インドネシアのDCといえば……近郊輸送用の車両のみならず、最高に神出鬼没で如何にも高級そうな雰囲気を漂わせる巡視車が存在しています。ネットで目にする限り、巡視車は2両存在するようで、1両はその名も「レイル・ワン」。金色に輝くガルーダのエンブレムもまぶしく、赤と青の細い帯を締めたデザイン。恐らくは大統領クラスのVIPの利用に対応しているのでしょう。そしてもう一両は、やや光り具合が弱いエンブレムを掲げて紫の濃淡の帯を締めた「ウィジャヤクスマ」。具体的な意味を調べてみますと、1年に1回だけ満月の夜に咲く花「月下美人」を意味するそうで……滅多に見かけない特殊車両の名称としては、何やらうまく出来過ぎているような気もします (笑)。
そんな「ウィジャヤクスマ」、ジャカルタの東線で撮り鉄していた際、何と奇跡的に遭遇してしまいました! ジャカルタ・コタ方面から、既に見慣れたDLとは違った形状の白い車両が迫って来たため、望遠レンズの望遠側で「何じゃ何じゃ?」とばかりに観察してみたところ……「ぬおっ!ナゾの事業用車……というか、ゴツい検測機器の類はなさそうな代わりに、眺めの良さそうな窓がある……。これは巡視車に違いない!」ということで、線路脇に掲げられたメラ・プティ=インドネシア国旗とからめて激写!!
しかし、オドロキの事態はそれだけではありませんでした。撮影後に早速拡大再生してみたところ……何と!乗っているのはどう見ても鉄道関係者の皆様やVIPではなく、ただの現地鉄ヲタの皆様ではありませんか! とくに……ヴェールをかぶった女子大生っぽい私服の女の子なんて、絶対に関係者ではないだろう……と。
その後しばらく「あれは一体何だったのか。まさかこんな事業用車を趣味団体が貸切可能とは……何とユルい国だ」と思っていたところ、やはり「乗客」はジャカルタの若い鉄ヲタの皆様であったことが判明 (笑)。リンク頂いている「Kreta dan Kuching」の管理人・seri8039さんによりますと、この日はまず現地鉄ヲタの皆さんとタナ・アバンの機関区を見学、するとその場で「これからウィジャヤクスマの試運転をするから乗ってかない?」と誘われたそうで……このような激しく濃ゆ~くご機嫌な環状線一周の旅が実現したとのことです(当然seri8039さんもご乗車)。というわけで、このシーンを写っている人数分プリントして差し上げたのですが、フツーあり得ないですね……こんな偶然の展開 (笑)。
(1) 機関区を訪れた一行が試運転に誘われる。
(2) 私がたまたま東線で撮り鉄している。
(3) マンガライ駅でたまたま初めてお会いしたseri8039さんと懇意になる。
……しかもこれは全て、東京から約6000km離れたジャカルタでの話……(^^;;;