地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

富山地鉄17480形運行開始!(2) 8693F現状

2013-11-05 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 17481Fのデビューを記念する参加者テープカットから幕を開けたイベント、お次は稲荷町工場の核心部とも呼ぶべき全般検査&重要部検査&改造スペースに案内されました♪ この空間は去る7月、京阪2階建て8831改めサハ31の改造シーン参観イベントで公開され、珍車の内部が素人にはわけの分からん状態になっていることに新鮮な衝撃を受けたものですが、今回8693F改め17483Fへの改造シーンをいざ目の前にしますと、車内と床下がさらに徹底してバラバラになっているようにも見え、「果たしてこれは再び上手く組み上がるのだろうか? 配線を間違えたりしないのか?」という余計な心配でハラハラ (^^;)。しかし、これまで様々な車両の大改造を手がけて来た稲荷町の匠の皆様にとっては、これくらいのことは何ということもないのでしょう。そして……恩田観察の都度、CPの付け替え・謎の小型機器箱増設 (?)・パンタ交換が恩田での改造における主な眼目であり、車内は何もいじっていないのでは?と思ったものですが、今回の参観から改めて、ワンマン運転機器設置とそれに伴う引き通し線増設などこまごまとした改造は全て稲荷町で時間をかけて行っていることが明らかになった次第です。
 なお、昨年の稲荷町一般公開イベントではこの改造スペースも公開されたものの、今年は非公開とし、2日の先行イベント参加者限定で見せているとのこと。様々な部品や機器が所狭しと並び、歩行可能なスペースは相当狭い以上、ある意味当然と申しますか……これは嬉しい特典です♪



 ちなみに、京阪8831と東急8692Fが富山地鉄の電車へと生まれ変わった空間をアップしましたのでついでに、2日夜の懇親会における関係者トーク内容のうち差し障りのなさそうな内容を、覚えているうちに記しておきたいと思います。記録出来る機器は持ち込み禁止とのことで、もちろん私も荷物は全て宿に置いて手ぶらで来たのですが (ケータイすら置いてきてしまい、京阪8030引退時に掲げられた鳩マークの実物も撮りそびれました ^^;)、記憶力にはそれなりに自信がありますので……(笑。前回の稲荷町イベントの際に語られた内容の備忘録も全て記憶のみです)。関係者トークは、事前に御京阪の方の参加が告知されていましたが、当日は加えて稲荷町の匠の方も参加され、それゆえに東急8590に関しても相当突っ込んだお話を伺えました♪ トーク中は、昼間の17480のアツ過ぎる走り、そして思わずグビグビ飲みまくったビールの酔いのため、余り詳しいことを覚えるだけの集中力はなかったのですが、大略こんな感じでした。

 *京阪8831導入の経緯は既に稲荷町イベントで語られた内容と基本的に同じ。譲渡の話が富山地鉄と大井川に示された際の食事の内容は、実に美味い某鍋 (笑)。
 *京阪旧3000系は、運転する身になってみれば、クセが無く実に走らせやすい優れた車両。しかしすきま風があり寒いという問題も。運転していて一番楽しい区間は、地上時代の賀茂川の畔。地下になってしまい風流な車窓・鉄道風景が消えたのは残念なところ。急勾配を駆け下ってすぐに停車する地下七条の停めにくさは半端なものではない。
 *扱いやすい京阪旧3000ではあるが、とにかく運転士泣かせなのが……鳩マークの特急板。とにかく半端なく重く、女性運転士泣かせであった。復刻版は女性運転士の扱いを考えてやや軽い構造にしてある。昔はもっと重かった。もちろん男性運転士にとっても装着には慣れが必要で、ガイドに沿ってうまく嵌めないと、とりわけ塗り分けラインについて扉本体とのズレが生じ、クレーム・指摘の類が入ることもあった。【そこで実際に持たせて頂いたところ、確かにメッチャ重いです!!】
 *京阪旧3000の富山輸送は陸送であったが、8831に限っては2階建てゆえに遠路はるばる陸送で運ぶには道路環境上の限界があり、川重まで運んだ上で富山港までの航走となった。N通運をはじめ様々な輸送関係者が関与する一大プロジェクトであったが、とりわけ港湾荷役関係者が鮮やかなクレーン&ロープさばきで車体を釣り上げるさまは感動的であった。
 *京阪3000の中間車だけに、単純に中間に挟んだに過ぎない……ということは決してなく、3000→10030となった時点で別物となっているため、8831についても椅子と床を撤去して引き通し線を大改造。若手を鼓舞激励して改造をやり終えデビューさせた喜びは大きい。
 *東急8590の導入は、諸般の事情に鑑み、諸条件が合い、自治体からの補助金にも目途が立ったことによる。
 *最大の課題は、首都圏から富山まで鉄道車両を持ってくる場合、甲種輸送にしても陸送にしても非常に手間と費用がかかること。既に新幹線建設のために富山駅のJR地鉄渡り線が撤去され、甲種輸送の場合でも富山貨物駅から上市まで陸送に頼らざるを得ず。しかも甲種は半年前までにJRFに申し込まねばならず、臨機応変性という点で難あり。全区間陸送とすると、申込から実施までの時間は短縮できるものの、費用はさらに高くなる。
 *17480形の評価が良ければ今後も通勤車両を追加導入したいが、甲種輸送or陸送の費用を如何に確保できるかが鍵である。
 *諸設備とのからみゆえ、限流値を下げている。試運転の結果は上々。
 *打ち合わせや実車の性能試運転、そして甲種輸送当日のため、何度も東急恩田・長津田を訪れたが、何と言っても驚くのは東急ファンのアツさ。甲種輸送の際には、まず授受線の陸橋上にファンが殺到しているのに驚き (スミマセン、その中にいました ^^;)、さらには横浜線ホーム先端にも殺到していたことから、東急電車の人気を思い知った。そして最も驚いたのは、毎日と言って良いほど恩田に来て、ホーム先端や高台からひたすらじっと観察し続けているファンがいること。果たしてどういう職業なのかと……(そういえばいますねぇ~。→私ではありません。汗)。

 う~ん、他にもあんな話題やこんな質疑応答など、備忘録として他にも記しておきたい内容は多々ありますが、さすがに現時点ではアレな話ばかりですので (思わず一同からどよめきが起こった結構良い話も♪)、この辺で……。