~あらすじ~
クリスマスの翌日、屋上から転落死し雪の中から見つかったクラスメイト。
彼の死をきっかけに起こった混乱と様々な事件。
やがて級友達は真相を自分達の手で突き止めたいと立ち上がり、学校内裁判を開く。
※文庫版には本編のその後を描いた書き下ろしの中編「負の方程式」を収録
2012年このミス2位、文春2位、本屋大賞候補
~感想~
現在のミステリ作家で一番上手いのは宮部みゆきである。
その氏がかの歴史的傑作「模倣犯」に匹敵する5千枚弱の文量でものした物語は、事件の発端から証拠集め、法廷闘争までほとんどノーカットで描かれ、息もつかせぬ大作に仕上がった。
メイントリックこそ極端に言えば1ページ目からわかっていた真相を、最後の最後に今さらのように持ち出してくるだけだが、そこに至るまでの過程で十二分に10点満点。読みながら「なんて面白さだ」と何度嘆息したことか。
ミステリでも文学でも歴史でもなんでもいい。およそ本好きならば必ず読むべき歴史に残りうる傑作である。
文庫版に収録された中編では数人の後日談が描かれ、まったくの余談かつ偏見だが、女性作家はしばしば「なぜこの二人がくっつく」と理解に苦しむカップリングを後日談にぶち込んできがちだが、そのあたりも流石は宮部みゆき、納得の人選であった。
なお原作、映画版ともにwikiには予告無しでネタバレされているので要注意である。
16.2.17~3.23
評価:★★★★★ 10
クリスマスの翌日、屋上から転落死し雪の中から見つかったクラスメイト。
彼の死をきっかけに起こった混乱と様々な事件。
やがて級友達は真相を自分達の手で突き止めたいと立ち上がり、学校内裁判を開く。
※文庫版には本編のその後を描いた書き下ろしの中編「負の方程式」を収録
2012年このミス2位、文春2位、本屋大賞候補
~感想~
現在のミステリ作家で一番上手いのは宮部みゆきである。
その氏がかの歴史的傑作「模倣犯」に匹敵する5千枚弱の文量でものした物語は、事件の発端から証拠集め、法廷闘争までほとんどノーカットで描かれ、息もつかせぬ大作に仕上がった。
メイントリックこそ極端に言えば1ページ目からわかっていた真相を、最後の最後に今さらのように持ち出してくるだけだが、そこに至るまでの過程で十二分に10点満点。読みながら「なんて面白さだ」と何度嘆息したことか。
ミステリでも文学でも歴史でもなんでもいい。およそ本好きならば必ず読むべき歴史に残りうる傑作である。
文庫版に収録された中編では数人の後日談が描かれ、まったくの余談かつ偏見だが、女性作家はしばしば「なぜこの二人がくっつく」と理解に苦しむカップリングを後日談にぶち込んできがちだが、そのあたりも流石は宮部みゆき、納得の人選であった。
なお原作、映画版ともにwikiには予告無しでネタバレされているので要注意である。
16.2.17~3.23
評価:★★★★★ 10