小泉純一郎が次期選挙に出ないと表明した。これはとても良いことである。頂点を極めたものは、横綱ではあるまいが潔く退くべきである。
小泉純一郎の場合は、彼独特の美学から選択した行動であろう。福田康夫も阿倍晋三も見習ってほしい。細川護熙のように、焼き物でもして隠遁生活をすると良い。阿倍ボンの場合などはまた頂点を狙っ てくるかもしれない。常識離れというか、世間でどのように評価されているのか、親譲りの自分の選挙区事情しか知らない人間である。再出馬も十分ある。
政権を投げ出すような、あるいは耐えるほどの体力も知力もないようなご仁には、はっきりと退いてもらいたいものである。その点小泉の引き際は評価されるべきと思う。
ここまではいいのであるが、自分の二男を後継者として次期立候補者に選ぶようでは、お笑い草である。この二男で、4代目である。恥ずかしくないのだろうか。この21世紀にあって、政治を世襲で行うような国家は、北朝鮮と日本くらいである。
まるで歌舞伎役者の跡目相続である。決断力も経験も不明なまま、周辺からちやほやされて国家の運営を司り、人心を掌握するような人材が育つわけない。
この国の混迷と体たらくは、ふがいない世襲政治によるところが少なくない。小沢一郎も鳩山由起夫も2、3世議員である。民主党もこれを突く資格がない。哀れなのはこんな国会議員をもたされた国民であろう。