野田佳彦首相は、温厚に見える右翼である。小泉純一郎が、清潔な右翼だったことを想起させる。小泉は、金などのスキャンダルを全く起こさ なかった、トップまで上り詰めた珍しい政治家であった。
それまでの首相は、金に汚い政治家で、多くは国粋主義的で何らかのスキャンダルを抱えていた。その点、小泉はクリーンでスキャンダルは、閣僚も含めてほとんど皆無に近かった。
ところが、こうした印象と政治姿勢とは一致するわけではない。極端に韓国と中国を嫌う、親米右翼、米国従属思想の持ち主であった。
それまの、右翼や軍国主義者の、ダーティな印象を持っていた国民は騙された感がある。
今回の野田佳彦は、一見温厚に見えるが極めて強い国粋主義者である。物腰の柔らかさや、丸い顔や言葉遣いに騙されてはならない。
A級戦犯は存在しないという発言は、自民党の大多数の連中と考えが変わらない。このことについて、国会で追及することはないということになる。
事実、戦争お宅の石破茂は野田を攻めにくい相手であると評価している。
組閣以前に、経済3団体と会談し野党の自民党、公明党と戸別に会談し、オバマと電話会談する、“温厚”さを演じている。
増税と軍事増強とを、事実上の大連合を組みながら続けるに違いない。温厚な言葉遣いやクリーンさに目先を囚われてはならない。