もうすぐビニデーである。ビキニの水着を着た女性が歩き回る日ではない。3月1日は日本の漁船の第五福龍丸が、ビキニ環礁で被爆した日である。広島長崎に次ぐ、3度目の被爆をした日、ビキニデーである。
放射能により、機関士が半年で亡くなった。残りの漁師も全員がガンや心臓病になり、生存者は大石又七さん一人である。ビキニデーは、日本の放射能被害を告訴する日ではない。それも一つ重要な命題ではあるが、世界が原発が平和利用だの無害などと走った象徴的な日でもあるのだ。
日本はアメリカの、核の平和利用の掛け声に踊らされ、正力松太郎が旗振り頭になって、原発の開発に走った。その直前の、第五福龍丸の被爆である。日本中でどうやら、100隻ほどの漁船が被爆したようであるが、金をばら撒いて隠蔽した。
アメリカは第五福龍丸には、200万ドル(7億2千万円)を支払い、隠ぺいした。日本各地で廃棄される原爆マグロが話題になったが、被爆した漁師たちのその後のガンに侵された闘病生活や生活苦をも、隠ぺいした。
被爆を公表すると、周辺の漁師や行漁業関係者に迷惑がかかるとする、日本人独特の感性が、被爆体験とその事実を隠ぺいしたのである。かつて、このブログでも2度ほど書いている。
この時の核開発は、アメリカにとって平和利用と嘯きながら行っていた核実験を、隠す意味もあった。その一方で、日本には反共産主義への防波堤になってもらいたかったのである。
それほどアメリカは、日本の核開発は冷戦時代の必要条件だったのである。核兵器と原発は同じものなのである。欧米各国がイランを厳しく経済制裁をしているの見ればわかる。ビキニデーとはそうした意味のある記念日なのである。