今回の「第862回 定期演奏会Cシリーズ」の公演は、【ジャン・フルネ没後10年記念】
指揮は、大野和士で、演奏前に、大野和士によるプレトークがあり、芸大時代からのジャン・フルネの指揮の思い出などを語っていた。
フルネの公演を聴いたかどうかの記憶はないが、一番最初に聴いたフランス人指揮者は、シャルル・ミュンシュで、確か、フランス国立放送管弦楽団、一番多く公演会に行ったのは、ピエール・ブーレーズだと思う。
やはり、独墺系やオペラのイタリア系を好んで聴いてきたので、粋と言うか色彩豊かで美しい感じのフランス音楽を聴く機会は少なかったが、バーンスタインとニューヨーク・フィルハーモニックのベルリオーズの「幻想交響曲」の素晴らしい演奏と、ワルツのシーンで踊るように指揮していた姿を強烈に覚えている。
いずれにしろ、欧米で随分フランス音楽を、アラカルトで聴いてはいるが、今回のように全曲フランス曲だと言うと、何となく、魅力が倍増する。
プログラムは、次の通り。
ベルリオーズ:序曲《ローマの謝肉祭》op.9
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(ピアノ/リーズ・ドゥ・ラ・サール )
ドビュッシー:管弦楽のための《映像》より「イベリア」 【ドビュッシー没後100年記念】
ラヴェル:バレエ音楽《ダフニスとクロエ》第2組曲
ソリストのアンコールは、ドビュッシー前奏曲集第1巻より「パックの踊り」
ピアノのリーズ・ドゥ・ラ・サール は、あの港町シェルブール生まれだと言う。カトリーヌ・ドヌーヴの映画にも登場するが、モンサンミッシェルへのドライブ途中に立ち寄った時のことを思い出した。
ピアノ協奏曲第2楽章の冒頭、「ピアノが左手で伴奏を鳴らしながら、淡く甘美な名旋律を歌い紡ぐ」美しさ、うっとりとして聴いていたが、
それよりも、私の席は、1階前列正面の左寄りなので、リーズ・ドゥ・ラ・サールの顔が、ピアノ越しに真正面から見えるので、あたかも、美しい劇中の役者のパーフォーマンスを鑑賞しているようで、実に素晴らしく感激した。
鍵盤の動きは、ピアノの裏蓋に投影されているし、ペダルから外れた左足の金色のハイヒールがリズムを取って踊っている様子など、サウンドと調和して素晴らしい。
能面のように美しい内田光子の演奏中の表情も印象的だが、指揮者やソリストのパーフォーマンスアーツも、演奏会鑑賞の楽しみなのである。
大野和士が都響音楽監督就任の際にフルネ夫人ミリアムさんから譲り受けたマエストロ・フルネ愛用のスコアの数々が、会場のホワイエで展示されていた。




大野和士は、オペラで卓越したキャリアを積んでおり、粋で色彩豊かな美しいフランス曲は得意なのであろうし、それに、リヨンやブラッセルなどフランス圏で活躍してきたので、正に、今回の【ジャン・フルネ没後10年記念】演奏会は、満を持してのパーフォーマンスであったのであろう。
素晴らしい至福の2時間であった。
指揮は、大野和士で、演奏前に、大野和士によるプレトークがあり、芸大時代からのジャン・フルネの指揮の思い出などを語っていた。
フルネの公演を聴いたかどうかの記憶はないが、一番最初に聴いたフランス人指揮者は、シャルル・ミュンシュで、確か、フランス国立放送管弦楽団、一番多く公演会に行ったのは、ピエール・ブーレーズだと思う。
やはり、独墺系やオペラのイタリア系を好んで聴いてきたので、粋と言うか色彩豊かで美しい感じのフランス音楽を聴く機会は少なかったが、バーンスタインとニューヨーク・フィルハーモニックのベルリオーズの「幻想交響曲」の素晴らしい演奏と、ワルツのシーンで踊るように指揮していた姿を強烈に覚えている。
いずれにしろ、欧米で随分フランス音楽を、アラカルトで聴いてはいるが、今回のように全曲フランス曲だと言うと、何となく、魅力が倍増する。
プログラムは、次の通り。
ベルリオーズ:序曲《ローマの謝肉祭》op.9
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(ピアノ/リーズ・ドゥ・ラ・サール )
ドビュッシー:管弦楽のための《映像》より「イベリア」 【ドビュッシー没後100年記念】
ラヴェル:バレエ音楽《ダフニスとクロエ》第2組曲
ソリストのアンコールは、ドビュッシー前奏曲集第1巻より「パックの踊り」
ピアノのリーズ・ドゥ・ラ・サール は、あの港町シェルブール生まれだと言う。カトリーヌ・ドヌーヴの映画にも登場するが、モンサンミッシェルへのドライブ途中に立ち寄った時のことを思い出した。
ピアノ協奏曲第2楽章の冒頭、「ピアノが左手で伴奏を鳴らしながら、淡く甘美な名旋律を歌い紡ぐ」美しさ、うっとりとして聴いていたが、
それよりも、私の席は、1階前列正面の左寄りなので、リーズ・ドゥ・ラ・サールの顔が、ピアノ越しに真正面から見えるので、あたかも、美しい劇中の役者のパーフォーマンスを鑑賞しているようで、実に素晴らしく感激した。
鍵盤の動きは、ピアノの裏蓋に投影されているし、ペダルから外れた左足の金色のハイヒールがリズムを取って踊っている様子など、サウンドと調和して素晴らしい。
能面のように美しい内田光子の演奏中の表情も印象的だが、指揮者やソリストのパーフォーマンスアーツも、演奏会鑑賞の楽しみなのである。
大野和士が都響音楽監督就任の際にフルネ夫人ミリアムさんから譲り受けたマエストロ・フルネ愛用のスコアの数々が、会場のホワイエで展示されていた。




大野和士は、オペラで卓越したキャリアを積んでおり、粋で色彩豊かな美しいフランス曲は得意なのであろうし、それに、リヨンやブラッセルなどフランス圏で活躍してきたので、正に、今回の【ジャン・フルネ没後10年記念】演奏会は、満を持してのパーフォーマンスであったのであろう。
素晴らしい至福の2時間であった。