地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

近鉄1000系・大型前パンの誘惑

2010-08-03 00:00:00 | 大手民鉄 (近鉄)


 名鉄でのショートトリップを終えて名古屋に到着したあとは、すぐに新幹線に乗って用務先の京都に向かっても良かったのですが、まだ1時間ほど余裕があったことから、そんなときのためのお手軽スポットとして近鉄名古屋線の米野へ。大名古屋帝国 (爆) 首都駅の僅か一駅隣りでありながら、最高に小ぢんまりとした駅舎が出迎えてくれる米野駅は、鉄道趣味的にみても近鉄とJRCの車庫と隣接しており、しばしまったりするには好適な場所と言えましょう。
 もっとも、約1時間の持ち時間は、本数が決して頻繁とは言えない名古屋線普通列車の時間に制約され、実際にのんびりと撮影出来るのは30分程度 (汗)。そのあいだにお気に入りの車種が来てくれればハッピーですが、近鉄もなにせ路線が非常に長く、漸進的な新旧交代の波の中にありますので、当たるかハズレるかは運次第……。しかし、名古屋で乗った普通がゾロ目のク1111であったことから、こりゃぁ結構イケるのではないか?と期待していたところ、果たせるかな……下車後まもなく四日市方面からやって来たのは、個人的な名古屋線の超お気に入り車両である1000系!! 嗚呼!堂々たる21mボディの先頭車が相当大振りなWパンタを装備しているその御姿は、まさにシブい男のダンディズムそのもの……。



 それもそのはず、この1000系はもともと、かの名車の中の名車・2200系の下回りを流用して1972年に登場したという、秘かに由緒正しきスピリットを伝える車両です……。もっとも、その後80年代にカルダン駆動化と界磁位相制御化を柱とする改造を受け、実質的には奈良・京都線8000系列から抑速ブレーキを省略したような性能となって今日に至っていますので、もちろん厳密にいえば既に2200系とは関係ない車両であるのかも知れません。しかし……現役の2200・2250系に乗ることがかなわず、『私鉄電車のアルバム』などで写真を眺めて涎を垂らし溜め息をつくだけの私からみますと、かつて2200系のモーターを装備していたというだけでも計り知れないオーラをこの車両から感じるのです……。しかも、裾絞りではない端正なボディに、いまどきとしては相当デカい部類の前パンが堂々と搭載されているとなれば……それはまさに、12200系と並んで「2200系的な何か」を感じさせるかけがえのない存在のように思えます (*^^*)。
 そんな1000系、従来からもっと撮り貯めるべきでしたが、通常の運用範囲が名古屋~伊勢中川間 (?) と非常に長く、しかも先頭車モ1000のうち1001はパンタがなく (中間車のモ1051が装備。ちなみに3連の中間車モ1050は、3連化・カルダン化した際に1810系付随車を電装したもので、2200系とは一切関係ないとか)、合計7両しかない前パンのモ1000を記録するには相当腰を据える必要があります。主な下回りは80年代製ということで、恐らくまだまだ廃車は先かと思われますが、車体が40年物となりつつありますので、今後が気になるところです。
 ちなみに、名古屋駅で当たったク1111を含む1010系もやはり釣掛機器流用車として登場した車両ですが(80年代にカルダン化されたのも同様)、当初は奈良線用だったことから8000系列と同じく裾絞り車体を採用しており、前パンではないという点でダンディーさは1000系よりもガクッと落ちるような気が……(^^;)。しかしともあれ、他にもビスタカー10100系の機器流用車である2000系の存在も含め、近鉄名古屋線は何気に濃いぃ雰囲気がありますので、今後も日頃からの記録に心がけたいものだと思っています。