至尊至聖の昭和天皇の数少ないミスに日本相撲協会の設立がある。摂政皇太子時代の大正末、相撲好きの昭和天皇(皇太子)は全国に散らばっていた大相撲の全国大会を促した。これが現在の日本相撲協会になった。
今の囲碁界と同じで関東の大相撲あり、関西の大相撲が興行団体としてあった。関西棋院、名古屋棋院、日本棋院があるようなものである。
そしてポケットマネー、すなわち摂政予算から全国大会優勝者に天皇賜杯を送った。民間の団体に天皇が金を出すのはけしからんという官僚がいて相撲協会は財団法人となったのである。
相撲取りの世界、相撲興行の実態を知っていればこんなことが無理なことは分かったろうが何分下情にはうとくてあらせられた。
その後、昭和の軍人の時代となり、軍部が相撲界のスポンサーになったということも相撲界には幸い?したのだろう。およそ相撲取の世界からかけ離れた精神論がまかり通るようになった。国技だなんて妙なことになった。だから初期のころの相撲協会の理事長は陸軍中将だったのである。
双葉山なんていうオカルティックで神がかり的な力士がタイミング良く現れたことも大きい。
私はおかしな評論家が国技だとか、伝統だとか、文化だとかいきむたびにお相撲さんがかわいそうになる。ばかばかしい、実情に合わない精神論でいじめられるのがかわいそうでならない。
はやく財団法人の縛りを解いてあげて自由闊達に、いかがわしく、色っぽく江戸時代以来の伝統的な相撲界の雰囲気を取り戻してほしいと願っている。
歌舞伎役者、吉原のおいらん、相撲取りは浮世絵の三大分野だよ。つまらんことをいうな、杉山とかいうの他。