熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

掛け軸、そして、室内オーナメント

2020年08月22日 | 生活随想・趣味
   室内の装飾については、かなり、無頓着なのだが、何となく、和室の掛け軸を変えようと思って、調べてみた。
   若い頃、マンションや社宅暮らしの時には、床の間がなかったので、その必要がなかったのだが、一戸建てを建てて和室に床の間を設えると、まず、掛け軸が必要になる。
   当時は、海外出張の帰途などに台北を経由する飛行便があり、トランジットなどで時間が取れたので、空港売店で、掛け軸を数本買って、適当に掛け替えていた。
   その後、中国へ個人旅行をして、どうしても、西湖へ行きたくなって杭州の旅に出て、西湖に行ったときに、西泠印社の売店で、上等な中国の掛け軸を買おうと思った。
   名だたる学術団体なので、間違いなかろうと思ったのである。
   気に入った風景画であったので、これだと思って、中国での常識であるから、一寸値切って買って帰り、台湾の掛け軸と交換して、ずっと使っていた。
   誰の絵で、何を描いたのか分からずに買ったのだが、読めた字は、彩山水だけ、 とにかく、中国の深山幽谷、急流を一艘の舟が下って行く、綺麗に精細に描かれた彩色画である。

   ところで、新しい掛け軸だが、特別拘るわけではないので、とりあえず、インターネットを叩いて、色々、調べてみたが、どうしても、気に入ったものが見つからない。
   本来なら、季節毎に掛け替えるのであろうが、そんな気もなければ、余裕もないので、常時かけておける無難な風景画を探すことにした。
   新作や古い作品なども探してみたが、しっくり行かず、結局、行き着いたのは、
   川合玉堂 秋山帰馬図 印刷絹本掛軸
   横山大観 松に富士図 印刷絹本掛軸
   勿論、印刷の複製だが、本格的な表装の掛け軸で遜色なく、別に、気にもならなかったので、まずまず、気に入っている。
  

   ついでに、葛飾北斎の 長春花に黄鳥 手摺浮世絵木版画 を買った。
   版画であるから、版元さえしっかりしておれば、何の問題もないのである。
   
   花を描いた絵は、リビングに掛けているのだが、この絵だけは、和室脇に掛けている。
   花の絵は、キューガーデンやグラインドボーンなどへ出かけていった時に、気に入って買ったりした外国での絵が大半だが、華やかで良い。

   その代わり、玄関ホールから二階への階段への壁面には、風景画を飾っていて、これも、ブラジルやオランダなどヨーロッパで買った絵が多い。
   日本では、額など殆ど掛けなかったのだが、外国では部屋が広くて絵画が必要となり、買っていた絵を持ち帰って飾っているという感じである。
   その影響もあって、ダイニングの壁面には、所狭しと飾り皿がぶら下がっている。
   勿論、オランダやイギリス、ドイツやイタリア、ベルギー、ハンガリー、フィンランドと言った調子で、孫たちの記念の皿以外は、総て、ヨーロッパ製で、思い出深いものである。

   大きな食器棚がリビングとダイニングにあるのだが、殆ど戸棚に収容したので洋食器よりも、ドイツやイタリアなどの陶磁器製、木製、ガラス製の人形というか民芸のフィギュア―が所狭しと並んでいて、博物館の様相を呈している。
   これでも、千葉に居た時に、9.11の東関東大震災で、震度6弱でやられて、半数近くの陶磁器やガラス器や飾り人形などが壊滅状態になって、泣く泣く処分したのだが、ヘレンドやマイセンやアウガルテンやと言っても、どうせ割れ物だし、墓場には持って行けないので、そのままに置いて使っている。

   もう一つ変ったのは、孫たちの写真を撮ることが多くなったので、写真立てをいくら増やしても追いつかないので、絵画や飾り皿の空き空間を利用して、写真を掲げ始めたことである。
   昔は、部屋や事務所に、ギリシャやイタリアなどの風景写真を飾っていたことがあったが、最近では、良く撮る風景写真や花の写真は飾ったことはなく、もっぱら、孫たちの写真である。
   欧米の家庭では、家族写真が部屋一杯に飾ってある家が多いのだが、我が家では、気恥ずかしさもあって、大人の写真は必要最小限にとどめている。

   そのほか、主に和室だが、私が花好きなので、沢山の花瓶が並んでいる。
   これも、大半は、海外生活や旅で得たもので、ヨーロッパの陶磁器からボヘミアン・ガラス器、景徳鎮など中国、ブラジル、インカの骨董から、これは、日本製も多くて九谷や信楽焼、
   置物なら、パラグアイやボリビアなどの中南米からスエーデン、フィンランド・・・
   とにかく、何十年も海外を歩き、傘寿まで生きてきたのであるから、ガラクタが山ほど山積していて、ぼつぼつ、終活を意図した断捨離が必要だと思い始めている。

   いずれにしろ、部屋のインテリアに多少でも関心を持てるというのは、その瞬間、歳を忘れているので、良しとすべきだと思っている。
コメント
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