地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

北の国鉄型めぐり (8) 宗谷線急行の夢遠く

2007-09-12 12:33:09 | 国鉄型車両


 札沼線 (学園都市線というネーミングはどうしても馴染めない……^^;) は基本的にキハ141系列のパラダイスですが、他にキハ40も主力の一翼を担っています。
 とは言っても、北海道で一般的に見かけるボックスシートのキハ40が連結されているのは意外とまれで、個人的には石狩当別=新十津川間で運用される車両の送り込みを兼ねた583D (札幌発15:00) で目撃したのみです (苗穂入庫車は556Dに連結されるはず)。その代わりに、札沼線の近郊区間で一般的に用いられるキハ40は、何とロングシート……(T_T)。かつて初めて乗ったとき、何故キハ141系列はボックスシートなのに (但し片側は1人掛けに改造)、キハ40はロングシートばかりなのか……と思ったものですが、実はそれなりの理由がありました。これら札沼線近郊区間用のキハ40 (330番台・1330番台) は、かつてエンジン出力増強とリクライニングシート化改造を受け、宗谷線急行用として活躍したキハ400だったのです……。



 キハ400、私は残念ながら乗ったことはないのですが、もともと地味な普通列車用車両としてつくられたキハ40が、独特の塗装も凛々しく急行列車として駆け抜ける……というドラマには何故か胸が熱くなるものを感じていました。
 しかし周知のように、キハ183・261の投入によって宗谷線の急行の高速化・特急格上げがなされて以来、キハ400は余剰となっただけでなく、その後北海道では新たなDC急行は生まれなかったことから、車内スペックを完全に持て余すことに……。そこで、今さらボックスシートを復活させるのではなく、利用客増が続く札沼線のラッシュ輸送用としてロングシート化されたということのようです。
 車内に入ってみますと、デッキの扉が取り払われ、「でろーん」という感じでロングシートが延びています。首都圏でロングシート車に乗り慣れ、かつて私鉄の旧型2扉ロングシート車に親しんだ私でも、さすがに唖然とする世界 (^^;)。スロ52などを改造したオハ41系客車は多分こんな感じだったのだろうか……と。それでも、この手の車両に共通する「格下げ」という事実を思い出してみれば、どうしても急行列車が輝いていた時代への郷愁を感じずにはいられないのでした。