佐倉城址にある国立歴史民族博物館には、第5展示室まであるが、近世・江戸時代を中心に扱っている第3展示室が、リニューアルされたと言うので見学に出かけた。
何度も訪れておりながら、以前にどうであったのか覚えていないので、どのようにリニューアルされたのか分からないのだが、何となく見やすくなったと言うか、面白くなってきているような気はする。
特に気がついたのは、やはりIT時代で、ディスプレィのタッチパネルで、展示物の画像などを興味に応じて拡大したりしながら色々な情報を得られることである。それに、資料や絵や写真などが、「めくり解説」形式のラミネートされた小冊子などで見ることが出来、身近に楽しめる情報量が増えたことである。
寺子屋「れきはく」と言う畳敷きの寺子屋風の机が置かれたコーナーが新設されていて、子供たちが、机に座って古文書を見たり古いスゴロクで遊んだりしていて楽しんでいたが、これも新しい試みであろう。
もう一つ奥に、「もの」からみる近世と言うミニ企画展示室が出来ていて、定期的にテーマを選んで、順繰りに期間限定で特別展示をするようで、今回は、「海を渡った漆器」で、主にヨーロッパの王朝などに輸出された豪華な漆器の家具調度が展示されていた。
入室して最初に目を引くのはで、実に精巧かつ克明に美しく描かれた「江戸図屏風」で、日本橋や新橋、浅草と言った文字が書かれているので当時の様子が分かって面白い。これらの町並みと違って、品川など、全くの漁村に近い港だったことなど、新しい発見があって興味深い。
最初の2室が、当時の世界地図を中心とした絵図・地図にみる近世、そして、アイヌ、オランダ、中国、琉球との関係を扱った国際社会のなかの近世日本と言う趣旨の展示で、国際社会との関わりから江戸時代を概説しているのも、やはり、グローバリゼーションの影響であろうか。
隣の「都市の時代」のコーナーは、中央に、巨大な、しかし、実に精巧に作られた「江戸橋広小路模型」が設置されていて、当時の町並みや都市生活の様子、人々のざわめきなどが聞えてくるような素晴らしいディスプレィがなされている。
その周りに、都市の仕組みや文化などの資料が展示されていて、江戸の人々の文化生活一つをとっても、歌舞伎や相撲、旅や園芸等など豊かな生活を送っていたことが分かって面白い。
人とものの流れのコーナーでは、当時の人々の信仰や物見遊山のための旅の様子や、北前船等の模型を使っての物資の移動や交易の様子が展示されている。
別のコーナーでは、からくり人形や和時計などの素晴らしい日本の工芸技術や浄瑠璃人形の頭の仕掛け、解体新書など、知識と技術や生活を楽しむ工夫などが展示されていて、鎖国ながらも民度の高い江戸文化が維持されていたことを紹介している。
面白いのは、一揆や義民たちの活躍など社会に抵抗を示しながら世直しをした人々の姿も展示しており、中々、意欲的な展示であり、スケールの大きい展示の両国の江戸東京博物館とは一味違った、木目細かい歴博の展示も面白いし、非常に勉強になる。
歴博は、水準から言っても素晴らしい博物館だとは思うが、目的が違うので、総合的な博物館である大英博物館と比べるのは酷だが、展示物が殆ど模型や模造品なので、融通が利く分、有り難味が違ってくる。
ところが、別の展示室で、金光明最勝王経が、国宝と書いてあって模刻本と言う表示がなかった。本物なのかと聞いたが、説明員は分からないと言って、これは本物の国宝ですと言って、「宋版史記」のところへ案内して見せてくれた。
尤も、本物の国宝と模刻の国宝と見分けがつく訳ではないので気にすることはないのかも知れないが、やはり、本物に越したことはない。
ところで、博物館には、案外気の利いたレストランとか休憩や談笑を楽しめる喫茶室と言った施設がない場合が多い。
歴博には、綺麗な庭に面した小さな食堂があるが、簡易食堂で、腹が減ったので昼食でも食べようかと言う程度の場所である。
都会地から離れた隔離されたような田舎の城跡にある博物館だし、非常に良い自然環境の中にある博物館なのだから、多少、文化の香りを感じさせてくれるような憩える飲食施設があっても良いのではないかと思っている。
もっと離れた田舎にある近くの川村美術館のレストランなど、雰囲気があって良く、お菓子と珈琲での憩いの時間も結構楽しめる。
歴博の場合は、国立だからダメだと言わずに、家賃などは優遇して民間に委託すればよいのだから、募集してはどうであろうか。
地元の人は別にして、この東京を離れた辺鄙な佐倉城址まで来て歴博を見学する人は、一日がかりで来ている筈だから、雰囲気の良い珈琲ショップや洒落たレストランでもあれば楽しめる筈である。
もう一つ余談ついでに言うと、小学校でも中学校でも、或いは、高校でも良いから、課外授業で、子供たちを、一日で良いから、この博物館で過ごさせて、日本の歴史を勉強させることを提案したい。
大学入試に出ないからと言って必須科目の世界史を端折った高校のある日本国だから、無理とは思うが、自分の国の歴史を知らない次代の日本人をいくら育てても、美しい一等国にはならない。
何度も訪れておりながら、以前にどうであったのか覚えていないので、どのようにリニューアルされたのか分からないのだが、何となく見やすくなったと言うか、面白くなってきているような気はする。
特に気がついたのは、やはりIT時代で、ディスプレィのタッチパネルで、展示物の画像などを興味に応じて拡大したりしながら色々な情報を得られることである。それに、資料や絵や写真などが、「めくり解説」形式のラミネートされた小冊子などで見ることが出来、身近に楽しめる情報量が増えたことである。
寺子屋「れきはく」と言う畳敷きの寺子屋風の机が置かれたコーナーが新設されていて、子供たちが、机に座って古文書を見たり古いスゴロクで遊んだりしていて楽しんでいたが、これも新しい試みであろう。
もう一つ奥に、「もの」からみる近世と言うミニ企画展示室が出来ていて、定期的にテーマを選んで、順繰りに期間限定で特別展示をするようで、今回は、「海を渡った漆器」で、主にヨーロッパの王朝などに輸出された豪華な漆器の家具調度が展示されていた。
入室して最初に目を引くのはで、実に精巧かつ克明に美しく描かれた「江戸図屏風」で、日本橋や新橋、浅草と言った文字が書かれているので当時の様子が分かって面白い。これらの町並みと違って、品川など、全くの漁村に近い港だったことなど、新しい発見があって興味深い。
最初の2室が、当時の世界地図を中心とした絵図・地図にみる近世、そして、アイヌ、オランダ、中国、琉球との関係を扱った国際社会のなかの近世日本と言う趣旨の展示で、国際社会との関わりから江戸時代を概説しているのも、やはり、グローバリゼーションの影響であろうか。
隣の「都市の時代」のコーナーは、中央に、巨大な、しかし、実に精巧に作られた「江戸橋広小路模型」が設置されていて、当時の町並みや都市生活の様子、人々のざわめきなどが聞えてくるような素晴らしいディスプレィがなされている。
その周りに、都市の仕組みや文化などの資料が展示されていて、江戸の人々の文化生活一つをとっても、歌舞伎や相撲、旅や園芸等など豊かな生活を送っていたことが分かって面白い。
人とものの流れのコーナーでは、当時の人々の信仰や物見遊山のための旅の様子や、北前船等の模型を使っての物資の移動や交易の様子が展示されている。
別のコーナーでは、からくり人形や和時計などの素晴らしい日本の工芸技術や浄瑠璃人形の頭の仕掛け、解体新書など、知識と技術や生活を楽しむ工夫などが展示されていて、鎖国ながらも民度の高い江戸文化が維持されていたことを紹介している。
面白いのは、一揆や義民たちの活躍など社会に抵抗を示しながら世直しをした人々の姿も展示しており、中々、意欲的な展示であり、スケールの大きい展示の両国の江戸東京博物館とは一味違った、木目細かい歴博の展示も面白いし、非常に勉強になる。
歴博は、水準から言っても素晴らしい博物館だとは思うが、目的が違うので、総合的な博物館である大英博物館と比べるのは酷だが、展示物が殆ど模型や模造品なので、融通が利く分、有り難味が違ってくる。
ところが、別の展示室で、金光明最勝王経が、国宝と書いてあって模刻本と言う表示がなかった。本物なのかと聞いたが、説明員は分からないと言って、これは本物の国宝ですと言って、「宋版史記」のところへ案内して見せてくれた。
尤も、本物の国宝と模刻の国宝と見分けがつく訳ではないので気にすることはないのかも知れないが、やはり、本物に越したことはない。
ところで、博物館には、案外気の利いたレストランとか休憩や談笑を楽しめる喫茶室と言った施設がない場合が多い。
歴博には、綺麗な庭に面した小さな食堂があるが、簡易食堂で、腹が減ったので昼食でも食べようかと言う程度の場所である。
都会地から離れた隔離されたような田舎の城跡にある博物館だし、非常に良い自然環境の中にある博物館なのだから、多少、文化の香りを感じさせてくれるような憩える飲食施設があっても良いのではないかと思っている。
もっと離れた田舎にある近くの川村美術館のレストランなど、雰囲気があって良く、お菓子と珈琲での憩いの時間も結構楽しめる。
歴博の場合は、国立だからダメだと言わずに、家賃などは優遇して民間に委託すればよいのだから、募集してはどうであろうか。
地元の人は別にして、この東京を離れた辺鄙な佐倉城址まで来て歴博を見学する人は、一日がかりで来ている筈だから、雰囲気の良い珈琲ショップや洒落たレストランでもあれば楽しめる筈である。
もう一つ余談ついでに言うと、小学校でも中学校でも、或いは、高校でも良いから、課外授業で、子供たちを、一日で良いから、この博物館で過ごさせて、日本の歴史を勉強させることを提案したい。
大学入試に出ないからと言って必須科目の世界史を端折った高校のある日本国だから、無理とは思うが、自分の国の歴史を知らない次代の日本人をいくら育てても、美しい一等国にはならない。