関東の最東端にあたる銚子の街を、潮風を受けながらのんびりトコトコと走る銚子電鉄は、ローカル私鉄旅情に飢えている鉄ヲタにとっては夢の桃源郷のひとつであり、一般観光客にとってもひとしきり非日常と「昭和」に浸ることの出来る存在となっていますが、その経営規模の余りの小ささゆえに波瀾万丈の歴史をたどり、とりわけ検査費用・車両購入費用の枯渇の危機を濡れ煎餅でしのいだ数年前の出来事は記憶に新しいところです。それはまさに七転び八起き、天は自ら助くる者を助く、という精神を象徴しているとも言えましょう。そして何と……このたび創立90周年を迎えるとのことで、明日は仲ノ町をはじめ沿線各地で記念イベントが実施され、電車には「鉄道むすめ」をあしらったHMが付くとか。そこで個人的にも、そんな銚子電鉄90周年を祝いつつ、いやそれ以上に銀座線・方南町支線カラー復活姿や京王アイボリー塗装の某SCラッピング剥離後の姿をまだ撮ってない!ということで、気分転換を兼ねて先日訪れてみました。
銚子というところは神奈川県民からみますと、線路状態が必ずしも宜しくなく余りにもチンタラと走るJRE千葉支社ゆえに、あるいは総じて単調な沿線風景ゆえに、113系の時代でも遥か彼方という印象が強かったのですが、今や普通列車が209系になってしまったとあっては、先頭車のボックスシートを確保出来ない場合なおさら難行苦行の地の果てへの旅という印象……(^^;)。そこで最近は、銚子への往路は「しおさい1号」をチョイスすることが増え、つくづく自分自身のヲッサン化を思い知らされるのですが、折角「しおさい」に乗る以上、ここは気晴らし&プチ贅沢を兼ねてグリーン券をフンパツしました♪ E255の遜色グリーン車にグリーン料金を払うのは勿体ない、というのが一般的な評価でしょうが、だからこそ「しおさい」のサロはいつ見ても客が乗っていないわけで、そこを敢えてグリーン料金を上乗せすれば、指定席特急料金+1500円で何とサロ1両丸ごと貸切……v(^O^)v 以前にも一回試し、その贅沢ぶりを堪能したのですが、今回もやはり貸切でした♪♪ (ただ、銚子到着直前に普通車自由席のヲタオヤジがサロ車内の写真を撮りに来たのはムッと来ましたが。厳密に言えば、お前にはその権利はないのだよ!と。爆) そんな「しおさい」のサロに乗れば、東京から銚子まで1時間50分の道程もあっという間 (?) ですし、下車時にはいささか名残惜しい……。
それはさておき、銚子での下車後はまず徒歩で仲ノ町に行き、入場券を購入してしばし撮りまくった後、のんびりと走る電車に乗って外川に向かったところ……ををっ何と!笠上黒生で風葬になって久しいと言われていたデハ801が外川に戻って来ているではありませんか! そこでいろいろ調べてみますと、先月開催された昭和レトロを楽しむイベントのために外川に運ばれたとのこと。恐らく少なくとも、明日の90周年イベントまではこの位置に置かれているのかも知れません。いや~、やはりデハ801があってナンボの銚子電鉄です (爆)。この光景は本当にウレシイですね……♪ しかし、さすが潮風が強烈な土地柄なだけに、とりわけウインドヘッダーの腐食が急速に進んでいるのを眼にしますと、そもそも長期保存に向けた手を打たない限り、公開にふさわしい姿を保っているのもこれが限界か……次回来たときには笠上黒生でヤバいことになっているのだろうか?という懸念も禁じ得なかったのでした……。