沖縄の普天間基地の移転を巡って、与党が混迷を極めている。鳩山首相は自らが決断すると発言していたが、年内はとても無理のようである。岡田外相は、沖縄に何度も出向き県内移転を模索するが、県民には受け入れられない。第一公約違反だと突っ込まれ返答に窮している。当然のことである。小選挙区全区で勝利した理由を民主党は受け止めなければならない。
ところが、どうやらキャンベル次官が辺野古で決まっていると問い詰められて、またまた結論の先送りをやってしまっている。新聞各紙もガム移転を検討し始めたと報じたり、アメリカの失望感を伝えたり、首相が国外移転を指示したのでないかとかで、民主党をつつきまわす格好の材料になっている。
13年も放置してきた自民党の尻拭いである。たった3カ月で結論を出せないのも当然であろう。少なくとも自民党と公明党には発言権はない。日米合意に沿えない理由は数え切れなくある。
与党内の社民党にも国民新党にも配慮しなければならないし、県内移転を模索する多分次期党首になるであろう岡田克也に泥をかぶせたくはない。鳩山の苦悩はこの辺りにあるだろう。
ここまで来たのであるから鳩山首相は、すっぱりと国外移転を打ち出すべきである。これが政権交代であると、象徴的な出来事になるであろう。内外に政権交代を見せつけるいいチャンスである。この混迷期間が、国外移転の布石であるなら大いに評価したいと思う。沖縄県民の気持ちに沿うとはそうしたことである。