今回のインドネシア訪問は、自分自身がなかなか片付かない仕事に追われて余り長い時間を割けないのと、JALの曜日限定ディスカウントチケット「ダイナミックセイバー・タイプF」を利用して、通常エコノミー最安で13万円超のところを6万円ポッキリで往復したため (じきにガルーダが成田直行を開始し、来年からはANAもジャカルタ線を開設するため、三つどもえの戦いで格安チケットが常態化することを期待!)、撮影のために確保した時間は正味3日間という強行軍。しかもうち半日は神奈臨DD5512探訪のために使いましたので、2日半を如何に活用して約1年間のあいだに起こった変化を記録しようか……と思案したのですが、結局のところ「ダイヤをじっくり研究して、列車本数が多い時間帯を選んで確実に撮る」という極めてありきたりの方針に落ち着いたのでした (笑)。そこで、現地サイト「KRL Mania.com」などに載っている今年春改正の新ダイヤを、実際に白紙のうえにダイヤグラムとして記入するという難行苦行の準備を重ねるなど、なるべく周到に周到を重ねて現地に乗り込んだのですが、いやはや……やはりダイヤ通りには走らず、「Asian Railway Plaza」の井上様から事前に頂いた運用表自体もダイヤ乱れの嵐の中で軽く崩壊気味になっているなど、その都度思い切り振り回された次第です。
ほかにも、陸揚げされてから数ヶ月を過ぎたメトロ有楽町線7000系もさすがに8月に入れば営業運転を始めている頃だろう……と思いつつ、ラマダーン(断食月)直前に帰国するプランを立てたのですが、正式な営業開始は19日からということで(既に『じゃかるた新聞』に記事が載っています)、この点でも振り回されました (汗)。もっとも、事故廃車の編成から中間車を抜いてナゾの運転席を取り付け新たな4両固定編成となった都営6000系「Djoko Lelono2」を撮りそびれた他は、総じて狙っていた編成を撮影出来、充実した滞在となりました。
それにしても今回強烈に感じたのは……昨年と比べても混雑激し過ぎ! (@_@)
線路脇で撮影しながら、あるいは実際にメチャ混みな列車に乗りながら、その原因をつらつらと観察して考えてみたのですが、大略以下のような原因によるのではないかと思いました。
(1) 何と言ってもジャカルタの人口増は引き続き超ハイペース。
(2) エコノミーACが充実してきた分、非冷房エコノミーはさらに削減。
(3) しかしエコノミーACは負担が重い客層も依然多く、むしろ人口急増で増加。
(4) そこで、エコノミーACのあとの非冷房エコノミーは超カオスに。
(5) しかも運転間隔が数10分~1時間ほど思いっきり開くこともある。
(6) そこで乗降に非常に時間がかかり、ますますダイヤが乱れて運転間隔が破綻。
(7) そういうときに限って何故4両編成で来るんだぁぁっ! (今回の画像)
(8) 日中の列車であれば分かるものの、夕方の混雑のピークに4両なんて! (-_-;)
(9) そういえば背景として、脱線事故などによる離脱・減車もあるのかも・・・・
(10) 長距離列車の遅延がガンビール駅・マンガライ駅での信号扱いの困難に拍車。
(11) 遅延列車が後続列車を詰まらせ、ジャカルタ・コタ駅も満線で身動き取れず。
(12) いっぽう中産層の増加と冷房車の増加でエコノミーACの利用が急増。
(13) でもエコノミーACはまだまだ本数が少なく、収容力も低いため、
乗り切れない客のためドア開放運転! 乗降にも時間がかかり遅延……。
……というわけで、これらの要因が重なりまくった結果、しばしば30~40分の遅延は当たり前という事態に直面し、撮影するにしても乗るにしても「まさか運行自体がキャンセルされたのではないか……」と思わざるを得ず、誠にヒヤヒヤの連続でした(実際、急行や非冷房エコノミーがしばしば間引かれていたような印象が……)。最終的な解決策は、非冷房エコノミーを廃止して全車冷房車化し、急行運賃とエコノミーAC運賃も統合して、1本あたりの乗客数を平準化するとともに運転間隔もなるべく揃えることなのでしょうが、道は遥か遠いとしか思えないのも事実。そんな、爆発しつつある混雑を必死にさばきながら健気に走る電車たちの、昨年とはかなり大きく変わった表情を激写して参りましたので、これからしばらく連載でアップして行きたいと考えています。
なお昨年と同様、線路内・鉄道用地内で撮影しているカットが多数あること (とゆーか、ほとんどそうだったり ^^;) をお断りしておきます。あくまで原則は禁止ですが、現実には全く守られず(マンガライ駅に至っては、線路内を歩いてホームに来た客のための切符売り場があります。^^;)、線路内で撮影している私に向かって運転士氏が点灯サービス!というのも相変わらずです (汗)。当ブログの画像を参考にして現地に向かわれる方もおられるかも知れませんが、撮影は全て自己責任で、安全には細心の注意を払うということでよろしくお願いします。
また、撮影許可を得ているかどうか問われることもしばしばあるようですが、今回も私はそう訊かれる機会には遭遇しませんでした (全~然許可得てないし ^^;)。それでも、許可があるに越したことはないと思われますので、DJ誌の最新号に載っている撮影指南などを参考にされると良いでしょう。悪人やテロリストは線路脇には寄りつかず(むしろインドネシアの経済発展を象徴するかのような、プラザ・インドネシア以南のスディルマン通りやブロックMなどの繁華街の方が余程危険)、線路脇の人々は貧しくとも慎ましく生きるフレンドリーな人々ばかりですので (という気がする)、治安面では通常の注意+αを払えば良いかと思います。