某国における、権力をひけらかさんばかりの最新グリーントレインに対して、日本はブルートレインで対抗だ!と思ったのですが、肝心の寝台列車をめぐる現状はお寒い限り……。かつて東海道線の東京口では午前中と夕方に当たり前のように見かけた寝台列車も、先のダイヤ改正から大幅に整理され、すっかり陰が薄くなってしまったように感じます。カシオペアやサンライズへのテコ入れを除けば、14系や24系がこのままどんどん老朽廃車となり次第、寝台列車というジャンル自体がなくなってしまうのかも知れないという危惧が……。
そういうわけで最近は、東海道線を利用する機会を見つけて、東京へ向かってラストスパートする「富士&はやぶさ」の姿を記録するよう努めています。かつて大学生時代までは、機関車に牽引された存在感たっぷりの寝台列車は乗りたくても絶対に乗れなかった高嶺の花でして(父母の出身地も近場なので、特急列車を利用する機会は学生時代までほとんどありませんでした)、そんな心のどこかに大きくひっかかったコンプレックスが私をますます私鉄派にしたことは否定できませんが (^^;)、北海道初訪問は「北斗星」で果たし、大阪出張は「銀河」に乗るように努め、そして九州・韓国初訪問はそれぞれ今はなき「あさかぜ」のA個室寝台を利用するに及んで、遅まきながらブルートレインへの愛着が湧いてきました。
とは言いながらも何のかの言って思い出深い「あさかぜ」を撮っていなかったり……という失態もありますので、とにかくEF66牽引で東京に顔を出す最後の一往復になった「富士&はやぶさ」については、いつか恐らくやって来るであろう廃止の報で撮影スポットが大混雑に陥る前に、きっちり記録しておこうと思っています。
しかしそれにしても……「富士&はやぶさ」のA個室寝台は「あさかぜ」に比べてスペックが大幅に落ちるのであまり個室料金を払いたくないですし、「ソロ」は背の高い私には狭く、普通のB寝台はヤな客と近くになったら1000km以上の旅がつまらなくなる……といった問題があり、実は未だに乗ったことがありません (^^;)。登場からいつのまにか時間が経ち、スペック的に魅力がなくなり、長時間を費やしてでも乗ってみたいと思えるような列車ではなくなってしまったことが、東海道・山陽ブルートレインの凋落の原因であるという議論は、全くその通りなのでは……と思います (-_-)。かと言って今さら、バラバラに分かれたJRが共通企画の客車列車を作るとも思えず、既に老朽化しつつある牽引機をどうするのかという問題もありますし……。