地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ジャカルタ炎鉄録 (13) メトロ5000系

2009-09-06 00:09:00 | インドネシアの鉄道


 ジャカルタの冷房車のうち「Hibah=贈り物」シリーズ、お次はメトロ5000系です。都営6000系のジャカルタ譲渡の縁起は、東京都とジャカルタ特別市との友好関係による無償譲渡であることが、各種の報道やHP上での記述からはっきりしています。しかし、メトロ5000系+東葉1000系からなる東西線5000系一族のジャカルタ入りの経緯につきましては、余りはっきりした話が出て来ないのが不思議なところ。ネット散歩から分かった限りで記してみますと……ジャカルタの鉄道関係者の与り知らないところで話が決まり、ある種いきなり転がり込んで来たため、当初は大いに戸惑ったとか。う~む、あくまで邪推ですが、数年後に開通予定とされる地下鉄(これ自体は絶対に必要。専用レーン使用のバスシステムである「トランス・ジャカルタ」では、最早都心部の輸送力は到底足りず、ラッシュ時は乗るまで地獄です……。定員制で、一定人数以上は乗せませんので、乗った後はラクなのですが) の建設に関連したあれやこれやの動きに関連しての、まさに文字通りの「贈り物」なのかも知れません……(汗)。



 とはいえ、どんな経緯があろうとも個人的には、メトロ5000系の甲種輸送を神奈臨千鳥線で撮影し、日本での最後の走りを見送ったという点で、ジャカルタを行くメトロ5000系には思い入れがあります。とくに、千鳥町で最後の姿を見届けた59F (2007年4月23日付記事をご覧ください) が、何と「東海神」幕を掲げながら、中央線急行「パクアン」として時速100km/h前後で爆走し、モウモウと砂埃を立てまくっている光景には……マジで激しくシビれました!! (*^O^*) 東西線での現役当時はもっぱら乗るばかりで、撮ったのは僅か、行徳電車区のさよなら撮影会だけだったりするのですが (^^;;)。
 いっぽう、川崎市営埠頭への甲種輸送第一陣として見送った67Fは、ジャカルタ・コタ~東線~ブカシ間のエコノミーACの主力として大活躍しておりました。高架を行く中央線とは全く異次元的 (?) で庶民的な空間である東線の風景とメトロ5000の組み合わせは……うぅ~ん濃過ぎ (笑)。8月17日の独立記念日前後に掲揚される国旗も凛々しさを盛り上げています (^^)。
 ちなみに、もう1本の66Fにつきましては、今回訪れそびれたスルポン線の急行運用に入っておりましたので、記録しておりません。悪しからず……(この編成は千鳥線でも撮っていませんし。^^; 逆に、個人的に千鳥線で見送った編成はきっちりと撮ったことになります。笑)。ただ、独立記念日の朝、マンガライ駅での撮り鉄を終えてジャカルタ・コタ行きのEACを待っていたところ、66Fがタナ・アバン方面から到着し、同じホームの向かい側には都営紺帯編成6121Fのボゴール発アンチョール行が到着……! 要するに、スルポン線方面からアンチョールへ行く行楽客のために同一ホーム上での連絡を図るという、インドネシアでは破格のサービスを行っているわけですが(但し独立記念日は午前中だけ学校があり、各学校で式典を行っていましたので、利用客は僅少……汗)、それ以上に、都営6000系とメトロ5000系による連係プレーという、日本ではまず考えられなかった光景に、まるで白昼夢を見ているかのような心地になったのでした……。