鳩山首相が、ガソリンなどの暫定税率の存続を表明した。明らかに公約違反である。民主党の言うように、マニフェストに記載して国民から支持された「暫定」税率を存続することにしたのである。政府の一方的な公約破棄である。
言ったこととやることがその末節で異なるのは仕方がないことである。世の中思うようにならないのは常である。しかし、今回の暫定税率の存続は明らかに変質である。もう役目の終わった次の道路を作るための暫定的は税金である。暫定税率をそのまま存続するのは、ことの本質を自ら否定するものである。ほとんど同じ内容であっても、環境税にするのなら大義はあるし、公約違反にはならない。すげ替えの指摘にも耐えうるものである。
国民からの要望が一つもないのに、国民の要望であって民主党の要請ではないと、小沢一郎が首相官邸に乗り込んだウソに惑わされてしまった。予算編を組むのにどうしても金が欲しかったのである。財源の裏打ちのない政策と自民党の指摘はそっくり生きてしまった。
まだまだ支持率が高く、自民党の復活はないだろう。思い切った財政支援を提供するなら、多くの国民が支援してくれるだろう。渋々でもである。しかし、マニフェストの高位に掲げた、暫定税率廃止の公約である。小沢に助けられたとばかりに、即座に公約から外した。あちこちに配慮してばかりいる優柔不断の、由紀夫坊ちゃまにしては早い決断である。
埋蔵金が思ったほどなかったことや、事業仕分けが好評だった割には、各業界からの陳情に多くのものが復活しそうである。パフォーマンスとしては大成功の政治ショーであったが、各論は異なるとばかりに陳情が相次いでいる。国際も44兆円を限度とした。財源不足がはっきりしてきた。この際、小沢に言われてこともある。公約を破棄しようを思ったのであろう。「マニフェストは国民との約束」と言ってはばからなかった、一貫した姿勢は何処に行ったのか。
ママから大金の政治援助を受けていた、由紀夫坊ちゃまの思い切ったであろう決断であるが、どう考えてもこれはおかしい。民主党は理念を捨てたのだろうか。政権交代のところを、公約実行と変えた民主党のポスターがむなしい。