熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

地方の地元書店の書棚

2012年10月08日 | 生活随想・趣味
   書店を回るのは、大概、東京駅近辺や神田神保町などの大型書店だが、時々、地元の書店に出かける。
   地方も、昔からの地元の書店は殆ど消えてしまって、今では、大半、全国展開書店のチェーン店なのだが、それでも、当然、地元のニーズに合った品ぞろえやディスプレイに心掛けているので、大分、都会のとは雰囲気が違っている。

   この口絵写真は、駅前ショッピング・ビル内の書店の特設コーナーで、やはり、最近のカレント・トピックス関連の本がディスプレイされている。
   尖閣諸島と竹島関連、そして、中国と韓国に関する本は当然として、石原慎太郎、橋下徹、安倍晋三、何故か、岸信介、それに、日本経済や金儲け関連本etc.
   私の興味があったのは、トーマス・フリードマンほかの「かっての超大国アメリカ」と言う本だけで、その他は、全く食指が動かなかった。

   私は、本に対しても、刀の目利きが弟子を育てる時には、本物しか見せないと言った趣旨を守っていて、ハウツー本や、時流に乗った解説本や、大衆迎合型の本などは、読まないようにしていて、同じ中国に関する知識や情報が欲しければ、今、店頭に並んでいる本などではなくて、スーザン・L・シャークの「中国 危うい大国」、ピーター・ナヴァロの「中国は世界に復讐する」、ティエリー・ウォルトンの「中国の仮面資本主義」や呉軍華の「中国 静かな革命」など、学者や著名ジャーナリストの著した一寸専門書に近い中国関連本を結構沢山持っているので、それを読み返したりしており、これが、時流を正確にキャッチする正攻法だと思っている。
   急がば回れで、遠回りしてでも、出来るだけ、自分が納得いくような中国論なり中国観を持ってから、カレント・トピックスは考えるべきだと思っているのである。

   不足分は、NHK BS1の世界ニュース、ニューヨーク・タイムズやThe Economistなどのメディアの電子版で補っており、最近では、インターネットを叩けば、いくらでも新鮮で生きの良い情報や知識が入って来るので、全く、不自由はしない。
   尤も、それでも、結構、先入観なり固定観念が強すぎるのか、間違うことが多いのだが、それは、すべて自分持ちである。

   ところで、地元の書店で好都合なのは、店舗の規模が小さいので、夫々のジャンルの本のコーナーが小さくて、すぐに一覧出来て、最近の出版物が瞬時に分かることである。
   丸善や三省堂など大型店に行けば、沢山本が並んでいて良いように思うのだが、大体、売れ筋の本とか、顧客が興味を持ちそうな本ばかりを、特設コーナーにディスプレイしたり、メインの書棚に平積みしたりしており、分かり切った本などを見に書店に行くわけではないので、全く、役には立たない。
   むしろ、地元の書店や古書店の新古書コーナーの方が、小規模なだけに、紛れ込んでいる素晴らしい本が探せて、一本釣り出来ることが多くて、幸いしている。
   私が、ブックレビューしている本の大半は、大型書店では、一冊くらい書棚の片隅に並んでいるくらいで、正にロングテールなのであろうが、このような本に限って、古書店の新古書として並んでいることが多く、すぐに目につくので取得し易いのである。 

   この日、書店で買った本は、結局、「梅原猛の授業 能を観る」1冊だけ。
   私は、かなり、書店では時間を過ごすのだが、あまり本の中身を確かめることもないし、立ち読みすることなどは殆どなく、何か、素晴らしい本が出ていないか、だけを楽しみに出かけて行くようなものである。
   読みたければ本を買って帰るのだが、この頃は、書店とアマゾンが半々くらいになった。
   読む本の間口が狭くなったと言うか、読みたいと思う本が定まって来たと言うか、脇目を振っている時間が短くなってきたと言うことなのかも知れないと思っている。

   さて、前述したフリードマンの「かっての超大国アメリカ」だが、価格は2520円。
   原書は、アマゾンで買えば、2072円。
   ところが、アマゾンに、出店している最も安い店で買えば、原書でも、送料込みで、1194円。
   この店は、カナダから配送するようだが、前に、The EconomistのMEGACHANGE The World in 2050を買った時には、イギリスからの配送で、2週間弱で着いた。
   どうせ読むなら原書の方が良いので、私は、このフリードマンの本も、原書で注文した。
   今や、円高で、日本の本が異常高となっていると言うことで、これでは、知の世界でも、グローバル競争に負けると言うことである。
   
   
   
コメント
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