地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

台湾鉄路温故知新 (6) 南廻線普快車@枋寮

2008-04-25 21:30:55 | 台湾の鉄道


 今回の台湾訪問における最大の狙い目は、南台湾の消え行くSP2300形=スハ44風「冷気平快」客車だったのですが、そのために屏東線を訪れたとなれば、当然さらに足を延ばして風光絶佳な南廻線・花東線の旅を楽しみ、かつこれらの超ローカル区間で辛うじて残っている藍色客車を撮ってみたいと思うのが人情というものでしょう (^O^)。青い車体に白い帯のブルートレインが消え行く運命にあるのは、日本のみならず台湾でも全く同じですので……。もちろん、車内アコモ面で両者のあいだには天地の差があることは否めませんが、やはりこの色はシブ好みな日台両国の鉄道迷にとって、心の琴線に触れるものがあるのです。
 そこで、今回の屏東線撮影にあたっては、出来るだけ藍色客車を用いた南廻線の「普快車」も逃さず撮るべく、朝方の枋寮到着シーンと、午後の枋寮発車シーンに密着してみました (爆)。



 枋寮に台東発の普快車352次が到着するのは8時19分。枋寮駅の2面4線のホームは南下・北上全ての列車が使用する可能性があり、どのホームに到着するかリサーチしておかなければ撮影は全く覚束ないという問題があります。また、駅舎から最も遠い2B月台 (ホーム) に到着する場合には到着後の停車シーンをうまく撮影できない (下回りが入らない) という問題もあります。そこで、駅員氏に「従台東過来的南廻線的普快車、到達幾号月台?」と訊いてみたところ、「2A月台!」とのお答え! ……というわけで、1枚目の画像を見事ゲット! (^O^) あ、もちろん変更される可能性はありますので、悪しからず……(^^;
 朝の枋寮到着シーンはこうしてホームにて撮影したのですが、いったん南州での撮影に向かい、再び枋寮に戻って駅周辺をブラブラとロケハンしてみたところ……何と、駅の南東側には線路に沿って道があり、発車後大きくカーブを描きながら迫ってくる列車を実に良い雰囲気で撮影出来ることが発覚! そこで、既に蒸し暑い中を待つことしばし……ゆっくりと発車する台東行の姿をファインダーの中で追いかけながら、「藍色普通車の全盛期はこんな光景が台湾全土で見られたのだなぁ……。これほど味わい深い列車が活躍の場を狭められつつあるのは、時代の流れとはいえ勿体ないなぁ……」という感慨に耽ったのでした。

東急大井町線・春風に舞う8000系列

2008-04-24 06:40:34 | 大手民鉄 (東急)


 ダイヤ改正の後も引き続き変動の真っ盛りにある東急の車両事情ですが、ついに5000系増備車の入線も迫り、田園都市線8500系・東武非乗り入れ編成のいずれかには絶体絶命の危機が迫っていますね……。離脱後、既に完成した恩田の東急テクノシステム (旧・東横車輛電設) に搬入されるとすれば、インドネシアではなく地方私鉄向けの改造を受けることが予想され、新たな観察の楽しみも生まれるわけですが、あるいは解体の可能性もあり、何はともあれ気がかりな状況が続きます。
 いっぽう、ニコタマから大井町線に向かえば、各停は9007Fを除けば引き続き全て8000系列で運行されていますので、最近は利用するたびにますます「ほっ」という気分になります (*^^*)。



 それにしても非常に奇怪なことに、グラデーション帯化&表示のLED化といったイメチェンの対象からは外れていたはずの8090系前期車が、ダイヤ改正をきっかけとして全て後期車と同様に改められてしまい、かなりガックリしております (-_-)。やっぱり大井町線車両としてのイメージを揃えておく方が良いという判断なのでしょうが、昔気質なファンとしては幕+赤帯が良いわけで……。幕のまま残る8590系を撮り貯めておかねばと思うのですが、最近は出勤ついで鉄をするヒマがなく……こうして「鉄」は一般人以上にストレスを抱え込むのかも知れません (爆)。
 それはさておき、副本線の新設が完成した旗の台駅は、大井町行の列車を昔と変わらず良い感じで撮影できて何より……という感じです (^_^)。出来れば今後、工事に伴い置かれていた背後の複雑なケーブル・配管類がすっきりと整理されれば最高なのですが……。

関鉄DC・菜の花の頃 (上) 片運旧型車の現状

2008-04-23 07:24:15 | 地方民鉄 (関鉄系)


 関鉄公式HPによりますと、何と「関東の駅100選」でも知られる騰波ノ江駅舎が6月限りで改築決定…… (号泣)。そのいっぽうで、竜ヶ崎線キハ532のファン向け週末定期運行決定!! (*^O^*)……というわけで、久しぶりに関鉄の話題です。いえその……個人的には今月に入って多忙でして、関東圏内の遠出すらなかなかままならなかったのですが、その唯一の機会として約10日前に関鉄旧型DCと菜の花の組み合わせを狙って参りまして……。
 さて、北千住からTXに乗って守谷へ直行し、土曜休日限定のフリー切符を購入して水海道行きの列車を待っていたところ、のっけからキハ358+3511がやって来るという超大当たり!\(^O^)/ TXからキハ35の残党へ……というギャップはいつ体験しても感動的ですらあります (^^;)。とくに今回は、トイレ (撤去済) 前の前向き座席が空いておりましたので即ゲット! (笑) かつてガラ空きの八高線を北上した際にトイレ前に座り、のんびり田園風景を眺めたときのことを思い出しました (守谷から水海道まで10分程度で着いてしまうのはちょいと残念)。
 水海道到着後は、速攻で駅南西側の直線区間に移動し、折り返してきたところを無事ゲット! ホンネを申しますと、青キハ状態のままだったら最高だなぁ……と思うのですが、本来の関鉄標準色に塗り直された姿ももちろんグッド! 旧型DCは昼間寝ていることが多いためか、塗装変更から数ヶ月経っても非常に美しい姿を保っているのはうれしい限りですが、もうちょっと使って頂けると有り難い……というのがホンネです (^^;)。



 そうこうしているうちに、今度はキハ001+002が通過! 満開の菜の花と、如何にも昭和50年代カタギで整ったデザインの車両との組み合わせ……これこそ癒しの世界、日本の春というものでしょう! (*^^*)
 そんな関鉄常総線の旧型DCですが、今回目撃した範囲で申しますと、日中はだいたい2~3本が使用されているという感じでしょうか。そして、かねてから関鉄旧塗装をまとっていたキハ353+354が塗り直され、腰回りの朱色は従来通りながら、窓回りから上はややピンクがかったクリーム色から黄味の強いクリーム色に変更されました。ちょうど鹿島鉄道のキハ430やキハ714のそれを思い出す色ですが、見方によっては国鉄キハ30・35の登場時に近い色と言っても良いでしょう! 今回は水海道車庫の奥の方で寝ていたのを車内から見ただけですが、近いうちに走行シーンを是非!と思っています。
 いっぽう、青キハのまま残るキハ3518+3519ですが、約10日前の時点ではバラされており、3518が標準色の3520+3521と連結されて、朝の3連用として昼寝中でした。この朝の3連、旧塗装のキハ353+354も含め、在籍している旧型DCが一定の期間ごとにランダムに組成されており、現在は3連に供出されている青キハもいずれは元の2連に戻ると考えるにつけ、順光となる取手方に青キハが連結されているあいだに撮りに行きたいのはやまやまですが、時間がなかなかないのがツラいところですね。既に編成替えされているかも知れませんので悪しからず……(トホホ)。

ソウル電車漫遊録 (4) 乙支路循環線万歳!

2008-04-22 18:10:38 | 韓国の鉄道


 韓国大統領の訪日ということで、そういえば昨年秋のソウル訪問シリーズもまだまだあるのを思い出しました (^^;)。まったりと連載再開です~。
 さて、韓国における怒濤のようなソウルへの一極集中と、それに伴うソウル地下鉄・首都圏電鉄の延伸ラッシュは、如何にもロテム (現代精工と大宇重工が合併した鉄道車両会社) っぽく味気ないデザインの車両を氾濫させることにつながっています。そのため、最近の地下鉄1号線~国鉄線では、古き良き (?) 抵抗制御車がなかなかつかまらない状況となっていることにつきましては、既にこれまでの記事を通じてお分かり頂けたものと思います。
 これに対して、1984年に全通し、全線直流電化で独立している地下鉄2号線(中心街の乙支路[ウルチロ]を拠点として、ソウル市街の重要なスポットを結んでグルリと環状運転しているため、「乙支路循環線」とも呼ばれています) は、日本から導入した技術やデザインの影響がまだまだ非常に強かった1980年代前半に集中的に車両を用意した路線です。それだけに、正面に黄色い字で掲げられた「ソウルメトロ」表示、および行先表示のハングルを除けば、ほとんどそのまま日本の通勤電車と言っても良いセンスの2000系電車が、それこそ洪水のように走っておりまして……いや~素晴らしいのひとこと (*^^*)。もちろん、車体の規格が異なり、20m車といっても相当幅広ですので、乗って一瞬「あれ?」と思うのですが (笑)、とくに開業初期からの生き残りである二段窓車に乗ってみれば、ホントに103系か相鉄旧6000系に乗っているかのような……ボロいけれどもシブい味わいに満ちておりました (^O^)。加えて2号線の駅の構造も、やはり1970年代から80年代に造られた日本の都市圏の駅そのものという風情ですし……。というわけで、昨年秋のソウル出張は、2号線沿線の宿に泊まり、用務先も2号線沿線だったことから、そんな1980年代テイストが炸裂する2号線ライフを満喫しまくったのでした (笑)。



 しかし、昨年9月に地下鉄2号線を味わうことが出来たのは、とてつもなく幸運なことだったようです。何故なら、1983~84年頃に全通に備えて製造された世代の2段窓・界磁チョッパ車は、韓国の「製造後25年を経た鉄道車両は廃車すべし」という規則に従って、その後次々に廃車の憂き目に遭っているからです……。たしかにこの世代の車両は、他の車両が大邱地下鉄火災をうけて難燃化工事を受けたのとは異なり、上記のような70~80年代テイストの車内で残っておりましたので、先が長くないのは余りにも明らかでした。また、初めてソウルを訪れた4年前には走っていた田の字窓の抵抗制御車 (2号線の最初期タイプ) も既に全滅していましたので、やはり80年代前半製2段窓車も後を追うのは必然的な展開でもあります。それでもやはり、まだまだ使えそうな車両だけに、残念のひとこと……。
 もっとも2段窓車の中には、難燃化改造を受けた80年代後半製の車両があり、さらに窓の上段だけが内側に開くタイプの90年代製車両もあります。というわけで、今後の2号線が次第にロテム顔の世界となってゆくのは否めないものの、もうしばらくの間はクリーム色に緑帯のシブい車両群を楽しむことが出来そうです。そして、先頭車を廃車で失った編成の中間車を寄せ集め、一部を先頭車化したうえで新たな編成をつくるといった動きも活発化するものと予想しています。
 ちなみに、2号線は高架区間も多いため、結構撮り鉄スポットに事欠かないのですが、最近は都心部の乗降客が多い駅を皮切りにホームドア設置が始まっていますので、今後の撮影は時間との戦いになりそうです……。1枚目の画像は聖水[ソンス]駅、2枚目の画像は堂山[タンサン]駅での撮影で、他には九老デジタル団地などもお気に入りのスポットですが、これらの駅にはホームドアが設置されないことを祈ります (^^;

 ……な~んてことを考えていたら、ここに来て先月末には大ニュースが! KBS (韓国放送) のHPニュースが伝えるところによりますと、ベトナム国鉄の標準軌路線・ハロン線 (首都ハノイから景勝地ハロン湾まで約160km) の電化&近代化に合わせて、余剰となった2号線の2段窓車60両を輸出し、この夏から運行を開始するとのこと! 当初はホーチミン市営地下鉄に輸出か?という話もあったようですが、ホーチミン市はどうやら日本とタイアップするようで、結局のところ、中越国境に近く標準軌路線が複数あるハノイ近郊が韓国中古電車の第二の舞台となるようです (他にも複数の近郊路線を整備するとか)。既に東南アジアの鉄道車両市場において、日本メーカーと韓国ロテムは競合関係にあるわけですが、中古車両についてもジャカルタは日本の天下、ハノイは韓国の天下となりそうで、いよいよ風雲急を告げる展開となってきたという気がします (笑)。もちろん、露骨なロテムデザインではなく、日本風デザインそのものな2号線車両が走る分には、個人的には万々歳ですね~(^O^)。

横浜市電保存館・ハマの粋を訪ねて

2008-04-21 01:26:06 | 保存・園内・特殊車両


 ここのところひたすら忙しかった中、さる金曜日は久しぶりに平日の終日休みとなりまして、そこで是非どこかへ撮り鉄に出かけてストレス解消を……と思ったのですが、こういう時に限って台風並みの低気圧で猛烈な荒天 (-_-;)。ううっ……せっかく新緑の撮り鉄シーズンに突入しつつあるというのに勿体なさ過ぎ……。
 そこでふと思い出したのが、横浜市電保存館の存在です。横浜市電は、モータリゼーションのあおりを受けて昭和47年3月31日を最後に廃止となってしまいましたが、その一部の車両は市電→市バスの滝頭車庫に隣接した市営住宅の1階部分に設けられた保存館に移され、空調が整っていることもあって良好な状態が保たれています。ここは個人的に、今を遡ること6~7年前、デジカメ草創~普及開始期に、ものは試しということで200万画素のコンデジを購入し、その試し撮り気分で訪れたのですが、それ以来ずっとご無沙汰でした (汗)。そこで是非一度、デジ一眼と超広角ズームレンズの組み合わせを片手に、のんびりゆっくりと撮影を楽しんでみたいものだなぁ……と思っておりました。そこで、こんな荒天こそ屋内で貴重な保存車両に浸るチャンス!と思い立った次第です (^_^)。
 滝頭または市電保存館へ行くバスは、いろいろなところから結構な本数が走っていますので、交通の便については特に案じる必要もないのですが、一番分かりやすいのは根岸駅から21系統・市電保存館行に乗ることでしょうか (下車した目の前が玄関です。滝頭を通るバスの場合は下車後徒歩2~3分)。根岸駅でのタキ・EL見物と横浜市電見物を組み合わせれば、それこそまったり濃いぃプチ休日です (笑)。



 入口で100円の入場券を購入したら、いざ内部へGo! 手前から500・1000・1100・1300・1600・1500・電動貨車の順で展示されており、車内に入ることも出来ます。特にニス塗り・白熱灯の車内で椅子に腰掛ければ、もうそれだけで癒し……のひとことです (*^^*)。いっぽう、建物そのものはあくまで市営住宅であり、車両の前後方向の引きを考えていません。そこで、余程の広角レンズを持参しない限り、尻を切らずに1両まるごと撮影するのは困難を極めます。念のため……(-_-)。ここはとりあえず、当時の雰囲気を味わうための場所である、と割り切った方が良いでしょう。車内に足を踏み入れた瞬間にセンサーが感知して、それぞれの車両が登場した時代ごとの車内の会話が再現 (?) されているのですが、そのクサい芝居ぶりにニヤニヤするのが一興というものかも知れません (^^;
 また、奥の展示コーナーでは、如何にも80年代的な想像力で描かれた「みなとみらい21線車両」予想イラストに「Y500系よりも当然こちらの方が良かった……」とつぶやくという楽しみもあります。そして入り口脇の売店では、1970年代テイストそのものな電車・バス「ダイカストモデル」(103系の車体に私鉄の塗装が塗られているアレですよ、アレ! バスはもちろんバス窓モノコック車体!) が、未だにバリエーションも豊富に売られていることに腰を抜かしそうになります (^^;;;)。

 こんな感じで地味~な味わいがある横浜市電保存館ですが、何せ市営住宅の1F部分という構造上、ク○○キが来てはしゃぎまくると猛烈に反響してやかましいという唯一最大の難点があります……。しかも、利用促進策として入場料が300円から100円に値下がりし、1000円の年間パスが売られていることも災いし、近所の「ママ友」が○キを連れてきて野放しにし、自分たちは菓子をつまんでだべっているという光景が……(-_-;;)。というわけで私も、○キ共がドアを乱雑に開け閉めしている光景に堪忍袋の緒が切れ、注意するハメになったのですが、大宮の鉄道博物館が最近どんどん公開範囲を狭めているらしいのも、まさに貴重な車両の陳列を遊園地と勘違いしている○カ親&ク○○キのせいなのでしょうなぁ……。私は未だに鉄道博物館には行っていないのですが、余計に行く気が失せてしまいました (苦笑)。こういう手合いが増えるだけの「鉄道ブーム」なら、私は断固不要です (爆)。保存とモラル、その両立をどう図るのかは永遠の課題でしょう (ボソッ)。