皇位継承有識者会議の結論報道を読んだ。
25日の朝刊で皇室典範に関する最終提案の詳細が報道されました。関連した記事を見ると、一週間ほど前に簡単に報道された段階で詳細は決まっていたようですね。それを政府与党に事前に回してOKを取り付けた上で24日に報告書を小泉総理に提出したようです。
そうでなければ、かなり質面倒くさい議論をしている内容について提出の翌日に与党幹事長のコメントは出ないでしょう。とくに気味が悪いのは公明党幹事長冬柴氏の次のコメントです。『日本の良心である審議会が結論を出されたので、そのまま立法化すべきだ。いろいろと議論すべきではない』そうです。
どういうことでしょう。「日本の良心である審議会」という表現も奇異ですが、議論するな、とはどういうことでしょう。審議の過程で公明党が背後で関与し、圧力をかけたことをうかがわせる発言です。マスコミにお願いしたいのは有識者会議メンバーの創価学会汚染度はどの程度なのか調べて報道することです。たとえば、創価学会の会員が何人かいるのではありませんか。伝えられるところによると、会議のメンバーは積極的に会議に出るものと、ほとんど欠席して発言せず、報告書を読むだけの人にわかれているそうですが、アクティブ・メンバーの創価学会度はどのくらいなのでしょう。
首相の『私的』諮問機関なんでしょう。議論せずにそのまま立法化すべきというのはどういうことなのでしょう。冬柴氏の発言は非常に危険なにおいがします。権力をにぎれば、それこそヒトラーそこのけの独裁に走るでしょう。連立政権与党として権力の近くに置くには危険すぎます。
今税調の答申が話題になっています。答申については党、政府でこれから検討していく予定のようです。税制ですら、このような手順を踏みます。皇室典範の改正は憲法の改正に匹敵するくらい基本的なことですよ。税制はその時の経済情勢によって可変的な立法です。それすらが、税調の答申を金科玉条のように押し頂くなどというばかばかしいことはしません。
憲法と並ぶ基本法である皇室典範の改正を私的な諮問機関の答申を一字一句変えずに行え、というのは驚くべき暴論です。
さて、報告書ですが論陣は堂々たる構えですね。キーワードは『安定性』ということのようです。報告書は一つの結論しか提示していませんが、これを採用しないと世襲が途絶えてしまうぞと各章ごとにおびやかしています。創価学会と共産党が愛用するレトリックです。たしかに、安定的な継承について従来以上に顧慮しなければならない状勢にはなっています。しかし、伝統を守りつつ安定性を模索するという真摯、勤勉な努力が必要なのではないでしょうか。
ここで、かねてから答申の方向に危惧を唱えていた論者の皆さんにお願いします。詳細も発表になったことですし、各問題点ごとに反論、反証をしておくことが必要でしょう。国民も、言論界も立法府もそれらの意見を参考にして最善の判断が出来るようになるでしょう。