野田首相がアメリカに行って、国連演説をやってオバマに謁見させてもらった。オバマはまだ一期を終えていないが、3人目の日本首相であ る。
ここで、今までになくはっきりと普天間移設問題に、「結果を出す時事に近づいている」と、強く言われたのである。これまでは、一定時間を置き信頼関係を構築した後に、懸案問題などを協議したものである。
オバマも、来年の大統領選挙を控えている。失業率が一向に下がらず、オバマは2期目は無理との見方もかなりある。オバマは焦っているのである。8月までに結論を出せと、野田に迫った。
世間知らずの鳩山が、最低でも県外に持って行くと発言した普天間基地である。鳩山は、東アジア構想なるものも打ち出していた。普天間廃止と併せて、相対的に弱体化するアメリカ依存から脱却する、又とない機会であった。
平成維新とまで言っていた鳩山は、その後大きく方針を転換した。我々 の言葉で言うなら、嘘をついたのであるが、その後に残した問題の深さ、国民への裏切り、不信感は計り知れなく大きい。
民主党政権迷走の原点はここにある。それから、3人目の首相になって、どうして自民党案に戻ろうか、思案の最中である。
折しも、19日に仲井真沖縄知事は、ワシントンで講演した。「普天間基地の県外移転は合理的であり、早期に問題を解決する方法である」と強調した。強行すると、大きな反対運動が起きると、脅してもいた。
野田政権の普天間問題関係者は、よりによって、全くの素人集団で構成されている。
沖縄問題についても外交についても、一川防衛相、玄葉外務大臣、川端沖縄担当相、更には藤村官房長官にしても、これまで副大臣はおろか、専門分野で働いた経験がない。
竹歳沖縄連絡室長は、今だ沖縄に行ったことがないそうである。頼りは、一括交付金を出す立場にある川端沖縄担当相である。3千億円を懐に抱えている。
日本で最も平均収入の少ない貧乏県の沖縄は、のどから手が出るほど金が欲しいのである。金で県民の心を奪うやり方は、自民党と何ら変わるものでない。先の見えない、民主党の普天間対策である。
結局野田も、普天間で辞めることになるかもしれない。