そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

トキは甦るか

2008-09-25 | 政治と金

佐渡島でトキが10羽放鳥された。中国から移入したトキの人工飼育したものを放したのであ080925 る。放鳥は秋篠宮夫妻を呼んだりと、盛大なせセレモニーの感がある。

関係者の努力には敬意を原環値がならないし、それはそれで良いと思われるが、果たしてトキは生き残れるかが問題である。トキが絶滅した原因を取り除けばいいのであるが、ことはそんなに単純ではない。

NHKの教育テレビの「知るを楽しむ」の今月の木曜日は、岩澤信夫さんである。非耕起栽培でお米を作ることを全国に普及されている方のお話である。田んぼを耕かさずに、前の年の株の02080925間に苗を移植してゆくのである。

更に、冬は田を乾かすことなく水を溜めておく(冬季潅水)のである。水ミミズが大量に発生して、田の土の表面を耕す作用をし、昆虫など小動物がたくさん繁殖するのである。

農家の労働力軽減のために始めた、非耕起栽培であるが、結果的に田は無数の小動物を育てるようになったのである。やがて昆虫などの小動物を食べるカエルやザリガニが増え、田の食物連鎖の頂点に立つ、カモやサギが飛来するようになったのである。田が豊かな生態系を育てるように変身したのである。

非耕起栽培の田は、人の命を支えるばかりでなく無数の動物を育むようになったのであ080925_3る。

佐渡の農民は、多少収量の落ちる非耕起栽培を始めようとしている。トキの繁殖は、農民の非耕起栽培の普及にかかっているといえる。彼らの田ならトキも生き残れる。

トキが全滅した原因は、農薬を大量に使用し、大型の農業機械の普及にある。これらのことは農民が望んでいたことではない。農機具会社と肥料屋に翻弄されただけである。トキが甦ることは、農民にとっても良いことなのである。

コメント (2)
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