世界の主要国26カ国が集まって、コペンハーゲンで温暖化対策の会議を重ねてきた。決裂寸前で、どうにか形を付けられた。コペンハーゲン協定としたものを文章化することができた。
途上国が押し切ったと評価する報道もあれば、先進国が勝ったとする新聞もある。総じてヨーロ ッパはこの合意の評価が低く、アメリカは関心度が薄くオバマの評価も様々である。実質的には、オバマが中国それにインドと南アメリカに接近した形での合意である。
今回の合意は、きわめて象徴的である。産業革命以来、富と資源を収奪されてきた途上国の怒りが凝縮されていた。先進国が、先進的なのはそうした歴史的な結果であって、我々にも同様に発展する権利があるというのである。相対的にアメリカなどの存在位置が低くなったこともある。
金融危機で、サミットの先進諸国では解決がつかず、20か国の会議に委ねられることになっ た。実質的には、中国やインドが経済成長を引っ張ったのである。先進国のメンツはもうなくなっている。
今回の合意には、具体的な数字の記載はなく、10年2月までに各国が数値を報告することになっているくらいである。数値目標も基準年や内容についてもばらばらである。救いは、先進国が森林破壊などに100億ドルを提供し、コペンハーゲン基金を設立し途上国を援助するとしたことくらいである。
しかし、こんな中途半端な内容であっても、協定を結んだ意義は大きいと言わなければならない。不十分であっても現状では最高の地点に達したとするべきなのかもしれない。来年からのCOP16以降に期待をしたいものである。
日本は、鳩山の立ち上げた25%削減と最も技術提供が期待される国家でありながらまお、大きな看板の割にはあまり存在感がなかった。交渉事にはトップの語学力が問われるのかもしれない。