地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

さよなら、ジャカルタの非冷房エコノミ電車!

2013-07-26 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 過去4回の訪問で撮影した中で最混雑だった列車。何故ラッシュ時に4連……??



 09年の初訪問時には、金網がまだない一方、ライトが片方抜けた状態の車両も。



 最長老格の1976年製2扉車。37年間現役とは本当に頑強のひとことです……!



 この編成は果たして冷房改造の対象になるのでしょうか……??

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 1年ぶりのジャカルタ再訪を控え、昨年撮影分のまとめを急いでいるところに、緊急で悲しい報せが入って参りました……。いつも大いに参考にさせて頂いております『JABODETABEK COMMUTERS NEWS』様によりますと、かねてから明言されていた非冷房エコノミー電車の全廃が、何と一昨日の終電を以て予告無く断行され、ジャカルタの電車の冷房化率100%が実現したとのこと……。これはこれで、躍進目覚ましいインドネシア・ジャカルタの交通史上記念すべき画期なのかも知れませんが、たとえ引き下げられたとはいえ冷房車運賃を負担しきれない層もいることは否めないことを考えますと、果たして本当に予告無しの全廃で上手く行くのか、猛烈な抗議デモが起こらないのか、大いに気になるところです。何時にも増して平安さが尊ばれるラマダーン期間中にあって、こういうことをするのか……やるとすればラマダーン明けの連休が終わってからではないのか?と思っていただけに、予想外の展開に大いに驚いているところでもあります。
 個人的には、来月のジャカルタ訪問における最大の目的の一つとして非冷房エコノミー乗り納めを掲げ、ジャカルタ・コタからボゴールまで標高差300数十メートルの山登りダッシュをドア全開で楽しむことを楽しみにしておりましたので、その機会を目前に控え、まさかラマダーン中に突如全編成離脱してしまうとは……ごく僅かな時間差で間に合わなかった!ということで、悲しみに堪えません (号泣)。
 もちろん、初めてジャカルタを訪れた目的は、東急8000系列や103系といった日本で馴染みの車両の活躍を目の当たりにすることであり、第2~4回の訪問も勿論それが最大の目的であったことは言うまでもありません。しかし同時に、一見すると酷使されボロボロな外装と車内、電気が消えて真っ暗、屋根上乗車もびっしり……ということで恐怖感すら抱きかねない非冷房エコノミー電車も、いざ実際に乗ってしまえば結構楽しい乗り物であり、とりわけ頑丈な車体・重厚な台車・滅多なことでは故障しない屈強なモーター (しかもMT54とMT55を足して2で割ったようなサウンド♪……1997年製のVVVF車であるHitachiを除く) の組み合わせは、まさに安心と信頼の日本製品スピリットそのもの! 1970~80年代に、日本とインドネシアの友好協力の象徴として大量に導入された電車たちが、途中1990年代末のアジア経済危機・スハルト政権崩壊に伴う大混乱をくぐり抜けつつも、今日に至るまで正々堂々とジャカルタ首都圏の都市輸送を支えてきたことに、日本人のはしくれとして心からの喜びを感じてきたものです。
 そんな非冷房エコノミーの乗り納めがギリギリで間に合わないというのは本当に遺憾なことですが、まずは本当に、長年にわたるそんな日本製非冷房エコノミー電車の活躍に対して「心から御苦労様でした!!貴方たちも日本の誇りです!!」と叫びたい気持ちでいっぱいです……。
 とりあえず、ステンレス製を中心に一部の車両については冷房改造するという話もないわけではないようですが、余り期待しすぎても実現しない場合の悲しみが大きいことでしょう。鋼製車は西ジャワ州のプルワカルタに運んで解体となるようですので、うーむ、日帰り鈍行の旅でプルワカルタに行こうかどうか検討せずにはいられません……。