古都と海辺をのんびりと走る江ノ電のイメージリーダーは、どれほど新型車両が現れようとも、やはり古き良きデザインを今に伝える300形であることは、恐らく誰もが一致するところでしょう (1000形以降の車両に一票の方、スミマセン ^^;)。江ノ鎌フリーパスの宣伝広告や雑誌などに登場するのは大方300形ですし……。
そんな300形は、301・302・306Fがカルダン駆動化・冷房化を受けずに廃車となった後も、計3編成がその独特の味わいを醸し出しながら日々活躍を続けて来ました。しかし周知の通り、304Fが台枠の致命傷のため既に廃車となり……このたび公式HPにてついに、303Fの廃車も発表されました (号泣)。
303Fはもともと、極楽寺の車庫にで動態保存されている108号と同じく、1920年代末〜30年代初頭に製造されたタンコロ100形であり、連接車化をはじめ幾度もの大改造を経ながら今日まで生き延びて来ました。しかし、やはり台枠や車体の根本は製造後70数年を経ていることは否めない事実……。海辺の厳しい環境の中で現役だったこと自体が奇跡かも知れず、まさに大往生なのでしょうか……。
振り返ってみれば、ここしばらく303Fは全く運用に入っておらず、確か数ヶ月から1年近く営業運転をしていなかったのではないかと記憶しています。たまに江ノ電方面に出かけてみても、極楽寺で眠っているのが常……。それも、本線脇の側線に停車していればまだ良い方で (2枚目の画像。最近この位置の簡易踏切には「踏切上での撮影禁止」という掲示が……。今年3月、掲示の手前で辛うじて撮影)、完全に庫内に仕舞われてしまい、その姿を見かけず寂しい思いをすることもありました。
というわけで、個人的に303Fの勇姿を最後に撮影したのは、昨年の1月末となってしまいました……。このときは車体を塗り替えられたばかりで艶を放っており、まだまだイケる!と思ったものですが……やはり304Fと同様、車齢が車齢だけに爆弾を抱えていたということになります (-_-;
なお、22日は極楽寺の車庫で305Fと並べたさよなら撮影会が開催されるそうですが、私は韓国出張のため参加できません。確か304Fのときも中国出張だったので参加できなかったなぁ……と (号泣)。参加される方のご健闘をお祈りします。
ちなみに、公式HPの記述によりますと、廃車解体となった303Fの下回りは代替編成の新造に用いられるとか。それが果たして新500形なのかどうかは全く分かりませんが、もしレトロ路線を打ち出すのであれば、これまで続いたありきたりな似非レトロではなく、正真正銘の300形そっくり車両にして欲しいと思うのは私だけでしょうか。