地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第五ジャカルタ炎鉄録 (13) KFW@タンゲラン線

2013-11-25 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 今回のジャカルタ遠征レポートは、超お気に入りの車両を激写したぜ!という内容よりも、最近の新事物を優先的に掲載している次第ですが、それはまぁ要するに、超お気に入りの日本中古車両は一時のカラーリング百花繚乱が終了して外装も運用も安定期に入っている(→余り特筆するべき変化がない)のに対して、ジャカルタ近郊の鉄道システムやインドネシア・オリジナルの車両に余りにも大きな変化が立て続いているために、その新鮮な衝撃をなるべく記憶が薄れないうちに文字化しておきたいということでございます (汗)。
 そんな新事物の中でも、忘れるわけには行かないのがこの車両……インドネシア国産・INKA社製の新型電車・KFWでしょう! この車両は、KRL-1以来久しぶりに製造されたインドネシア国産の冷房電車であり、何故か前照灯がいっぱい!という不思議なマスクは、まぁ有り体に行って日本人のデザインセンスとはほど遠い世界の存在ですが、個人的には何となく手塚マンガの「ひょうたんつぎ」に似ている風貌はキライではありません (似てねーか ^_^;; →いつもお世話になっておりますパクアン急行様は「八つ目うなぎ」と命名されています)。そして……かなり幅広の下ぶくれビードプレス3扉車体は、東急初代5000系と8090系、そして相鉄新6000系あたりを掛け合わせたような雰囲気にも感じられ、これもキライではありません (笑)。そう……明らかにインドネシア人のデザインセンスではあるのですが、過去の様々な日本の電車を何となく想像出来るということから、自ずと親しみが湧いてくるという存在なのです。
 但し、このKFWは基本的にドイツ政府のヒモ付き援助で製造され、シーメンスの技術を多数採用しているとのことで、果たして冷涼な国の技術が高温多湿なインドネシアでどこまで花開くのかは疑問の余地が大きいのも事実。実際、過去大量に投入されたボンバルディア技術のHolecも、結局数年から10年少々で全車離脱し、一部は電気式DCに改造され、一部はパクアン急行様のブログで詳しく既報の通り、下回りをウリナラ宇進産電製に総取り替えのうえ「Holec AC」としてデビューを待っているという状況です (まぁ同じ高温多湿な国でも、安かろう悪かろうなウリナラ製が長持ちするとは到底思えんのですが)。



 というわけで案の定と申しますか……このKFWも一昨年、私が8月の訪問から帰国して間もなく、INKA社があるマディウンからジャカルタに甲種輸送され、賑々しい記念式典のうえ試運転が始まったまでは良かったものの、結局絶不調が続いて長期間マンガライやタンジュンプリオクに放置され、昨年の訪問時はタンジュンプリオクに行かなかったため結局撮れず (-_-;)。この春以降、ようやく本格的な運用が開始され、8月の訪問時には取り敢えず急勾配とは無縁なタンゲラン線及びジャカルタ~カンプン・バンダン間の1駅フィーダ運用を中心に活躍していました。
 まぁ要は、猛烈な混雑とデポック以南の急勾配ゆえに、電車にとって極めて過酷な路線条件であるボゴール線の運用には絶対に入れないということで、現場スタッフからはKFWが余り信用されておらず、下手をすると何時致命的な故障を抱えて全車離脱してしまうか分かったものではないようです。もっとも最近は、無事ボゴール線での運用も始まり、ご同慶の至りですが (つーか撮りたい)、パクアン急行様のレポートによりますと、出火事故のためにマディウンの工場に送り返され修理を受けている編成もあるようで、やはりヒヤヒヤであることは否めません。そこで今回の訪問にあたっては、一応タンゲラン線で確実にKFWがやって来る内に是非KFWを試乗し、「散々な評価であるらしいものの実際にはどんな電車なのか」ということを体感してみようと思った次第です。 
 そのようなプランニングを立てていたところ、現在スラバヤにて勤務されている「落花生。」様から「レバラン明け休暇でジャカルタに日帰りで遊びに行くので是非ミニオフ会を」という有り難いお誘いを受けまして、初めて乗るKFWは落花生。様とのトーク炸裂会場となったのでした (笑)。現地での活動2日目の朝、マンガライでの朝練を終えて203系のジャティヌガラ行きに乗ってドゥリに到着し「やはり下町住民の多くが出身地に帰っているのと、流通全体がレバランで一時ストップしているためか (レバラン当日と翌日はコンビニの主力商品が払底気味で焦りました)、復活した線路市場も不発気味よのぅ……」と思いつつしばし撮影し、午前9時の約束の時間に無事落花生。様と合流~。以前ジャカルタでのご勤務でチキニ駅前高級マンションのトレインビューの間にお住まいだった際、チキニ駅のホームで激写しまくっている大男の姿と、拙ブログがその際一時的にジャカルタからの更新となっていたことを重ね合わせ「この大男が……?」と目星をつけておられたため、ドゥリ駅では迷わず遠くから私であると判別出来たとのことです (笑)。そんな裏話に一本取られつつ、しばし酷暑の中激写を重ねまして (とくにバンテン線客レが祭りでした♪→後日アップします)、10時20分発のタンゲラン行KFWで一往復しつつ涼んだのでありました。
 KFW……一歩車内に踏み込んでみますと、ををっ!涼しい……(*^^*)。車内デザインも、KRL-1と基本的に近似でありながら、椅子がプラではなくモケットとなり、明るく広々とした車内に好感が持てます。そしていざ発車……スーッと静かに加速し、フツーに時速90~100kmほどで軽快に飛ばして行きます。というわけで、「乗務員や保守スタッフ泣かせであるのかどうかはさておき、乗客目線から見ると、きちんと走る分にはとても良い電車だ」というのが基本的な印象です。しかも、裏事情通の落花生。様やパクアン急行様から伺ったところによりますと、ドイツ政府援助のヒモ付き比率は約半額程度につき、残りの額のかなりの部分は実は日本メーカーの懐に入っているとかいないとか。というわけで、KFWは何気に日・欧・印尼合作のパッチワークのような電車であるということが分かり、なおさら一日本人ヲタとして親しみを感じた次第ですが、パッチワークなだけに故障したらヤヤコシイだろうな……と思ったのも確かです (滝汗)。
 そんなこんなで、KFWの快適な乗り心地と空調ですっかり気分サイコーとなった落花生。様と私は、商売上の関心事が近いこともあって濃厚トーク炸裂! タンゲラン駅にて、短い折り返し時間のあいだに一旦改札を出てCOMMET Cardをタッチし直さなければならず、工事中につき狭い改札に殺到する凄まじい下車客に揉まれて「間に合うのか……」とヒヤヒヤものでしたが、このタンゲラン駅のひとこまを除けばとても楽しいKFWの一往復となったのでした♪ 落花生。様とはこの後もしばらくお付き合い頂き、午後はスルポン線内での撮り鉄を終えられたパクアン急行様ともタナ・アバン駅で合流、都心の高級ショッピングモール内にある日本料理店での会食 (withビール☆) を楽しみました♪ どうも楽しいひとときをありがとうございました!! m(^^)m

伊勢の細道2013 (1) 北勢線三岐塗装

2013-11-24 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 伊勢の国が式年遷宮で千客万来の大賑わいとなっている今日この頃ではありますが、その一方でヲタを除けば余り知られることなくひっそりと走るローカル線もあるわけで、式年遷宮で伊勢の国を意識するにつけ、そういえばこの一帯で撮り鉄をしたのも四日市・海山道貨物の最後を撮って以来ご無沙汰だな……と思い当たりました。そこで、先日の京都出張ついで鉄に際しては、朝から夕方の用務(会議出席)までまるまる時間を確保出来たことから、近鉄&元近鉄のナローゲージに焦点を当てまして、まずは早朝の「のぞみ99号」で名古屋入りし、さらに関西線に乗って降り立ったのは桑名! 養老鉄道に乗りたいのもやまやまですが、とりあえずは久しぶりに北勢線モハ270の釣掛シャウトを楽しむべく、西桑名駅にて三岐鉄道一日乗車券をゲット♪ 高速化対応が終了したとは言いながらも結構低速で必死に勾配を登って行く奮闘ぶりを満喫したのでした……♪♪



 とりあえず今回の北勢線訪問にあたり嬉しかったのは……撮影時には基本的に広告ラッピング無し編成に当たったことであります (^o^)。周知の通り、伊勢エリアの近鉄&元近鉄路線には、複数企業がスポンサーとなったド派手なラッピング車が走っており、某コンサルタントはまだマシであるとして他の会社のそれは結構鬱陶しいわけですが……少なくとも先日の時点の北勢線では全体ラッピング編成ゼロ!! 戸袋窓や戸袋部分に某病院のステッカーが貼られた編成が最もハズレとなっており、こんな感じで純粋な三岐標準塗装姿を満喫出来たのでした……(*^^*)。1M2Tまたは1M3Tというムリヤリ気味な編成においてパワフルな役目を担う胴長 (?) なモハ270が魅惑的であるのは言うまでもありませんが、三重交通時代から連綿と引き継がれた連結面丸妻車がそこはかとなく醸し出すオールドタイマーぶり (全面的にリニューアルされたマスクだけを見ると「へ?」と思われるかも知れませんが)も見逃すことは出来ません。
 今回、一応試しに (^^;)。西桑名方の先頭クハにも乗ってみましたが、モハ270に乗ると全身にビンビン伝わってくる凄まじい轟音と震動が全くなく、ただのんびりと静かに細い線路上を転がっているに過ぎないことが良く分かり(何せサハを2両も挟んでいれば……)ある意味で全く対極的な面白みを知ってしまったのでした (笑)。勿論、今後再び乗るとしたらやっぱり電動車ですが……(^^;)。
 とまぁこんな感じで北勢線を撮ったものの、今回はこれらのカットもあくまで余興に過ぎません (爆)。では本命とは一体……? 既にお気づきの方もおられるでしょうがまた改めて (^^;)。

東急恩田通信・旧デヤ残り1両編

2013-11-23 00:00:00 | 事業用車両


 約2週間前に等々力総合競技場で開催されたサッカーと東急のコラボイベント……本当にデヤ7200が陸送で解体場送りとなってしまいましたね……(号泣)。しかも展示の方法は、車体のギリギリまで柵が迫り、車内は幕を回すガキもとい御子様や、一般見学に殺到したヲタヲタヲタ……ということで、とてもゆっくりしみじみと別離のひとときを味わうというものではなかったとか。天気が悪いうえに前日の伊豆急での猛ハッスルの疲れが残り、自宅に持ち帰った仕事もしなければなりませんでしたので、「まぁパスで良いか……」と思った次第ですが、実際にパスして本当に正解であったなぁ、と改めて思う次第です。



 と申しますのも、今月初頭の時点で、ド順光のもと恩田での最後のひとときを過ごすデヤ7200を最後に撮りまくることが出来たからです♪ このときは、デヤ7200の搬出が近いことを踏まえて、いつもの高台がちょっとした賑わいとなっていましたが、もちろんパニックとはほど遠く、あくまで永きにわたったデヤ7200の恩田留置を最後に目に焼き付ける静かな時間であったと思います。テクノに長期間置かれていたということは、恐らく何らかの改造を施して別のところに持って行くことを意図していたのかも知れませんが、その計画が流れて結局解体になったことは、まさに「一寸先は闇」という言葉を思い出させるに余りあります (T_T)。とにかく残念のひとことですが、長年にわたる活躍どうもお疲れ様でした……。
 そして現在、デヤ7200がいた位置にはデヤ7290が押し込まれています。「検測車を展示」ということで、7290を等々力に持って行くのかと思いきや、7200であったというのは意外であり、しかも7290よりも奥にあった7200を引き出す入換も面倒だったのでは、と思うのですが……何がどうなるかは一介のヲタには分かろうはずもありません。今後少しでも永く、デヤ7290がその姿をとどめることを祈るばかりです。

西武3扉車めぐり2013 (1) 白101系

2013-11-22 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 首都圏の各路線で続く猛烈な「走るんです」及びAトレの攻勢を目の当たりにしていますと、その大嵐からは些か遠い雰囲気の路線に乗る度にホッと一息つく思いがします。しかし、埼京線と言い東武野田線といい、ひとたび変わり始めるとその勢いは相当なものがありますね……(そういえば東武野田線は御無沙汰なのでそのうち是非……汗)。
 そんな中、たまに秩父に行くついでに西武に乗りますと、まぁ確かに6000系以後のステンレス・アルミ車がそれなりにあり、笑電増備のあおりで新101系の池袋・新宿線運用が無くなったとはいえ、鋼製車の密度はそれなりに濃く、最近乗る度に癒しを覚えるところです。まぁそれは裏を返せば、かつての大ボス一家を中心としたワンマン経営の弊害からハゲタカファンドへと続く混乱の結果でもあるのかも知れませんが……。
 しかしここに来て、笑電のさらなる増備で3000系の廃車が加速し始めているとは、少々信じがたい思いです。2000系田の字窓よりも新しく、性能面で絶対的に安定している……という印象なのですが、やはり3扉が嫌われているのでしょうか? というわけで、そんな西武3扉車の最近の表情をパチリと撮った記録を連載してみたく存じます。夏に撮ったものを今さらレタッチかよ……という感じですが (滝汗)。



 まずは……西武の新風物・白101系。とりあえず白い編成は、多摩川線に追いやられる際に車内が徹底的に更新され、一歩踏み込むと新車かと思うほどのピカピカぶりですし、御丁寧にもドア上にLED表示まで装備されましたので、まぁ当分安泰の長期政権となるのでしょうか。短距離の平坦線に、電気バカ食いで知られる101系→新101系を配置し続けることには少々問題がありそうな気もしますので(101系のパワフルさを以てすれば、1M3Tでも余裕で走れそうな気が ^^;)、中長期的には新2000系あたりが参入するのかも知れませんが……。
 それはさておき、多摩川線の白101は、周知の通り春夏秋冬ラッピングが施され、まぁそれはそれで良いとしても、まっさらバージョンもあれば面白かりなん……と思っておりました。それがまさか正夢になるとは! (笑) そこで、撮影の機会を伺っていたところ、去る8月に小学生の甥っ子が、夏休みの塾夏期講習がない日にどこかへ連れて行け(あたしゃ小学校を卒業するまで、中学受験とそのための塾なんてものがあるのを全く知らなかった貧乏人でございます……笑)と言うものですから、甥っ子を西武のグチャグチャに入り組んだ支線探険に連れて行くことにしまして、ついでに私自身も多摩湖線~山口線~狭山線初乗車を果たしつつ (恥)、多摩湖線の白まっさら101系を激写することにした次第です。
 ただ問題は……インドネシアでの激闘から帰国した翌日、まだ疲れが抜けきっていないまま、ジャカルタの暑さが屁のように思えるほど激烈な酷暑の中での撮影となったこと! (@o@) いや~、割と頻繁にやって来るとは言え、上からの直射日光も、アスファルトの照り返しも地獄ぢゃ……。そんな中、真っ白すぎる新101系のファインダー越しの姿は、脳天をさらにクラクラさせるに十分なほどまぶしかったですね~。まぁ、上手く撮れれば何も言うことはございません (笑)。しかしやはり、4000系と同じくレオカラーにならんかのぅ……と思います。最近のライオンズは往年のレオカラーから遠ざかっているようですので、それも儚い願望なのかも知れませんが (^^;)。

90周年の銚子電鉄 (3) 方南町1002

2013-11-21 00:00:00 | 地方民鉄 (銚子)


 周知の通り、本日から銚子電鉄ではダイヤが全面的に改められ、朝の輸送が終わった後は原則として笠上黒生での交換をせず終日1運用となります……。その背景にあるのは、震災以後の銚子観光の低迷、そして予備車確保の困難などなど、地方のローカル私鉄を取り巻く苦境が銚子電鉄で集中的に現れているかのようです (-_-;)。とりわけ「乗って撮る」派にとって痛いのは、日中大幅に運転間隔が開く時間があること。銚子発9:35のあと、次の10:23までは約50分につきまだ良いとしても、その後は11:40、13:00……ということで約80分間隔 (号泣。弘南鉄道の平賀構内脱線事故後しばらく実施されていた80分間隔ダイヤを思い出します)。沿線で撮るにしても、外川側では一旦銚子へ向けて電車が去ると次に来るのは1時間後ということで、その間はメシ屋に入るか犬吠埼や外川の街を歩くべし、ということでしょうか。



 一応、現在の銚子の車両陣はどれも好ましいカラーリングですので、その日中1運用に何が来ても構いませんが、とくに日が短い季節 (キャベツ畑が全盛で、撮影には丁度良いのですが……) には、撮影可能本数がメッチャ少ないのはとにかく痛い……です。これはもう、余程プランを練りに練って訪問するしかないようです (T_T)。
 というわけで、去る7月上旬に訪れた銚子の記録の続き、方南町色の1002です。2002Fの京王アイボリーと並んで楽しみにしていた銚子電鉄1000形の復活地下鉄塗装、周知の通り銀座バージョンと方南町バージョンの2種類がありますが、今回当たったのは方南町でありました。実は大変お恥ずかしながら、普段丸ノ内線を利用していても方南町支線は全く乗ったことがありませんので (壊滅的超爆)、出来れば銀座線バージョン1001が運用されていれば……と思っていたのですが (^^;)。とはいえ、銀色のサインカーブがない白帯の1002は、そこはかとない田舎電車的な雰囲気を漂わせ、これはこれでなかなか良い感じです♪
 一方……まだ銀座線1001の走行シーンを撮っていないのですが(7月の訪問時には仲ノ町の撮りづらい位置に T_T)、日中1運用ということで、今後は当たる確率が2分の1から4分の1に激減……。出来れば公式ブログで「今後数日の日中運用予定」といった感じの告知を出して頂けると有り難いのですが……とりあえずデハ1001・1002の出番はガクッと減ることになるのでしょうか。