そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

あれから7年経ちました

2008-09-10 | ゲノム編集

日本国内最初の、BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)発生からきょうで7年経ちました。長いようで短い7年間でした。当初は、狂牛病と言われていたものの、今ではBSEという呼び名も定着した感があります。

牛を巡る行政の扱いは、大きく変わりました。何よりも、全頭検査と個体識別制度が定着したことは、大きな意義があると思われます。国は、2年ほど前にBSEの全頭検査を打ち切りました。ところが、日本のすべての自治体は全頭検査を止めていません。

商品として出回った時に、府県別単位で差別されると牛肉が売れなくなります。そうした現実的Photo なことを背景にして、国が全頭検査を放棄しても地方自治体がやっている、おかしな現状です。

国は、全頭検査の必要性をプリオン委員会に圧力をかけて、不必要の結論を出させました。この時、委員の半分が辞めたのも記憶に新しい。

プリオン研究で、ノーベル賞を受賞したこの道の世界的第一人者である、アメリカのスタンリー・プシュナー氏は、日本の全頭検査を高く評価している。アメリカも見習うべきと発言しているが、全くしの気はないようである。

全頭検査は、個体の履歴が解ることが前提になっているが、この点でも日本のBSE対策は評価されるべきであろう。未だに、BSEの病態は、推論の域を出てはいない。はっきりしていることは、最終段階の病理的な状況だけである。今後も全頭検査を続けるべきである。

農水省のお役人の失態で、一時的に大量の補助金が酪農家や肉牛農家につぎ込まれた。行政が、失政をお金で解決する現場を見ていて、ほとほと嫌になった。農家は、BSE発生後の2年ほどは黙っていても、お金をもらえた。このことが、現在の急激なのか減少に結びついているように思えてならない。

この7年で、食品を巡る動きは大きく変わった。良い方向い言っているのかは、判然とはしないが情報はかなり公開されるようになり、規制も厳しくなった。規制が多くなることで、食の安全を疑う事件が多発するのは、不況下では当然のことである。

輸入牛肉が、オーストラリア一辺倒になってしまった。アメリカは、杜撰さを指摘されながらも、何度でも輸入牛肉に、危険部位を混入させている。

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