地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

新ジャカルタ炎鉄録 (7) 東急8611F@線路市場

2010-08-25 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 日本中古冷房車で運行されるジャカルタの列車の中でも最も混雑する列車と思われる403レは、ジャカルタ・コタ到着後458レ・デポック行として折り返し、デポック・ラマ到着後は再び折り返して459レ・アンケ行となります。というわけで、ドアを開けまくりの状態でやって来た403レが東急8611Fで運用されているのを目にした私は内心で思わず「よっしゃぁぁーっ!このあとこの編成、ドゥリの線路市場に入線決定!v (^O^)v」と叫んでしまいました (笑)。
 通常、デポック・ボゴール方面から北上して来たボゴール線の電車は、マンガライで環状西線~ブカシ線を横切って中央線の高架へと進んで行きますが、朝夕のラッシュアワーには一部の電車が環状西線のタナ・アバンへと向かいます。その最大の目的は、ジャカルタきっての高層ビル街であるスディルマン通り界隈や、東南アジア最大の服飾・繊維製品市場であるタナ・アバン界隈へ向かう通勤客の輸送ですが、一部はさらにタナ・アバンでスイッチバックしてスルポン線に入るほか、この459レに限ってタナ・アバンから2駅先のアンケまで運行されます。そして……このタナ・アバン~アンケ間は、東線のクマヨラン~ジャティヌガラ間と並んで、ジャカルタの鉄道シーンの中でも際だって強烈な下町ゾーン! アンケの一つ手前のドゥリ駅(タンゲラン線分岐駅)に至っては、駅南側の鉄道用地が隣接する市場街と完全に一体化し、線路上に野菜果物・雑貨を売る露店が並びます (滝汗)。
 ここまで来るボゴール線のEAC、昨年のダイヤでは東急8500系の運用で、「次回訪問時は是非ドゥリで!」と思ったものですが、今年3月のダイヤ改正で東葉高速の運用に……。しかし、訪問初日にはJALITAが運用されたことから (8月17日付記事参照)「3日間の撮影の最終日に8500をドゥリの線路市場で何とか撮れないものか」と秘かに期待していたのでした。まさに「念ずれば通ず」です、はい (^_^)。



 [ここから先、お食事中の方やグロい世界が苦手な方はご遠慮下さいませ]
 そこで、アンケ行の459レに先行して、環状西~東線を時計回りに一周するインドネシア国産KRL-1のエコノミーAC「チリウン」に乗りまして、午前10時前にドゥリに到着~。早速ホームの先端に陣取り、タナ・アバン方面から人をかき分け迫って来る8611Fをどうやって連写しまくろうかとイメージ・トレーニングに励んだのですが、線路上をはじめ辺り一面には野菜や果物のゴミから発せられる饐えた臭いが充満し、しかもホームの目の前に置かれた市場のゴミ箱にはぷっくりと肥え太ったハエがびっしりと……(滝汗)。とりあえず、東線パサール・スネン駅南側の超スラム街ゾーンのような治安上の危険は全く感じられず(ここはさすがに車内から一目見ただけで撮影が憚られる雰囲気……)、市場でのんびりと世間話に興じるオッチャン達や走り回る子供達は私の存在に気づいて「お~い、こっち撮って♪」と陽気ですので、まぁあくまで極めてありがちな東南アジアの下町だと思えば、それなりにまったりと楽しい待ち時間を過ごすことが出来ますが、とにもかくにも衛生的には……この手の世界に不慣れな方には決してオススメ出来ません (^^;→私はむかしバックパッカーをやっていたものでへっちゃら)。
 それはさておき、定時運転であればアンケ行の8611Fは、私がマンガライから乗ってきた「チリウン」467レの10数分後に姿を現すはずですが……待てど暮らせど来ない! (@_@) そこで「まさか……朝っぱらからダイヤが総崩れになって、どの列車も遅延しまくりであるため、バッサバッサと運転整理が行われ、アンケ行の459レも乗客が少ないと思われるタナ・アバン~ドゥリ~アンケ間は運休とされ、タナ・アバンでボゴールへ向けて折り返してしまったのではないか???」という懸念が内心深まって行ったのでした……。とは言え、駅の構内放送に必死に耳を傾けていても、運休を表す「batal」という表現は聞こえて来なかったことから、何とか望みをつなぎつつ待つことしばし……。何と、定刻から40分以上遅れて (爆)、線路市場の奥からついに8611Fが姿を現したのでした!\(^O^)/ そして、市場のオッチャン達が口々に「クレタ・アピ! (列車)」「ジャルール・サトゥ! (1番線)」と叫んで通行人や線路上の露店に注意を促し、いよいよ8611Fが市場に突入~!! いや~、まさに「アジア的混沌」を地で行くような光景です……(*^O^*)。
 その後は、アンケからすぐに折り返して来た8611Fのドゥリ発車シーンを撮影~♪ パラソルのすぐ脇を、ビニール袋や乾いた葉っぱを巻き上げながら発車する8611Fの姿は、まさに「たくましい」の一言に尽きます……。こうして、東急田園都市線車両とアジアの超下町のコラボレーションという壮大な文化接触を楽しんだあとは、バイクタクシーでジャカルタ・コタ駅に向かい(本当は列車で移動したかったのですが、タンゲラン線の正午前の急行電車が何故か運休……)、ボゴール所属東急8500系・もう一つの極上メニューを堪能したのでした……。