地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

富山新港をめぐる旅 (1) 地鉄射水線代替バス

2013-07-29 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 先日の富山地鉄訪問の際には、上市にて東急8692Fがヘロヘロモーターカーによって架線下に移動する光景を激写した後、稲荷町に移動してデキ12021が動く気配がないのを目にしてかなりガックリきたものですが、さりとてこの日はどうしようもなくクソ暑いため (富山で36度!)、再び沿線に戻り撮り鉄する気にはならず、鉄板焼きのような道路上で市内電車を撮影する気にもならず……。そこで、当初この日計画していたローカル線周遊計画のうち、夕方に予定していた万葉線&富山新港渡船訪問を敢行することにしたのでした。当初計画では氷見線訪問→加越能バス→米島口→万葉線→渡船→バスで富山駅へ……という移動予定でしたが、地鉄鉄道線沿線から向かいますので、逆ルートから攻めることにしました。
 というわけで振り出しは、富山駅前3番のりばからの地鉄バス・新港東口行(14系統) ! そもそもこの移動ルートは、かつて富山新港が着工される1966年まで富山地鉄射水線~加越能鉄道高岡軌道線として一本につながっていたものであり、しかも現在の万葉線・新湊 (現・六渡寺)~越ノ潟間は射水線の一部分だったのでありました。しかし富山新港が浚渫により建設されることになった結果、射水線は堀岡~越ノ潟間で分断され、代替手段として富山県営渡船の運航が始まって今日に至っています。ところが……この分断で射水線は新湊・伏木界隈と富山市内を結ぶインターアーバン路線としての役割を失って利用客は一気に半減、やがて1980年に廃止……。アラフォーなヲッサンである私の場合、小学生の頃読んだRF誌で辛うじてリアルタイムな記憶がある程度です (汗)。そして、射水線と密接な関係にあった高岡軌道線→万葉線も……路面電車趣味はどうしても薄い私ですので (汗)、今回の訪問まで大変お恥ずかしいことに未乗 (爆汗)。そこで今回の訪問は、そんな往年のインターアーバンの夢の跡をたどり、海風に吹かれて涼みつつ、バス→渡船→路面という濃いぃ乗り継ぎを満喫した次第です。



 とはいえ、この移動における最大の難関は……富山駅と新港東口をダイレクトに結ぶ14系統、言うなれば射水線代替バスの減少ぶり! 日中は2時間来ないこともザラです……。しかしこういう場合、ネットとスマホは誠に神器の如き威力を発揮します……♪ 上市から富山に向かう電車の車内で、たちどころに15時10分発の新港東口行の存在が分かってしまうとは! もっとも、新幹線建設工事に関連した富山駅大改造のあおりで、地鉄の改札からバスのりばまでクネクネ延々と歩かされ、しかも電車も遅れていたことから、酷暑の中ヒーヒー走って何とか乗車! ポカリスエットを飲み、バスのクーラーで涼みつつ「助かった……」と思う間もなく爆睡してしまいました (^^;)。
 そして気が付いてみると、バスはいつの間にか客を減らし、かつて射水線の車庫がありデ5000系列の巣窟であった四方 (よかた) を過ぎる辺りから、射水線線路跡のサイクリングロードと並走するようになりました。バス停名は、基本的に射水線のそれを踏襲しているところが大部分の様子……。そして沿線風景は、海岸に沿ってひたすら古風な切妻の民家が建ち並ぶというもので、それなりの人口密度のようにも見受けられましたが……やはりここもクルマ社会の一部分なのでしょうか、1~2時間に1本しかないバスでありながら、海老江で学生さんが下車してしまった後は私一人の貸切状態に (滝汗)。勿論、廃線前の射水線の方が全然乗っていたと思われますが、いずれにしても同じルートを走るバスで今や日中この程度であれば、廃線になってしまったのも止むを得ないことなのでしょうか? 計画はあったという富山新港南側迂回ルートがもし本当に建設されており、その後富山港線と同様にLRT化され、新湊と富山をダイレクトに結ぶ急行電車も多数運転されていれば、射水線は今以て新鮮な生命を保っていたのかも知れないはず……。
 そんなことを考えているうちに、富山駅から40数分の道程を終えて新港東口に到着~! しかし、頭上には真新しく壮大な道路橋がかかっており、15分間隔・無料で運航されている県営渡船も超~空気輸送状態……。私が乗る際にも、越ノ潟から来た人が一人、乗ったのも私一人という惨状でした (-_-;)。それでも、万葉線の電車に完全に連絡させるべく、15分間隔で運航されていることには恐れ入るしかありません。というわけで、幕表示なエアロスターを激写したあとは海風に吹かれて港と吊り橋の景観を楽しみ、何というマニアックで優雅なプチ旅なのだろうか……と認識を新たにしたのでした♪
 ちなみにこのエアロスター・ノンステ、いろいろと検索してみたところ、どうやら最近大阪市交通局から流れて来たばかりのようです。こんな本数が少ない路線でたまたまノンステに当たり、しかも前半部分は全部ロングシート、後部もタイヤの上は荷物置き場であったりと、座席定員がやや少ないというのは少々ガッカリ。究極の快適さを誇る (と個人的に思っている) 神奈中の中古エアロスター・ワンステに当たりたかったですね……(^^;)。