地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

明治のSL 1080号機・梅小路にて屋外公開

2009-09-21 00:39:00 | 保存・園内・特殊車両


 既にRM誌編集長氏のブログをはじめ各所にて伝えられております通り、明治の御代に幹線旅客用SLとして英国から輸入され、のちに鉱山の専用線で用いられて来たD9→1070形・1080号機が、このたび長年の眠りから覚めて梅小路蒸気機関車館へと奇跡の輿入れを果たし、念入りな化粧直しを経て先日から一般公開のはこびとなりました。しかも、通常は他の所蔵機関車と同じく扇形庫内での展示となると予想されるところ、お披露目当初は転車台南側の撮影にはもってこいな位置に屋外展示されるとのこと! 個人的にはSLに熱狂した世代ではなく、他に何も用事がなければ往復の新幹線代を払ってまでして遠路このために梅小路まで往復することはない……のですが (^^;)、これが極めて貴重な機会であることは疑いの余地がないわけでして、しかもこういうタイミングに合わせて18日に京都出張!!\(^O^)/ こりゃぁ~もう行くしかない!というわけで、ライティング的にみて左右両方を照らす13時前後の時間帯を狙って約1年ぶりに勇躍梅小路へと向かったのでした。



 昔ながらの風貌をそっくり保った梅小路の雄壮な扇形庫をバックに、艶消しブラックに磨き上げられて静かに佇む1080号機……。それはまさに、一世紀以上の時空を隔てて現代に蘇る歴史浪漫……。こんな小型のSLが急行列車を牽引していたというのは信じ難い気もしますが (^^;)、2軸のスポーク動輪だけは車体に比して相当大きく、結構軽快に飛ばしまくっていたのかも……と想像しています。
 それにしても、国鉄・JRや大手私鉄及びその関連施設ではなしに、これだけ年代物なSLが良好な保存状態を保って来たというのは、誠に驚嘆以外の何物でもありません……。貴重な車両を保ってきた専用線関係者の皆様の献身的なご尽力の賜物なのでしょう。しかも、単にそれだけでは決してこのように梅小路入りして化粧直しされることにつながるわけではなく、特に何事も世知辛い今の世の中だけに、最終的な保存先も決まらず化学変化に任せて朽ちて行くのみだったのかも知れず、保存に向けた関係各位の奔走という絶妙な巡りあわせがあってはじめてこのような慶事が実現するのだ……ということをしみじみと感じます。改めて、明治のSLがこれほど理想的な状態で屋外展示されるに至るまでの関係各位のご尽力に敬意を表すると同時に、一介の単なる鉄ヲタとしては、積極的に鉄道を利用し運賃収入や保存施設の収入に貢献することで、陰ながら保存活動を支援したいと思う次第です。
 ちなみに、1080号機が活躍していた専用線は葛生のさらに奥にあったそうですが、う~む、東武・専用線入り乱れてこの手のSLがゴロゴロしていた最盛期の葛生界隈の情景……。今やガラ~ンとした葛生駅ヤード跡地の「夏草や強者どもが夢のあと」状態を思うにつけ、タイムマシンがあれば是非見てみたい……(-_-;;)。