年が明けたが、安倍の暴走が始まるような気がしてならない。安倍は、参議院選挙までは、だんまりを決め込むと、自民党勝利の席で引き締める発言をしている。
民主党の一人敗北の選挙ではあったが、民主党以外に右傾化した自民党を止めることはできない。09年の勝利に浮かれたまま、雲散霧消した民主党は選挙敗北と政権運営の検証をし、自民党への対立軸を明確にするべきである。
09年の選挙で勝利した民主党は、平成維新と鳩山が自賛した。国民の多くがそれを受け入れた。等距離外交は、いきなり普天間移転は外務官僚や自民党残滓に、足元をすくわれる形になった。
対米従属から抜け出し、東アジア構想を鳩山は進めようとした。何分にも外交の経験者もいなければ、各国へのツテもほとんどなく、政権交代直後の外交の大転換は、不慣れな鳩山ボッチャマには荷が重すぎた。せめて中国辺りと、小沢のツテを頼った根回しでもあればよかった。
「とらすと・みー」といっても、同じ民主党とはいえオバマには、アメリカ従属から離反するボッチャマを、受け入れてはくれなかった。
「コンクリートから人へ」のスローガンも、土建屋たちと官僚に潰された。八ッ場ダムに象徴されるように、彼らの巻き返しが民主党のマニフェストをなきものにした。
菅が旧自民党にすり寄り、与謝野の登用と消費税10%をいきなり打ち出したのも、こうした手詰まり打開のためと思われる。党内論議すらなかった。
もっとひどいのは野田である。自党の党員を排除してまで、自公にすり寄り、必要がないとしていた、消費増税を決めてしまったのである。
民主党は、評論家出身の海江田を代表に選んだが、こうしたことへの反省ではなく、自己検証を真剣に行い、自民党の対立軸としての政策を打ち出すべきである。例えば、
①世界は多極化している。等距離外交を打ち出し、近隣諸国との関係を重視し、例えば東アジア構想のようなものを各国と根回しをし、アメリカの属国化を止めること。
②TPPをいい加減な表明ではなく、地域の活性や食料自給の向上や、国内需給が人々を豊かにすることなどの根拠をもって、反対をすること。
③自民党の財界依存の続原発を批判し、脱原発の姿勢を明確にすること。
④軍事増強を狙った改憲を認めず護憲政党になること。
⑤結局は土建屋のバラマキになる、強靭化政策に対し、今一度「コンクリートから人へ」を打ち出すこと。
⑥一時の経済成長のための経済対策は、破たんし財政規律の悪化が決定的になるのは、3年先である。金融緩和と赤字国債発行はこの国を決定的に悪化させると、警告を発すること。
⑦マニフェストに忠実であろうとしたがために離党した者を受け入れ、野田や菅や岡田を排除すること。