、と白川氏は言っている。
更に、政策を考える為には、何よりも現実の経済や市場に関する具体的事実を知ることが出発点で、問題に応じて理論モデルを選び出して、望ましい政策を考える、とも言っており、未成熟で不完全な日本の金融システムや金融行政のあり方を、健全な市場メカニズムの構築などを通じて根本的に改革して行くと言う姿勢が貫かれるかどうか、これからの課題であろうか。
シカゴ大学のMAの学位をとっているので、フリードマン流のマネタリストとしての教育を受けたのであろうから、いまだに色濃く漂っている財務省主導のケインズ経済学の亡霊と如何に対峙すのかと言う問題意識もあるのかも知れない。
ところで、白川方明氏が、最近、「現代の金融政策」と言う専門書を著した。
A5版の445ページもある大著で、中央銀行の本質とは何か?と帯に大書されており、とにかく、最近の金融問題のカレント・トピックスを含めて実に克明に金融政策が論じられているようである。
ようであると言うのは、東京駅の書店で買って、名古屋へののぞみの車中で読み始めたのだが、とにかく、机に座ってじっくり対峙すべき書物で、まだ、読み始めて間もないからである。
しかし、日本もようやく、欧米流に、学問的にも素晴らしい業績を示し得る素晴らしい金融専門の中央銀行総裁を輩出できる様になったのだと言うことである。