山陰線京都口の一大ボトルネックとなっていた保津峡前後の区間が新線に切り替わるも、見事な渓谷美を誇る旧線を完全に廃線とするのは余りにも勿体ないということで、この区間にトロッコ列車を走らせる嵯峨野観光鉄道が設立されてからはや20年(開業は1991年)。派手な塗装をまとったDE10やトロッコ客車ゆえに「何だか如何にも観光客に媚びているなぁ……」と当初思ったものですが、ところがどっこい侮るなかれ!(^^; いざ実際に乗ってみますと、春から秋にかけて織りなす車窓風景の素晴らしさもさることながら、トキ25000の台車と台枠をそのまま流用したトロッコ客車の乗り心地の、まさにケツから背骨にかけてビリビリ響くかのような凶悪さ(笑)といったら……何度も繰り返し乗ってみたくなってしまうのが不思議です♪ そして、時折響くDE10のホイッスルや、ニス塗りの内装も、そこはかとなく古き良き時代の「旅」を演出しているような気がします。
そんなトロッコ列車が一般ウケしないはずがなく、平日でもそこそこの乗客を集め、新緑・紅葉シーズンともなればなかなか指定券にありつけない……という好成績を維持しているのは見事と言えましょう。
普段、牽引機となるDE10は梅小路を保守基地とし、本務に入る際には「嵯峨野」と書かれた楕円形のHMを取り付けていますが、この春から設立20周年を記念した特別企画として、恐らく日替わりで(?)各種の円形HMを絶賛(?)取り付け中~♪ 今もやっているのかどうか分かりませんが、少なくとも私が今回の画像を撮影した5月14日の時点では取り付けておりました。沿線に住む鳥が描かれた、なかなかセンスの良いHMであることに大いに好感が持てますが、ネット上をウロウロしてみますと特急「さくら」「出雲」などのHMを掲げた日もあるようで……個人的には「出雲」姿をナマで眺め撮ってみたかったですね~。まさに「ガラポンくじ」のような、訪れたその時々のお楽しみといったところでしょうか。
※おことわり……嵯峨野観光鉄道はJRWが100%出資した子会社であり、線路もJRWが所有していますので、記事カテゴリも「国鉄型車両」とした方が良いのかも知れませんが、一応表向きJRと名乗っておりませんので、地方民鉄カテゴリに入れさせて頂きます。