地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第五ジャカルタ炎鉄録 (11) デポックのクハ203-2

2013-11-11 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 昨日、KCJ (ジャボデタベック通勤電鉄) 公式HPの入札公告コーナーに、超重要な吉報が掲載されました。既に、都営6000系のエアコン載せ替え試作車が登場した旨につきましては、いつもお世話になっております『JABODETABEK COMMUTERS NEWS』様に掲載されている通りですが、205系を続々導入する一方で深刻な車両不足と混雑を緩和しなければならない以上、導入からかなり時間が経った既存の車両についても少しずつ機器更新を図って行かなければならないということで、ななな何と! JR103系に使うためのコンプレッサーを新調予定!! というわけで、103系は現在のところ16両中8両がデポックで死亡中でありますが (-_-;)、KCJとしては205系激増の一方で、いま稼働する103系8両を廃車にする気はさらさらないことが分かり、本当に嬉しい限りです♪ そして……死亡中の8両も復活するのかどうか、非常に気になるところです。とにかく部品さえあれば、電車のコンディションを保ち、さらには復活させてしまうという気概と実力が、ジャカルタの鉄道スタッフに根付きつつあるということです。
 というわけで、不調車復活劇を象徴する存在として、(この8月の訪問時点では) ジャカルタ入り以来一度も営業運転することなく死んでいた203系マト52編成・クハ203-2の復活中の光景をアップしてみましょう~。



 日本の援助で建設された、東南アジア最大の電車区……という美名は美名として、裏を返すと余りにも広大すぎて、直射日光が強烈に照りつけると逃げ場もないデポック電車区……。しかしそのどん詰まりには、日本のそれと比べて何ら遜色ない(と申しますか、完全に日本基準で建設された)検修施設がドドーンと屹立し、乾季の日陰だけにそこそこひんやりとした空気の中、全般検査実施ならびに日常の交番検査が展開されていました (雨季は蒸し暑そうですが……)。とりわけ交番検査は、故障の予防に重点を置いて極めて念入りに各種の清掃・点検作業が行われており、まだまだ若いスタッフ(とりわけ、高校を卒業してまだ間もないようなあどけなさの残るスタッフ)が、百花繚乱状態の様々な車種に対応してキビキビと作業に勤しんでいる様子は、まさにジャカルタ近郊電鉄輸送の将来を担う技術陣の確実な成長を予感させるものです。同時に、彼らが日本的な技術に精通することによって、将来永きにわたる日本とインドネシアの技術協力の中核となってくれることだろう……という期待も抱かずにはいられません。
 そんな検修庫の中を、パクアン急行様ともども「涼しい……」を連発しつつ (^^;) ウロウロしておりますと、目の前には203系・マト52編成の先頭車・クハ203-2の姿が! このマト52編成は、ジャカルタに上陸してKCJ色に模様替えし、試運転にこぎ着けた……までは良かったものの、何故か絶不調に陥ったため結局正式な運用に就くことなく、約2年間惰眠を貪ってきたものです。しかし、非冷房エコノミーが全車運用を離脱し、しかも大量導入したはずのメトロ6000系が想定外の不調の連発に襲われ、深刻な編成不足に見舞われている中、辛うじて203系の補修部品調達の目途が立ったためか、放置されていたマト52編成を復活させるための懸命の作業が行われていたのでした……! 但し、マト52編成のうちデポックにいたのはこの1両のみで、残りの車両はマンガライ工場にいた模様……。そして、パクアン急行様のブログが既に伝えておられるところによりますと、このクハ203-2もマンガライに運ばれ、今や編成を組んで二度目の正直のデビューを果たし大活躍中であるとか♪ 是非このまま順調に推移し、慢性的な車両不足緩和の一助となれば……と願うばかりです。