24日に民主党が定期党大会を開き、党の基本理念・目標を定める綱領や、政権運営・衆院選惨敗を総括する第1次報告を採択した。海江田代表はあいさつで、「新しい綱領の下に一致団結しよう」と党の結束を呼びかけた。
この大会に恒例になっているとはいえ、多くの党代表が列席したが、なんと離党組がずらりと並んでいたのには驚かされた。維新の会の松野頼久、みんなの党の浅尾慶朗、生活の党の鈴木克昌、みどりの風の谷岡郁子、さらには自民党合流を調整中のかつての友党の国民新党まで列席させている。
民主党の節操になさと、けじめすらつけられない情けなさに、民主党の本質を見た気がする。野党協力を命題にしているために、彼らを呼んだのであろうが、挨拶で民主党の労組依存を批判されている。
綱領とやらも、付け焼刃の感が強く、既得権に対する改革政党を掲げているが、それができなかったのでこの惨敗なのである。憲法に対すしても「未来志向の憲法」という抽象的な言葉で、これまた民主党的な”コウリョウ”になっている。
党大会の直前に参議院で二人の議員が離党した。そして、今日野党が多数を占める参議院で、僅か1票差で与党提案の補正予算が通過した。13兆1054億の、バラマキの公共投資予算である。薄氷の通過で、安倍首相はニコニコ顔である。
安倍は巧妙に、民主党政権時代をことあることに批判し、回帰に歯止めをかけている。オバマと会談したことで、「これまでの空白の日米関係が修復された」とか、今回の補正予算案の通過では「これまで決められない政治が転換した」と、民主党政権時代を批判し、野党時代の教訓を生かしている。
与党から政権離脱後も叩かれ、協力を呼び掛ける野党からも突き放され、更には自党からも離脱者が絶え間ない状況である。
今回採択された、綱領も自民党に対する対立軸すら見えない。例えば、TPPで自民党が突っ走っても、それに対する歯止めとして、国民は民主党を選択できない。自民党は暴走するだけである。
憲法も同じである。自民党が改憲に走っても、TPP同様に傍観することしかできないのである。民主党は、公約にない消費税を野党と結託して、自党を分裂させた野田のような不貞の輩を残しているようでは、新たな方針が出てくることすらできない。それとも更なる分裂が近いのかもしれない。