アメリカがAIGの救済に出た。FRBがなんと9兆円もの資金を出すそうである。今週初めに、リーマンブラザーズには手を差し伸べなかった。広がる金融不安対策なら、リーマンの時に行うべきだったのでないか。
AIGは保険会社であるため、かかわりが複雑ですそ野の広ろく影響が大きいとのことらしい。ブッシュのまたしても行う、ダブルスタンダードである。ただし、ブッシュにそんな判断能力があるとは思えない。今回は、ブッシュの判断というより、取り巻きの判断かもしれない。それでも、極めて高度な政治判断である。
インドの核開発は平和利用と言っているではないかと容認するが、イランの核開発は認めない。コソボの独立は認めるが、オセアチアの独立は認めない。根拠不明瞭な、ダブルスタンダードはブッシュが政権につて幾度目かわからない。
ロシアがグルジアに侵攻すると主権を侵す行為と、イラクに何の根拠もなく進行して国家そのものを破壊したブッシュが指摘する。彼にこんなことを言う資格があるのか。
アメリカの5大証券のうち、ベアスターン、メリルリンチ、リーマンと3社も潰れた。アメリカの金融不安は増大の一途である。サブプライムローンに始まる負の連鎖は、とどまることを知らない。AIGの救済は追い詰められたけっかかもしれない。経済評論家は、現象の羅列を評論するだけである。経済学とはこんなものか。
アメリカの金融不安は、ブッシュの失政にある。3兆ドルものアメリカドルをどぶに捨てたイラク戦争による結果である。アメリカは信用と同時に軍事の世界展開を中断し、経済基盤を失くし、中国、ロシア、インドなどの台頭を容易にさせた。
日本政府は現在、ソーサイ選挙ごっこで大忙しである。政治空白の真っただ中である。それでも動くのは、官僚のおかげである。政治家は官僚に感謝こそすれ、改革などできるわけない。