近鉄で名阪間を移動する際に通る伊賀という土地柄は、ヨソ者から見て何とも不思議な雰囲気を湛えているように思います。四方八方をなだらかな山に囲まれた中にポッカリ広々とした盆地が広がり、その美しい緑の風景の中を雲が低く流れるという幻想的な風景、そして忍者の里であることもさることながら、とにかくここは中部地方なのか関西地方なのかさっぱり分からないという点も不思議ではあります (^^;)。一応ここは旧国名上では伊勢ではなく伊賀として独立しているわけですが、江戸時代以後津藩の所領に加えられて事実上伊勢と一体となり、だからこそ今日でも三重県の一部分となっています。しかし、名張界隈は見事に大阪圏のベッドタウンとなっており、辛うじて名張まで急行20分間隔ゾーンとなっていることからして、ここはどう見ても関西の一部分……。一体どっちやねん! (笑)
というわけで、そんな伊賀国の本質は、まさに地理認識上のからくり忍者屋敷らしさ (^^;) にあると思われるわけですが、そんな土地柄を走る電車が何と近鉄系ではなく東急1000系の天下になってしまったということで、ますます地理的忍者屋敷度に拍車がかかっているように思われる今日この頃 (^^;;)。そこで、今回の伊勢ナローゲージツアーにあたっては、一応伊勢国と連続したところを走り、しかも標準軌に比べればナローでもある伊賀鉄道を、東急ファンの超はしくれとして久々に訪れた次第です (汗)。
東急1000系改め伊賀鉄道200系は、周知の通り現在全てラッピングとなっており、このうち1000系標準顔の青忍者201Fにつきましては既に登場直後の麗姿を撮っておりますので、出来れば中央貫通顔の桃色忍者202Fを撮りたいと思っておりました。まぁ勿論、貫通顔風新設非貫通顔の203F以後でも良いのですが、「ふくにん」編成は避けたい……。とはいえ、伊賀神戸界隈での滞在時間はちょうど1時間しかないため、何が来るかはまさにギャンブル (もっと余裕のあるプランを組めよ……と ^^;)。特急下車後目の前に停車中であったのは、某コンサルの忍者ラッピングとなった203Fであり、これは後でILに乗る直前にも上野市から折り返してやって来るということで、まずは比土まで203Fに乗り (伊賀神戸から比土まで歩いてもすぐですが、一応お布施……)、途中で交換してやって来るもう1編成は果たして何が来るか……とドキドキハラハラしていたところ、何とお目当ての桃色忍者♪♪ 真正面からドカーンと超望遠を効かして、秋色深まり行く風景を行く姿を激写したのでした……! そのまま伊賀神戸まで乗り、折り返しを後追いした際には、速すぎてビミョーな位置でシャッターを切ってしまいましたが (思い切りトリミング ^^;)、まぁまたいずれゆっくりと来い、ということなのでしょう (汗)。
こんな感じで3年10ヶ月ぶりで伊賀鉄道を撮った次第ですが、そういえば大きな変化がありました……。車両の東急化により、大規模検査は別台車を履かせて五位堂で……ということはなくなり、近鉄との渡り線は完全に不要になったため、渡り線があったスペースには車椅子用の非常に緩いスロープが設けられ、この結果大阪線宇治山田方面ホームからの編成写真がキメにくくなりました (編成のケツにスロープと柵がかかる)。まぁそもそも訪問日は、期せずして雨後のドピーカンとなり、大阪線ホーム屋根の影が車体にかかって撮りようもなかったのですが (苦笑)。