そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

テロ行為とし解釈していては何の解決にもならない

2013-01-18 | 政治と金

3日前に書いた「マリのアフガン化」の不安が、そのまま当たった感じがする。フランスのマリ共Photo和国(旧フランス領スーダン)の武力介入が、このような形で起きてしまった。人命を人質にした、卑劣な事件である。
アルジェリア最大のガス田で、選択的に外国人が拘束された。アルジェリア政府とフランスは空爆によって、拘束者9名ほどと人質36名ほどを殺害したようである。何の芸もない。拘束者と同じレベルの、暴力による解決である。

Algeriagas2_2454259fメディアは、イスラム原理主義者とか、国際テロ組織アルカイダの名前を出して事件を解説している。今回、隣国のマリの北辺への、フランスの空爆の中止を、拘束者たちは主張していた。

アルジェリアは、ロシアのプーチン同様にテロ行為に対しては、暴力的に対応してきている。これまでそれが功を奏してきた経緯がある。今回の事件で、日本政府がいくら”人道的な解決”や”人名第一”を叫んでも、アルジェリア政府とフランスは、黙して反応しなかった。

フランスもアルジェリアも暴力的解決しか念頭になかったのである。Photo_2欧米の意にそぐわない、あるいは利益にならない場合には「テロ行為」とか「イスラム原理主義者」と表現される。意に沿う場合は、民族独立運動であり、民主化と呼ばれるのである。

昨年4月にマリで、クーデターが失敗した。マリの大部分を占めるトゥアレグ人たちとそれを支援する、アザワド開放国民運動による事件である。リビアのカダフィの傭兵たちであった反乱軍の優勢は、フランス軍によって、制圧された。リビアでも、EUの介入で政権が打倒された。

そもそも、この辺りの国家を作ったのもフランスであるし、Photo_3国境を設けたのも、植民地支配し利益を得ていたたフランスである。彼らには国境の概念もなく、国家としての形も持っていなかった。

これまで中東で起きていた同様の事件は、これから中国をはじめとする先進国がアフリカの資源を獲得を争うようになった今世紀、更に頻発するであろう。イラクやアフガニスタンを教訓化できない、欧米諸国である。

彼らの暴力行為は強く非難されるべきであるが、欧米が利権で線を引いた国家の単位で今回の事件を理解するべきではない。彼らの自立と民族性を尊重することが第一である。

コメント (1)
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