日経が、中村直文編集委員の「倍速消費という名の欲望 Amazon、ルンバ買収の必然」を掲載した。
今の消費者が強く求める利便性とは、タイムパフォーマンス(タイパ)の効率化だ。
今や7割近い世帯が夫婦共働きで、以前のように手の込んだ家事に戻ることは難しい。これまで以上に家事時間の短縮を求めるニーズが強まったわけだ。
メーカーも必死で、「フライパンでのカレー作り」や「0秒チキンラーメン」を編み出し、家電の売れ筋にもその傾向が表れて、都内の量販店では「自動調理鍋で簡単&時短」という看板がぶら下がり、大手メーカーから新興企業まで多くの機器が並ぶ。と言う。
しかし、何でも簡便になって時間を短縮して消費できると言うことは、一つの文化文明の進歩であろうとは思うが、人間にとっては幸せなことかどうかは分からない。
例えば、食について、ドンドン質や効率が日進月歩するインスタント食品の良さも分かるが、ミシュラン三つ星レストランでの会食や伝統的なスローフードの味わいは、貴重な遺産であって捨てがたい。
歳を取って、スローライフになってくると、「タイパ」には関心がなくなるし、通常の生活リズムを大切にしたいという思いが強くなってくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/cd/34cc48352428830fa13f58e49bab435e.png)
さて、ビデオの視聴などはどうであろうと思っていたら、この倍速視聴という言葉そのものが、DVDやビデオのことで、映画やドラマは倍速視聴機能で時短は可能だという。
膨大なコンテンツにいつでもアクセスできる環境が進化し、「作品を鑑賞する」行為に加え、情報収集のために「コンテンツを消費する」スタイルが生まれて、「時間を濃く使う倍速視聴は若い世代にとどまらず、幅広い世代に広がる」と言うのである。
インターネットで調べてみたら、倍速視聴のソフトなどが紹介されているのだが、同じかどうかは分からないが、元々、ビデオレコーダーには、倍速機能は勿論、早送りなど、再生タイムの調整可能な機能は備わっており、これまでに、録画したニュースやドラマや映画などを、早送りで見ていた。
しかし、これは、手っ取り早く内容を把握したい時などの簡便法ではあるが、鑑賞するということにはなっておらず、あくまで、当座しのぎである。
私の関心事は、頻繁に録画して視聴しているオペラやクラシック音楽鑑賞のことで、これなどは、視聴速度を変えて見ようとは絶対に思わないし、倍速視聴などはもってのほか、邪道であって、視聴そのものをぶっ壊してしまう。
能狂言や歌舞伎などの古典芸能や芝居などもそうだが、パーフォーマンス・アーツ鑑賞には、出来るだけ舞台と同じような環境で観たいので、時間を適当に操作して、視聴しようとするなどはあり得ないし、そんなことをすれば、芸術、芸そのものに対する冒涜である。
生活のリズムというかテンポというか、とにかく、寸暇を惜しんで、タイムパフォーマンスを求めて、必死になって頑張っていた若かりし頃を思い出しながら、この記事を読んでいた。
今の消費者が強く求める利便性とは、タイムパフォーマンス(タイパ)の効率化だ。
今や7割近い世帯が夫婦共働きで、以前のように手の込んだ家事に戻ることは難しい。これまで以上に家事時間の短縮を求めるニーズが強まったわけだ。
メーカーも必死で、「フライパンでのカレー作り」や「0秒チキンラーメン」を編み出し、家電の売れ筋にもその傾向が表れて、都内の量販店では「自動調理鍋で簡単&時短」という看板がぶら下がり、大手メーカーから新興企業まで多くの機器が並ぶ。と言う。
しかし、何でも簡便になって時間を短縮して消費できると言うことは、一つの文化文明の進歩であろうとは思うが、人間にとっては幸せなことかどうかは分からない。
例えば、食について、ドンドン質や効率が日進月歩するインスタント食品の良さも分かるが、ミシュラン三つ星レストランでの会食や伝統的なスローフードの味わいは、貴重な遺産であって捨てがたい。
歳を取って、スローライフになってくると、「タイパ」には関心がなくなるし、通常の生活リズムを大切にしたいという思いが強くなってくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/cd/34cc48352428830fa13f58e49bab435e.png)
さて、ビデオの視聴などはどうであろうと思っていたら、この倍速視聴という言葉そのものが、DVDやビデオのことで、映画やドラマは倍速視聴機能で時短は可能だという。
膨大なコンテンツにいつでもアクセスできる環境が進化し、「作品を鑑賞する」行為に加え、情報収集のために「コンテンツを消費する」スタイルが生まれて、「時間を濃く使う倍速視聴は若い世代にとどまらず、幅広い世代に広がる」と言うのである。
インターネットで調べてみたら、倍速視聴のソフトなどが紹介されているのだが、同じかどうかは分からないが、元々、ビデオレコーダーには、倍速機能は勿論、早送りなど、再生タイムの調整可能な機能は備わっており、これまでに、録画したニュースやドラマや映画などを、早送りで見ていた。
しかし、これは、手っ取り早く内容を把握したい時などの簡便法ではあるが、鑑賞するということにはなっておらず、あくまで、当座しのぎである。
私の関心事は、頻繁に録画して視聴しているオペラやクラシック音楽鑑賞のことで、これなどは、視聴速度を変えて見ようとは絶対に思わないし、倍速視聴などはもってのほか、邪道であって、視聴そのものをぶっ壊してしまう。
能狂言や歌舞伎などの古典芸能や芝居などもそうだが、パーフォーマンス・アーツ鑑賞には、出来るだけ舞台と同じような環境で観たいので、時間を適当に操作して、視聴しようとするなどはあり得ないし、そんなことをすれば、芸術、芸そのものに対する冒涜である。
生活のリズムというかテンポというか、とにかく、寸暇を惜しんで、タイムパフォーマンスを求めて、必死になって頑張っていた若かりし頃を思い出しながら、この記事を読んでいた。