フランスは電気の原発依存が最も高く、70%ほどである。文字通りの原発大国である。福島原発事故で、フランスの隣国ドイツ、イタリア、スイスが相次いで、すぐさま脱原発宣言をした。
サルコジはわざわざ、日本に原発のことだけでやってきた。フランスは、原発技術も輸出している。世界中が原発を作らなくなると困るのである。 日本に同情や技術援助で来たというのは、見せかけである。
フランスは東西冷戦の中にあって、アメリカに依存しない西側国家として、原爆・核開発を行った。その技術と資源の活用方法として、原発建設を行ったのである。
そのフランスも、サルコジの意向とは裏腹に、脱原発で揺れている。ライン川沿いのフェッセンハイム原発は、対岸にドイツを望む国境の原発である。すでに30年を経過した老朽原発である。活断層が直下にあることも、今では解っている。
脱原発を宣言した、対岸のドイツは何の恩恵もなく、危機感だけを抱く。CLISはこの原発の危険性を指摘したが、原子力安全庁は10年は使えるとゴーサインを出した。
周辺自治体が反原発の動きの中にあって、原発のある自治体が建設賛成を表明している。日本同様に、大量の交付金が支払われ、最新の学校などが建設されている。安全なものに金を出すはずがないとは、考えないのは洋の東西問わず、同じである。
来年はフランス大統領選挙の年である。原発が大きな争点になるものと思われる。原発容認、依存が今まで通りであるとは思えない。
世界の良識は脱原発に向かっている。このネックになっているのが、アメリカとフランスそれに中国である。この一角が崩れると、大きな動きにつながるかもしれない。