DC改造車の正面窓潰し顔。一番よく見かけるタイプです。
DC改造中間車・貫通路封鎖バージョン。
4扉客車。窓割りからしてアッパークラス客車の格下げ?
標準ボックスシート客車を改造した (?) 3扉客車。
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これまでしばらく、ヤンゴン環状線客車列車の基本的なスタイルを罐ごとにご紹介して来ましたが、ここで一応客車についてもご紹介しておかねばなりますまい。
ヤンゴン環状線の路線図を眺めるにつけ、それは決して複数方面へ向かう本線を連絡するというものではなく (マンダレー方面への本線とピィ方面への本線はヤンゴン中央駅でダイレクトにつながっています)、ヤンゴン中央駅に貨物列車を流さないためのバイパスルートとしての考慮も一切無し。したがってこの路線は線路配線からみても、もっぱらヤンゴン中央駅を振り出しに近郊列車を環状運転させることで、一種の田園都市的なものを郊外に展開させようとした、大英帝国の夢の跡であることが見て取れます……。
そこで英国は、機動力のあるディーゼルカーを環状線に大量配置し、それなりにフリークエンシーを保って営業していたようですが、2扉裾絞り客車の一部に如何にも英本国やインドあたりの古いEMUやDMUとよく似た顔が残っていることから、当時の雰囲気を何となく偲ぶことができます。日本のアジア戦線拡大による第二次大戦の混乱と独立義勇軍の奮戦を経て英領ビルマが崩壊して以来早いもので60数年、もちろんエンジン自体はとうの昔に外されてしまったわけですが、車体と台車については頑強に生き残っているのは、製造時の作りの良さ、そして困窮を極めた独立ビルマ史の中で鉄道関係者が必死に保守してきたことのあらわれでしょう。
いっぽう、ヤンゴン環状線は長年の漸進的な人口集中のためでしょうか、あるいは近年の本格的な経済発展開始に伴い、混雑が加速しているためでしょうか……長距離用の古い客車を3扉や4扉に改造した車両も結構見られます。果たして何時3扉や4扉に改造されたのかは判然としませんが……何となく日本国鉄オハ71 (戦災復旧車で狭い3扉を装備) を思い出す風貌は、ボロ客車大好き人間である私としましてはグッと来ます♪ 基本的に日本の旧型客車と似た雰囲気であるだけに、GM板キットを使って製作し、ミャンマー国鉄色に塗り替えたDD51に連結させればOK……などという妄想が (まぁDD51改めDD2200は環状線運用に入りませんし、今回そもそも撮ってない……残念)。
どどーんと古色蒼然! 最初期DCの改造車?