ジャカルタの電車の最も面白く、かつある意味でヒヤヒヤさせられる点は、塗装や帯色が検査のたびに (いや、しばしば検査と関係なく唐突に?!) 変更され、全く別のイメージに変わってしまうことでしょうか。このことは、早いもので3年前の「リバイバル急行」を最後に住み慣れた東横線を離れ、遠路はるばるジャカルタに流れて来た東急8039Fも例外ではありません。この編成はまさに伝説ということばが相応しく、2003年の廃車前提休車からの復活にはじまり、銀色一色化、リバイバル急行、そしてジャカルタでも最も美しい青の濃淡の飾り帯姿……と、ここ数年来常にファンを最も熱くさせる編成であったと思いますが、そんな8039Fも去る6月についに検査期限が到来し、「新しい帯色は果たしてどうなるのか」とファンをやきもきさせることに……。
そこで出場した8039Fの新しい姿がまさにこれ! ジャカルタから、リンク頂いている「Kreta dan Kucing」さんにしばしば写真レポートを送って下さり、当ブログにもコメントを頂いておりますAndi様によりますと、最近デポック電車区で検査を受けた車両は総じて「青+黄色」系をまとって出場しており、8039Fもその例に漏れないようです。しかし……前の帯色が余りにも惚れ惚れとする美しさだっただけに(とくに前面の、インドネシア鉄道社紋を引き立たせる細かい水色帯)、ジャカルタのファンは総じて新色を目にして落胆したのだとか……。私も「嗚呼!何故あの名作を改めて貼ってくれないのか!」と、画像を目にした当初は嘆かわしい気分になったものでした……。
しかし、そこのところは8039F! 実車をナマで目にして激写していますと、やはりこの編成は東急8000系列ファンにとって神聖なる存在であり、そのことは何となくジャカルタの鉄道関係者にも理解されているのではないか……と思わずにはいられないほど、新しい帯色も他の編成と比べて何とも精悍な印象を8039Fに付与しているように思われて来るから不思議です(*^^*)。近々アップする8500系の青+黄新色と比べてひときわ青が紺に近く、メトロ5000系や東葉高速1000系の新色と比べて正面部分の塗り分けがシャープでダンディー……。デポック電車区のデザイン関係者が、警戒色としての帯色と純粋なデザインとしての帯色をどう調和させるのか試行錯誤してたどりついた結論が恐らく8039Fの新色なのでしょう……。
昨年夏の時点では「急行・桜木町」など懐かしい行先を表示可能であった8039Fの幕は、残念ながら今回の検査でインドネシア語の新品に取り替えられてしまいましたが、8007FがショボいLEDに交換されてしまったことや、8610Fの幕が検査後も交換されず既に昇天している状態であることを考えますと (後日アップ)、こうして新幕に取り替えてもらえるあたりも8039Fの特別な存在感を盛り上げているように思います (^O^)。恐らく幕の内容は、私と入れ替わりで現在ジャカルタを訪問されているKucing kampung様がレポートして下さるものと期待しているのですが、もし片仮名で「ジャカルタ・コタ」「デポック・ラマ」etc...が入っているとすれば嬉しいですね (笑)。
そんな8039F、検査上がり間もない全身ピカピカな姿で快走しておりますが、とにかく今回の訪問時はダイヤ乱れがひどく、通常ほぼ固定されている運用がコロコロ変わるため、最初に8039Fを見かけたのち、そのまま狙いを定めて連日追いかけ続けることは不可能! そこで、結局撮影出来たのは初日の朝だけだったのが心残りです。この日、8039Fはデポック~ジャカルタ・コタ間の急行運用に入った後 (?)、そのまま終日入庫となり (T_T)、翌日は中央~ボゴール線で撮っていないので詳細不明。そして最終日は朝から一切運用に入らず (折角朝方はすっきり晴れたのに……)、夕方4時前にボゴールから運用変更で出庫し、ジャカルタ・コタへエコノミーACとして上っていったのを目にしただけでした……。