東京スカイツリー 2009-12-18

周りの皆さんからも、東京スカイツリーの話題が上がることが多くなったなぁと感じている井上です。
「錦糸町から見える姿がすごい」
「平井から見えるようになった」
「スカイツリーでも展望台があるんだろうね」
といった声があがります。

スカイツリーの完成は2011年。
たちまち来ることでしょう。
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ミカサ杯教育大会の組み合わせ

辰巳ジャンプ関係者への連絡です。



1月から行われる「ミカサ杯東京都小f学生バレーボール教育大会」の組み合わせが決まりました。

【江東ブロック1次リーグ】1月16日(土)
Aリーグ(枝川・中央少年団・大島中央)会場未定
Bリーグ(ブルーライトニング・二砂・東雲・三大)会場:二砂小
Cリーグ(ジュニアファイターズ・辰巳・数矢・三砂)会場:三砂小

【江東ブロック・2次リーグ】1月17日(日)
あリーグ{A1位・B3位・C2位)
いリーグ(B1位・A2位・C3位・B4位)
うリーグ(C1位・B2位・A3位・C4位)

【江東ブロック順位決定戦】1月24日(日)
1~3位(あ1位・い1位・う1位)
4~6位(あ2位・い2位・う2位)
7~11位(あ3位・い3位・う3位・い4位・う4位)

上位8チームが支部決勝大会に進む。
下位の3チームは支部交流大会に出場する。


【第3支部決勝大会1日目】1月31日(日)

【第3支部決勝大会2日目】2月中に開催する。



【東京都大会】
出場はおそらく支部で7~8チーム。
開催日は3月22日。
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学級レクリェーションでホットなクラスにしています

先月から卒業に向けての最終段階に入りつつある井上学級です。

何しろ仲良く穏やかな気持ちで卒業してもらいたいと願っています。そのために学級活動を工夫している最中です。

エンカウンターとか道徳的なアプローチをするという正統派な指導はこれまでしてきまして、かなりお互いのことを考えるように成長してきた子ども達。そこで、次のステップはですね!

学校はチョー楽しい所だ!!!

という気持ちをもってもらいたいわけです。
だいたいですね、私が教師になった理由の中でも大きなものは「学校は楽しい」ということですから、楽しくなかったら井上学級ではないと思っているのです。

楽しければOK!
そこで、私が小学生時代にクラスメイトとよく遊んで、いまだに鮮明に記憶しているレクリェーションを3回計画で行いました。

1回目・・・フルーツバスケットと震源地
2回目・・・王様と乞食
3回目・・・リズム4ゲーム

2回目の「王様と乞食」では、1時間中ずっとハイテンションで熱中してくれましたし、3回目の「リズム4」はV6の番組「学校へ行こう」の中で「休み時間向上委員会」として紹介されていた全国的にもよく知られたゲーム。確実に休み時間が楽しくなったはずです。


何にしてもですね、子ども達の笑顔がどんどん増えているのですよ!

今年の井上学級の子ども達は、笑って学校生活を送れることが、いかに幸せなことだったのかを、親になったときに味わうことでしょう。


この学級レクリェーション企画、もっともっと続けていこうと思っています。

そのうちに子ども達から「こんなレクをやりましょうよ!」と提案が出てくれば学級は完成の域に入った証拠となります。
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頑張った自分へのご褒美に!

この1年間、頑張ってきた自分へのご褒美に、水槽セットを購入しました。

もともと「アニマルセラピー」を研究するために、「教室動物園」を作っていた数年間の経験があるので、写真のようなレイアウト水槽を作るのはお手の物なのです。

今回は「やまなし」の授業用に教室にセットした水槽がきっかけとなって、昔の動物飼育熱がフラッシュバックした感じです。

このように美しくレイアウトできて、熱帯魚やエビたちが気持ち良さそうに暮らし始めたのを見ていると心が癒されます。

ただし、見ているだけで本当に飽きないので、たちまち時間が過ぎていくのが玉に傷です。

この水槽を作り上げるために、ここ2週間くらいペットショップ行脚を繰り返してきました。通えば通うほど、「犬」か「ウサギ」を飼いたくなってしまいます。昨日は「柴犬」が素直そうな目で私のことを見てくると心を動かされ、今日はウサギの「ネザーランドドワーフ」がぐっすり寝ている姿を見ては、昔教室で飼っていたウサギの「マシュマロ」を思い出し、私自身がアニマルセラピーで治療されているみたいです。



ちなみに、今回の水槽の中には、「カージナルテトラ」「レッドテトラ」「国産グッピーのペア」「オトシンクルス」「ヤマトヌマエビ」「ビューシュリンプ」が生活し、水草は「カボンバ」「アヌビアス・ナナ」「アマゾンソードプラント」「ウォーターウィステリア」「ドワーフマッシュルーム」「南米ウィローモス(流木に活着途中)」「人口の色つき藻」で、水かえを極力しないようにするために、すべてが自然循環する工夫をしています。
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さあ!いよいよ最後の仕上げだ!

「最高の卒業式をやるんだ!」

「歴史的だった去年の卒業式を超えるんだ!」

こう断言してスタートした6年生も、早くも12月中旬です。実はあと少しで卒業式まで100日(土日も含む)となっていることを子どもたちは知らないことでしょう。


来週には卒業文集の仕事も終わり、いよいよ卒業に向けてのカウントダウンに入ります。

今のままでは「去年の卒業式を超える」ことは難しい。

保護者の皆さんを含めて、三者(子ども、保護者、教員)のトライアングルが共鳴するような何かが欲しいと感じています。

しかもそれが子どもたちから出てくるような。






ああ!やっぱり文を書くという作業は自分に気づきを生みますね!

書いているうちに、ひとつ案を思いつきました!


でも、今は内緒にしておきます。

年が明けるまで寝かせておきます(笑)


熟成したらすごいかも!
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「やまなし」で宮沢賢治が何を表したかったのかを考える授業 【分析③ 反戦論???】

普通だと10月~11月中に行う宮沢賢治の作品「やまなし」の学習ですが、11月にあった校内の研究授業で「平和のとりでを築く」・・・平和への意見文発信を公開した方が良く、「やまなし」の学習は12月の区小研で公開授業をしたいと思い、単元を入れかえました。

折りも折り、社会の学習でもちょうど戦争と平和の学習となり、子ども達の頭の中は「戦争と平和」状態。そんな条件もあって、「やまなし」の学習の中でも、どうしても戦争の話題に意見が傾いたようです。

本当はもうひと論議をさせて、「賢治の本心」に迫ってみても良かったのですが、小学生ですからあまり深入りしないで良いと判断し、中途で授業を止めてあります。


そんなわけで、今日もまた子ども達の10分間感想の中から紹介します。

今回紹介する感想には、賢治が「自然」について考えていることを表現しているとか、「季節」を表しているのではないかといった、文脈から感じられることを書いたものがあります。

****************

〔アクアマリンさん〕
 私は、宮沢賢治のことを勉強して、賢治は自分の経験から本を書いているような気がしました。例えば、妹を亡くした時に書いた「銀河鉄道の夜」です。私は「やまなし」もそうだと思います。無意味な戦争をしている人々に、『戦争をやめろ』と、ひそかにうったえている気がしました。
 また、賢治の夢であった『人間が人間らしい社会』『すべての生き物がたがいに心が通い合うような世界』というのが当時の人々には伝わらなかったのが残念です。これが伝われば、戦争が短くなったかもしれないと思いました。でも、この夢はまだかなっていないと思います。なので、この夢がかなうように、私も色々なことを考えていきたいと思いました。

〔セワシZさん〕
 賢治は戦争の時代に生まれて、やまなしの話の内容で戦争のことを使って書いていて、賢治は心が痛んだと思います。やまなしの中では、クラムボンを人と考え、生死のことを書いていて、つらいと思います。
 賢治は戦争中は季節が分からないから、このかわせみとやまなしを使い分けて、季節を分かるようにしたと思います。
 賢治は戦争に行っていない分、話の中でも戦争に行っている人たちのことも考えていたと思います。
 賢治はもう少し長く生きられれば、もっとすごい本がたくさできていたと思います。病気になって死んでしまったとなると、とても残念です。

〔ともだちさん〕
 ぼくは宮沢賢治が戦争の時に生まれたので、この物語を書いたのだと思います。理由は、クラムボンというのはなんだかよく分からないけど、笑ったりとか死んだとか書いてあるので、戦争をしている人間のことだと思いました。
 それと賢治がこのやまなしを通して、自然の豊かさや美しさを伝えたかったんだと思います。
 最後に賢治は光をあみとか黄金とか表現していて想像力がとてもすばらしい人だと思います。
 賢治が病気で死ななかったら、もっとすごい本ができあがっていたと思います。そう考えるとなんかとても残念です。

〔マスコDXさん〕
 ぼくはやまなしを読んで、宮沢賢治は戦争のことについて話していると思います。なぜかというと、クラムボンは、死んだ殺されたというところで、戦争の時代は多くの人が殺されたから、戦争の時代かなと思いました。
 感想は、宮沢賢治は、戦争で殺された人の気持ちになって、このやまなしを書いたと思います。
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素晴らしい!「スポーツニッポン」の取り組み

今朝、新聞社の「スポーツニッポン」さんから子ども達向けに全員分、「スポニチジュニア」という号外誌がプレゼントされました。その内容が素晴らしかったのです。


1~3面で特集されているのがあの石川遼くんからのメッセージです。


「ボクと夢を追いかけよう」という見出しで書かれているメッセージには、こんな言葉が書かれています。

子どもの頃にタイガー・ウッズ選手のことを知り、あこがれていた遼くんが自分から目標を立てたのです。
「かっこよくて、今もあこがれの選手。そのタイガーが21歳で初めて勝ったのがマスターズです。だから自然とボクもマスターズで勝ちたい!って思うようになったんです。
 タイガーが21歳なら、ボクはあと1年早くって思って「20歳でマスターズ優勝」という夢を小学生の卒業文集に書きました。これはとてつもなく大きな夢です。今以上に練習しないといけないし、努力もいっぱいしないといけません。
 くやしいことも泣きたくなることもあるでしょう。でも、夢があるからがんばれるんです。
 ゴルフ以外のスポーツ、スポーツ以外の分野でも夢を持ってがんばっている人がいたら心強いなあ。それがボクより年下のみんなだったらなおさらです。ボクと一緒に夢をおいかけませんか?」

そして2面には遼くんの、あの卒業文集がそのまま掲載されています。



学級のみんなで新聞を読み、私からはこのような話をしました。

「卒業を前にして、これは僕たち6年生にとっては重大な新聞になります。2年前、石川遼くんの卒業文集のことはそれほど知られてはいませんでした。僕はいろいろなところで学校の先生達に、この遼くんの卒業文集のことを伝えてきました。
『そんなすごい作文を書いていたんだ!!!』
と誰もが驚いていました。君たちにも同じように教えてありますね。
 それから2年。とうとう日本全国の小学生に彼の「アファメーション作文」が伝わることになったわけです。」

「夢というのはできるだけ大きな夢を持つことが大事なんです。あの中学に入りたいとか、次の大会で勝ちたいとか、そんなものは小さすぎるつまらない夢です。もっともっと大きく、世界を平和にするために働きたいとか、会社の社長になってみんなのために働きたいとか、サッカーやバレーボールのワールドカップで大活躍して子ども達に夢を与えたいとか、日本中の人に読まれる小説を書くんだとか、とにかくウソでもいいから大きな夢を持つべきです。」

「夢は自分の心に秘めていてはいけません。できるだけたくさんの人に堂々と夢を伝えていくことが大事です。そうしないと夢は実現しないのです。最低でも100人の人に自分の夢を伝えることです。石川遼くんは、この新聞に自分の「夢作文(アファメーション作文)」を載せることで、日本の1億2千万人に自分の夢を伝えることになります。こうなると、遼くんの夢は遼くん一人の夢ではなくて、日本人全体の夢に成長するのです。彼の夢に自分の夢を合わせて、全力で協力してくれる人が次々と現れることでしょう。」

「そして、彼の夢へと向かう力が、多くの人たちを励まして、『よし!自分も大きな夢に向かうぞ』と、強く生きていく力を引き出してくれることでしょう。彼を模範にして、夢実現に行動していく人がたくさん現れることでしょう。
 みなさんも是非、そういう大きな夢に向かってチャレンジを始めて下さい。そのために、まずは目標を紙に書いて、いつも見えるところに貼っておくことが大事です。」



こういう話を聞いて、すぐに行動に移せる子は、間違いなく成功への道に進みます。
他人事で聞いている子は、残念ながら自分の力に気づくことが遅れます。

この道は二つのうち、どちらの道を選ぶかしかないと私は感じています。
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サッカー部員は全校児童の模範たれ!

先週から今週にかけて、課外活動(吹奏楽とサッカー)をしている子に指導を入れる機会がありました。どちらもそうじをおざなりにしていたことがきっかけです。そこでこのように指導を入れました。

「課外で活動をしているということは特別なことで、体育館や校庭を使わせていただいている、活動をやらせてもらっているということになる。その分、全校の目も集まる。だから全校児童の模範となるべきだ。それをマイナスの行動をしていたり問題を起こすようなことがあるならば、出場停止や活動禁止、指導者は処分を受けるというのが常識だ。
模範というのはそうじも勉強も誰よりも頑張っている。朝礼に遅れてくるなんていうのはもってのほか、誰から見ても模範の児童になる必要がある。」

これを受けて、サッカー部員は子どもだけで自主的にミーティングを持ったようです。私が午後の出張から職員室に戻ると、机の上に紙が置いてありました。


(サッカーチームの目標)

「香取小 絶対優勝 勝ち取るぞ」



(香取小の校庭を使わしてもらっているかわりに何ができるか?)

1,感謝の言葉
2,そうじをしっかりやる
3,めいわくをかけない
4,場を清める
5,学校のことを最優先
6,あいさつ
7,校庭をあらく使わない
8,勉強をしっかりやる
9,いい記録を出す
10,きまりを守る
11,使った道具をきれいに返す
12,学校の物を大事に使う
13,校庭にちらかっているものをかたづける


よくぞ自分たちだけで考えました。素晴らしいと思います。
これでサッカー部もひとつ脱皮してくれることでしょう。

私からはもう一度、この言葉を書き残しておきます。

全校児童の模範たれ!
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「やまなし」で宮沢賢治が何を表したかったのかを考える授業 【分析② クラムボン】

〔分析② クラムボン〕
クラムボンに視点を当てて感想を書いた子がいました。

〔ピクミンさん〕
 私は「やまなし」を読んで、宮沢賢治は何を伝えたいのかは分からなくて、すごくふしぎな物語だと思いました。
 「やまなし」の物語の中で出てきた「クラムボン」や「イサド」など、宮沢賢治が考えて作った名前は、どういうふうに作ったのかが知りたいです。
 「クラムボン」という言葉が最初、分からなかったけど、勉強しているうちに「人間」だなと思いました。
 この「やまなし」にはたくさんの疑問があります。私は「やまなし」を読んで勉強してから楽しい物語だと思いました。

〔レモンさん〕
 私は初めてこの「やまなし」を読みました。最初は宮沢賢治がいいたいことがさっぱり分かりませんでした。だけど、じっくり読んでみたり、マインドマップでまとめていったら、なんとなく分かったような気がします。
 私が「やまなし」を読んで一番心に残った言葉は「クラムボン」です。なぜ宮沢賢治は意味もよく分からない「クラムボン」を作ったのか聞きたいです。
 私が想像する「クラムボン」は、きらきら光っていて、魚みたいな生物です。でも、「やまなし」に出てくる「クラムボン」は、「殺されたよ」とか「笑ったよ」と出てくるので、人間みたいな感じがしました。
 親子のカニたちも、あわをふいて、大きさを比べたりして、まるで生きているように感じました。宮沢賢治は自然を大切にしてと言っているように私は感じました。

〔吾郎ちゃん〕
 ぼくは、宮沢賢治が書いた「やまなし」という文章を読んで、最初に舞台がどこかを書いたところがいいと思いました。
 文章の中に「クラムボン」という言葉が出てきたので、なんなのかなぁ?と考えてみたら、カニが「クラムボンは笑ったよ」と言っていたので、クラムボンはカニの仲間なのかな?と思いました。
 この「やまなし」の中に「クラムボンは死んだよ」「クラムボンは殺されたよ」と書いてあったので、宮沢賢治は、読者に人の人生には泣いたり笑ったり、おこったり、いろいろなことがあると告げているのだと思いました。
 それに、宮沢賢治は、戦争の時代に生まれたので、その戦争で亡くなった人の悲しみを告げているのかなぁ?と思いました。
 これがぼくの、「やまなし」への感想です。

〔プーギーさん〕
 やまなしを書いた宮沢賢治さんが何を伝えたかったのか。それは戦争の恐ろしさだと思います。なぜ思ったのかというと、「クラムボンは笑ったよ」と「クラムボンは死んだよ」のところで、「クラムボン」は人間に重ねているんじゃないかと思ったからです。ほかにもカニは人間のこどもの成長を重ねたり、鳥は鉄砲を表したり、魚も人間を表しているんじゃないかなと思いました。
 なぜ人間や鉄砲をカニや鳥で表したのかは、宮沢賢治さんにしか分からないけど、ぼくは、やまなしを書いた時が戦争中の時だから、人間をそのまま表すと、非国民だと言われるからじゃないかと思いました。でも、宮沢賢治さん自体が非国民と言われるのがいやなんじゃなくて、家族や知り合いにも非国民だと言われるかもしれないから、カニや鳥を人間や鉄砲にしたんだと思います。

*******************

〔分析〕
「クラムボン」というのは人間の言葉ではなく、「カニ語」なのだということは私から子どもたちに指導をしてあります。そのことから子どもたちは、「クラムボンは何かの象徴だろう」という考えを持つようになりました。

 物語の中で、クラムボンは笑うかと思うと死んだり殺されたりします。そしてまた笑うという現れ方をします。ここで紹介した4人の子ども達は、「クラムボン=人間」を表そうとしているのではないかと思ったようです。そこに、宮沢賢治が1896年に生まれた情報から推理して、1894年の日清戦争、1904年の日露戦争、1914年の第一次大戦、1931年満州事変と続いた戦争という時代背景が賢治の作品には影響を与えているはずだと判断しての意見構築です。

 これらの意見が正しいかどうかは別として、賢治が生きた時代まで思いを巡らせ、やまなしを深く読み取ろうとした学習経験が今後の生涯学習に良い影響を与えることを期待しています。
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「やまなし」で宮沢賢治が何を表したかったのかを考える授業 【分析①】

先日行った国語の公開授業。
授業を考えるテーマとして与えたのが、
「いったい『やまなし』の中で宮沢賢治が表したかったことは何なのか?」
という、小学生にとっては困難な課題でした。

これを考えるためには、『やまなし』を熟読することはもちろん、賢治の人生や思想性、人間関係や時代背景ということまで知識として持っていなくてはなりません。ところが今回の授業、『平和のとりでを築く』という授業を『やまなし』と順番を変えて先に行ったことや、社会でちょうど戦争の時代を学んでいること、教室の中に川底をイメージできる水槽を用意したことなどが大きな土台となって、子どもたちの脳内にはたくさんの知識が蓄えられていました。

とは言えども小学生、まだまだ知識の偏りがありますから、子ども達の頭の中で形成した意見も偏りはあります。大事なことは正解を求めることではなくて、与えられた条件の中で、自分なりの意見を形成することです。これが次の学びへの動機付けとなります。


さて、子ども達に10分間で授業の感想を書いてもらいました。
それを掲載した上で、授業分析をしていくつもりです。

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【自然のことを表現したという意見】

〔グッチーさん〕
 僕は「やまなし」を読んで、最初は理解できませんでした。だけど、物語の中で、とても幻想的な言葉がありました。僕は、宮沢賢治が川がきれいだということを伝えたいのだと思いました。
 この物語で登場する生き物は、かにの兄弟とかにのお父さんなどが出てきます。このかにの兄弟が遊んでいる時にかわせみがきて、魚をおそった時は怖いなぁと思いました。

〔エリンギさん〕
 宮沢賢治はこの「やまなし」で、何を読者に伝えたかったのかなと思いました。
 宮沢賢治が書く詩や物語には共通な点があることに気がつきました。それは、『自然』です。「やまなし」では、平和な川の中を書いていて、「雨にも負けず」という詩では、雨や風、雪、木など自然の言葉が入っていました。
 宮沢賢治は生まれたころから、災害が続いていたので、『平和な自然』というのを理想に思って、自然のことを詩や物語で伝えたかったのかなと思いました。
 あと、賢治は「クラムボン」や「イサド」のように、現実には存在しない言葉や生き物を作ってしまう発想がすごいなと思いました。

〔コナンさん〕
 ぼくは本当に自然を愛していた人だと思いました。「やまなし」という作品は読んでくれた人に自然を伝えたかったのではないかと思います。賢治が言った「イネの心が分かる人間になれ」というのも、じょうだんじゃなくて真面目に言っていると思いました。
 「やまなし」は全部が自然のことで、戦争なくして自然を好きになれと言いたかったんだと思います。賢治という人は自然のことだけではなく、人のことも考えている人なんだと思います。「やまなし」にかなりの工夫が入っていると思います。その工夫を知るためには、もっともっと読むしかないと思いました。

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〔分析①〕
この意見は「やまなし」の文中から感じた自然描写、さらに「イーハトーブの夢」という文章から読み取った賢治の自然に対する考え方、時代背景などを参考にして自分の意見を形成しています。
そして、コナンさんが書いている「もっともっと読むしかない」という言葉で、この単元のねらいであった「賢治の他の作品も読んでみたいという動機付けにする」という項目も達成していることが分かりました。
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イーハトーブに来てしまいました(^_^)v

「やまなし」の授業を120%の力を込めて教材研究し、公開授業を行ったことで、どうしてもイーハトーブに行きたいという気持ちが高まり、結局、来てしまいました。
(^_^)v

今日の写真はこちらにあります。

イーハトーブに行ってきました
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宮沢賢治分析のクラス・マインドマップ

一昨日の研究授業では、学習者(子ども)イメージを「刑事(デカ)」だと設定して、徹底的に宮沢賢治について捜査をしようと投げかけ、モチベーションを高めた井上です。

捜査のポイントは6つ。

(1)疑問を持とう
(2)言葉にこだわろう
(3)関連づけ・・・考えをつなげよう
(4)発言して意見を集めよう
(5)いろんな角度から考えよう
(6)可視化(見えるように)しよう

このポイントを考慮しながら、まるで刑事のように難題の解決に当たった子どもたちでした。

何しろ「やまなし」自体を読むだけではなくて、
『いったい宮沢賢治はなんで「やまなし」を書いたのか?』
という大学の研究者がやっているテーマで考えさせたわけで、普通だったら小学生から意見など出ない可能性もありました。

これを読んで下さっている方はいかがですか?
宮沢賢治は「やまなし」で何を表そうとしたのでしょう?
どこまで答えられますか?


「この授業はひとつの答えを求めるのではなく、答えなき問いに対して、できるだけたくさんの答えを捜していく。そして外側から輪郭を明らかにして賢治が表現したかったことを発見していくという、まるで刑事になったかのような授業です。」

ということは、クラスの全体討論は「捜査会議」だったわけです。論理的でなくて全然かまわない。考えられることをとにかく出して出して出し尽くしたところに、答えがうっすらと見えてくる。そんな授業をしてみたわけです。


ただし、何もないところから考えろといっても、それは無茶です。どんな資料を提供し、子どもたちの思考をどう耕しておけば、困難な思考にチャレンジしていけるか。授業者の私が頑張ったのはその部分でした。十分な「捜査のヒント」を用意してあげたわけです。そのひとつが画像のマインドマップです。

これは「イーハトーブの夢」という宮沢賢治の生涯を書いた文章を読んで、得られた情報や気づいたことを子どもたちから出してもらい、マインドマップにする作業をしながら、さらに子どもたちが気づいたことを書き加えてまとめた資料です。これが大きな力を発揮しました。

「分からなくなったら、このマインドマップに戻ると参考になるよ。特に色をつけてあるところが重要なんだよ。」
これだけのヒントで十分。子どもたちは「あ~!そうだ!そうだ!」と気づいて、自分なりの意見をジャンジャンまとめていきました。


【続きは、授業後の子どもたちの感想を掲載していきます。】
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大人でも考えられないことを小学生が考えた!【マインドマップ研究授業】

12月2日(水)、江東区小学校教育研究会・情報教育部の研究授業をやらせていただきました。なんと区外からも何人もの先生が参加して下さいました。遠くは青森県からも。ご参観ありがとうございました。

公開した授業は6年国語「やまなし」です。
作品を完全に「異化」の立場から読ませることをねらい、授業のゴールを「やまなしの中で宮沢賢治が表現したかったことは何かを考えて、全員が発言できるようにする」ということにしました。


さて、11月中に書いた日記で下書き状態になっていたものを、ここにコピーしてみます。

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井上の指導理念のひとつに、「教師は何もしない」ということがあります。
これは上越教育大学の西川純教授が進めている『学び合い』の考え方にかなり近いのではないかと思います。

そうです。「何もしない」のです。それが子ども達には最高の“指導”となるのです。しかし本当に何もしなかったら、それは職務怠慢で教育委員会の処分の対象になってしまいます(笑)

見た目は「何もしない」のですが、学ぶ環境はしっかり整え、子ども達が「何かをする」のをジ~っと待つという指導法なのです。子ども達を信頼しないとできない指導法です。


そういう私の指導は「両刃の剣」です。うまくいけば最高の状態を生み出します。ミスするとアリ地獄にはまります。なぜ「両刃の剣」なのかというと、子ども達の自主性にすべてを任せてしまうからです。小学生は成長途上で、未熟なのは当たり前です。しかし、高学年の子ども達は未熟ながらにも、大人への一歩を踏み出しています。その「大人性」を信頼して「何もしない指導」をします。幸い、これまで担任したいくつかの学年では失敗したことはなく、劇的に子ども達が成長してくれていますので、効果的な指導方法だとは思っています。

12月2日に予定している江東区小学校教育研究会・情報教育部の研究授業を私がやることになっていますが、これもまた「教師が何もしない」という形態にこだわって指導案を作りました。

***************

そんなことで、今回の授業も指導案の中にこんな言葉を書いておいたくらいです。
「教師は余計な支援をせずに、ただ授業の目標を達成できるようにすることだけを意識させる。」


考える材料はできるだけたくさん与えて、あとは子ども達任せ。班で勝手に意見の交流をし、クラス全体討論では、担任が指名しなくても子ども達だけでどんどん討論をしていく。私は「iMindMap」で書記に徹するだけ。

それでも画像のマインドマップのように、大変に深い意見交流が行われました。

「宮沢賢治は戦争の時代に生まれた人だから、やまなしの中で戦争に反対する表現を入れたにちがいない。それがクラムボン(=人間)なのではないか。」

「やまなしは自然の姿をそのまま表現したものにちがいない。なぜなら賢治は植物の心を人間の心と同じだと考えていたから。」

「カワセミがいきなり飛び込んでくる表現で、大砲の弾を表現し、魚が捕られることで、領地の奪い合いを表現する。そんな怖い社会を変えたかったんだろう。」

「やまなしの中で五月の場面と十二月の場面に分けて、光とかカワセミ、やまなしといったものが川の中に出てきます。だから春夏秋冬を表現しているのでは。」

「読み手に感性豊かになってほしいという願いを込めて書いたのだろう。」

こうした内容の意見が次々に飛び出し、参観して下さった先生方に驚きを与えていたように見えました。


実際に、終了後に行った研究協議会では、
「教師である自分でも、今日の子ども達が話し合っていた深い読み込みができていなかった。」
「6年生の担任泣かせ、指導の難しい『やまなし』の授業で、あそこまで深い思考をしている小学生を初めて見た。」
「一見すると、話し合いをしている内容があっちへこっちへ飛びまわっていて散漫になっているようなのに、マインドマップにまとめていくと不思議と整理されている。マインドマップを使わないとできない授業だった。」
というような感想をいただきました。


頑張った子ども達には大きな拍手です!


(この授業の関連記事をしばらく続ける予定です。)
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