地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

初秋のソウル鉄三昧 (4) DL牽引客車列車

2007-10-02 17:20:40 | 韓国の鉄道


 韓国国鉄・在来線の星といえばPPディーゼル動車によるセマウルですが、より一般的に韓国国鉄のイメージを代表しているのは、アメロコ風のDLに牽引された客車列車でしょう。シルヘッダーがないスハ44という風情の転クロ客車にクーラーを搭載したシブい急行列車「トンイル(統一)」号は、3年半前のKTX開業とともに全廃となってしまいましたが (トンイルが走っていた頃に韓国を訪れておけば良かった……と激しく後悔)、トンイルよりも格段に上等なリクライニングシートを装備した特急列車「ムグンファ (無窮花)」号は、長距離・短距離輸送のどちらもこなすオールマイティーな列車として、鮮鉄譲りの標準軌の上をガンガン飛ばしております。
 ムグンファの一部は、かつてトンイルが担当していた地方ローカル輸送の運用にも入り、DL+電源車+客車2両という侘び寂びな編成で走っているようですが (そのうち乗りたい!)、私が今回撮影した京釜線上では、DLが猛烈な轟音を立てまくりながら、まさにノリノリの120~130km/hでかっ飛ばしておりました! 上の画像は成均館大 (ソンギュングワン Univ.) 駅ホームにて撮影。非常に気に入っている撮影スポットです (^o^)。



 ところで、客車列車のメインはあくまでムグンファですが、PP動車主体のセマウルにも、ごく一部ながら客車列車があります。一見すると、中間車は基本的にPP編成と客車列車のどちらにも使用でき、客車列車として使う場合には電源車を連結する……という使い方のように思えるのですが、よく調べてみたところ、やはりPP動車の中間車と客車では形式名が全く異なります (^^;;)。先に現在の客車セマウルが流線型の7000型DL (今回撮れず仕舞い。残念!) とともに80年代に登場したのち (70年代の初代セマウルは白い車体に青帯の客車)、大幹線のセマウルはPPに置き換えられ、客車セマウルは主にスピードを出しにくい山岳部路線や支線への直通列車として転身して今日に至っているようです。
 しかし、今やそれも減少の一途をたどっているようで、ソウル周辺で客車セマウルを目にするとすれば、首都圏電鉄区間の南端である天安から黄海沿いに分かれてゆく長項 (チャンハン) 線への直通列車を狙うしかないようです。しかも長項線は、すでに導入が決まっている日立製特急電車の投入対象路線であるとかないとか……。というわけで、客車セマウルが長項線直通列車から消える (?) 前に、今度は長項線の田舎~な風景をゆく光景を記録してみたいものだと思っています。