フィンランドは、エネルギーの70%を輸入に頼っている。原発導入当初より、最終処分場を造ることを決めていた。原発が吐き出す、放射性廃棄物は10万年は放射能を出すものと言われている。世界初の放射性廃棄物を、地下420メートルに作っている。
この処分場は100年で、9000トンを受け入れて封鎖する予定である。放射性廃棄物は、日本のように再処理せず埋め立てられる。ここの岩盤は、20億年前にできたもので、6万年後には氷河に覆われるものと推測されている。これまで地震は全く起きていない。
原発が、『トイレのない高級マンション』と言われるのは、最終処分場を用意することなく、原発を稼働しているからである。特に日本は、再処分するプルサーマルなる、架空の方式を作り出してはみたものの、徒に国家予算を食いつぶしているだけである。
処分場(オンカロ:洞窟)を受け入れている村には、補助金が出ているわけではない。固定資産税を受けているだけである。住民が処分場受入れ決定までの、政府の説明が納得いくものであったから、彼らは受け入れているのである。
日本の原子力関係者のように、企業・研究者・監視者・政治家がすべてもたれ合っている姿は、フィンランドにはない。
世界で20~30万トンあるのではないかと推測される、放射性廃棄物であるが本当の意味で「最終」処分場を、どの国も持っていない。
日本で最終処分場の受け入れを表明している自治体はない。北海道の幌延町は、地元住民の反対で研究所とし掘削し現在、地下150メートルほどを掘り進んでいる。この”研究所”は、街に1億3千万円お金を落としてくれている。
研究所はフランスがやっているように、最終処分場にいずれ変わるとだれもが思っている。要するに、日本では最終処分場は存在せず、各原発に多くの廃棄物は溜まったままである。
原発施設での発電をいくら安全に稼働させたとしても、放射性廃棄物は増え続けているのである。また、仮に日本中の原発を即刻停止したとしても、放射性廃棄物という汚物は次世代が何年にもわたって処理し続けなければならない、負の遺産なのである。
火山国日本には、フィンランドのような硬い岩盤はない。日本は拙速な原発稼働によって、処分できない汚物を抱えたままである。安倍政権はさらにこの怖ろしい汚物をため込もうとしている。
左にフォトアルバム<流氷が少しの根室>アップしました。