プルワカルタでの廃車体見学とスカブミ線乗車という二大イベントをつなぐパダララン~チアンジュール間のバス移動は、基本的にこのルートがバンドゥンとスカブミ・ボゴール方面を結ぶメインルートに当たっていることから、インドネシアのバス旅初心者でもそれほど困るものではありません。ただ、バスに途中から乗る場合、手を挙げればその場で停まってくれるのか、それとも一定の停車位置は決まっているのかはナゾ。街ごとにオジェックだまりがあることから、基本的には後者なのでしょう。
そこで、オジェックでチアンジュール方面行きバス乗り場まで飛ばしてもらったところ、そこにはスカブミ行きの非冷房2+3シート (爆) の大型バスが停車しており、既に車内は満杯気味。車掌に「ここに座れ」と指示されたのは、3人掛けシートの真ん中の席でした (泣)。シートピッチも相当狭いですし、これはまさに、今から20年前の中国のド田舎長距離バス旅と同じです……。
ともあれ11時5分過ぎ、チアンジュール方面へ向けバス発車! しかし……さっそくパダラランの中心街で大渋滞にひっかかってしまいました。もしこれが事故か何かのために相当先まで続いているとしたら、チアンジュールからの列車指定券がパーになってしまい、大周遊計画そのものが破産……(@_@)。もっとも、天は我に味方せり! 30分かけてパダラランの渋滞を抜けると、超満員のバスはテンポ良く坂道とカーブだらけの道を飛ばし、ようやく「何とかなるかな……?」という希望が生まれました。そして、天気がスッキリと透き通って晴れるならば奇峰が立ち並んで見事かも……と思われる農村風景を眺める道中となったのでした。但し、この日は強烈にモヤっぽい晴天でしたので (→ジャカルタやボゴールなどでは昼過ぎから夕方まで豪雨に)、ぜーんぜん遠くは見えません(苦笑)。途中の小さな街に着く度、まったりと賑わう商店街を眺めるのみでした (ド田舎な街にもインドネシア資本のコンビニが大量進出しているのにはビックリ)。
12時半頃、オジェックが数多く待機している街外れの道で停車しますと、車内の多くの客がゾロゾロと下車。そこで車掌に「ここはチアンジュールか?」と訊ねたところ「そうだ」との答えでしたので、私も速攻で下車! さっそくオジェックを捕まえ、チアンジュール駅までバイクを飛ばしてもらうことにしました。結構街外れで下車したため、確か14~15分ほど飛ばしたでしょうか。中心街に近づくにつれて赤いアンコタ (ワゴン型ミニバス)がひしめく中をスイスイとかきわけ、如何にも時間がゆっくり流れている雰囲気の街並みとクルマ・バイクの喧噪の組み合わせに「うほっ、典型的なジャワの田舎街♪」という気分を抱いていると、ついにチアンジュール駅に到着! 時間は12時45分頃ということで、何と1時間少々の余裕を持っての連絡となりました☆
そこで、とりあえず駅舎などを撮った後、しばし先刻通過した商店街界隈を散歩し、さらに運休中となっているバンドゥン方面の線路の状況を確かめて来ました。商店街では、カメラを持ってブラブラしていると「オレを撮ってくれ」と呼び止められたり、オラン・ジュパンだと言うと握手を求められたり、大都会ジャカルタではもう味わえないような素朴な世界が楽しかったですね~。そして休止区間では、線路そのものは普通に錆が生えているだけで良好に保たれていましたが、踏切の上は露天に占拠されておりました (笑)。
そんな街歩きも、せいぜい20~25分あれば余裕で終了~。まだ発車まで時間があったものの、切符を見せれば早々に構内に入って良いということでしたので、チアンジュール駅に佇むCC206と客車の編成を激写し、ついにスカブミ線もこんな1+3等混結編成で運行されるようになったのだなぁ……という感慨に耽ったのでした。そして、あれほど日本中古冷房車がジャンジャン行き交うボゴール線のその先に、当面の終点としてこのチアンジュール駅があるのだなぁ……ということを思い出し、余りにも閑散とした雰囲気に「ジャカルタは遥か遠くだなぁ……」と思ったのでありました。実際、13時50分にここを発車して、宿があるジャヤカルタ駅に最終的に降り立って日帰り大周遊を終えたのは19時50分頃。さらに6時間の旅が続きます……。
瀟洒な雰囲気のチアンジュール駅。
客が少ないことを思わせる横断幕……。
街の中心では馬車タクとアンコタが共存。
昔ながらの極彩色な生鮮食料品商店街。
バンドゥン側休止線の踏切は八百屋の屋台が占拠 (笑)。