東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

マイクロソフトという反社会的存在(3)

2006-05-01 08:20:50 | マイクロソフト

西暦2000年のころであったか、米国司法省と連邦の19州は独占禁止法違反でマイクロソフトを訴えた。連邦地裁は第一審でOS部門をアプリケイションおよびインターネット部門から分離するように命令した。マイクロソフトは控訴しワシントン連邦高裁は一審判決をあっさり破棄した。米国司法省はマイクロソフトの分割をあきらめた。

一審の裁判報道を読むとマイクロソフトは訴えられても平然としていたという。有能な弁護士がいたというよりも有力な後ろ盾があったからであろう。アメリカの企業はアンタイ・トラスト法(独禁法)で訴えられることを極度に恐れるものであるが、マイクロソフトの倣岸な態度は変らなかったという。第一審を不服としてマイクロソフトは控訴した。ワシントン連邦高裁は一審判決を破棄したのである。

世界のOS市場、インターネット市場(ナビゲーターの世界で)をマイクロソフトは実質上独占している。アメリカの国家戦略からはむしろ『望ましい』ことであろう。もともとインターネットという発想はレーガン大統領の時代に軍事目的で計画、発想されたものだ。いまでは民生用の活用が目立つこの技術を独占しておくことは、一朝有事のさいには強力な武器となる。アメリカの一企業が独占を続けることが国防上は望ましいのである。

マイクロソフトはその後EUからも訴えられている。罰金720億円とかの制裁を課せられている。勿論マイクロソフトは不服として未だに争っている。和解したとか、命令に服したとかいう報道はないようだ。

マイクロソフトは次のOS、ビスタとかいうふざけた名前をつけるらしいが、EUは警戒を怠らない。今度8月にモスクワでサミットがあるが、マイクロソフト問題はサミットにふさわしい議題ではあるまいか。