地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第四ジャカルタ炎鉄録 (25) 鋼製3扉非冷房電車

2013-02-23 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 3月の東南アジア訪問を控え、昨年8月にジャカルタで撮影した未アップネタが結構あることに焦りを感じなくもない今日この頃 (^^;)。しかしまぁ、次回ジャカルタを訪問するまでにアップを終えれば良いかな?とも思います (どっちやねん。笑)。
 とはいえ、こんな感じでウダウダしている間に、ジャカルタの鉄道事情は目まぐるしく変わっているようです。リンク頂いております現地発信ブログ『JABODETABEK COMMUTERS NEWS』様などを拝見しておりますと、例えば運賃値上げによる利用客の不満、及び大手チェーン店と組んだ駅ナカショップ戦略に基づいた既存の駅構内小規模店舗の追放による商店主及び利用客の不満などが、線路占拠デモなど一触即発の事態を招き、ひいては (特に駅構内での) 撮影原則許可制徹底となっているとか……。また、数年に一回ジャカルタを遅う大水害のため長期にわたり路盤水没・流失などの運休が生じ、とりわけメトロ05・7000系が各1本深刻なダメージを蒙ったのは記憶に新しいところです。あるいは正確な原因は分かりませんが (超高温多湿な自然環境や部品不足による電機子チョッパ装置等の不調?)、昨年夏の時点ではまさに「黄金時代」の感すらあったメトロ6000・7000系の稼働率が著しく低下しているというのも結構衝撃的……。誠にジャカルタ撮り鉄においては「今来た編成は明日どうなるか分からないので、迷わず必ず撮れ!」という鉄の掟を痛感せずにいられません。



 そんな混沌の度合いを強めつつあるジャカルタの電車シーンにおいて、抵抗制御車だけは絶対的に安定した立場を保っているようです。最近は東急8613Fも数ヶ月以上にわたり機器死亡に陥っていることにより、フツーに元気よく走り続ける都営6000やメトロ5000 (&東葉1000) の評価がにわかに高まっているのかも知れませんが、非冷房エコノミーの日本製抵抗制御車も、高温多湿でもビクともしない頑強さにおいて負けていません。何せ、1990年代以降大量に導入されたVVVF車は、1997年製のHITACHI・8連1運用を除いて完全に離脱済ですが、日本製抵抗制御車は事故車や一部の部品取り車を除いて大部分が現役続行中!ですので……。
 このうち3扉の鋼製車は、1978・83・84年に日本から輸入されて以来、常に第一線で混雑を捌き続けて29~35年が経過しています。1998年のアジア経済危機以後は混雑の激化とメンテナンス予算不足ゆえに相当荒廃した姿となり、私が初めて訪れた09年の時点でも、車内灯が死んでいたり椅子や床がガタガタベコベコな状態であったり……と、最初に足を踏み入れた瞬間には「何かヤバすぎるな……」と思ったものですが、下回りはさすがメイド・イン・ジャパンらしい安定性を誇示し、最高時速100kmほどで熱帯雨林を横目にブッ飛ばす光景に瞠目したものです。そして……まさに私が初訪問した頃からインドネシアの経済成長が大きく加速し、インドネシア鉄道内部の組織改編に伴うゴタゴタも収束して (RP誌に掲載されていたマンガライ工場長へのインタビューによる)、車両メンテナンスのための予算とマンパワーも充実したことから、訪れるごとに大幅な整備を加えられた日本製エコノミー車が増えていったものです。そして今や鋼製車は、ステンレス車と固定編成を組むためにグレーに塗られた2両を除いて全て白+オレンジ帯となり、車内もボロいながらも明るく塗られ、椅子もクッションのない板状長椅子から駅のベンチ風のセパレート型プラスチック椅子に改められています。
 というわけで、今後数回は日本製非冷房エコノミーをアップです♪