そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

どうして規模拡大したいのか

2014-05-01 | 政治と金

昨日の所得率階層に分類された表の、大雑把な数字を使って、どうして国は様々な矛盾があるにもかかわらず、大規模化を進めようとしているのか説明したいと思います。
Syuku 20%未満の階層は、85,000千円も稼いでいます。この階層の農家の手取りが13,000千円ほどですから概ね72,000千円も周辺産業に、いわば施していることになります。地域貢献という言葉で、この階層の人たちは持ち上げられます。
一方の40%以上の階層の農家は、40,000千円ほどの総収入ですが、農家の手取りは20,000千円ほどありますので、周辺産業には20,000千円しか恵みを与えていません。
周辺産業とは、農協や農機具屋や飼料販売業者や乳業会社そして私たち獣医師もはいります。この産業群は、40%以下の農家が多いと商売が上がったりになります。国単位でみると、経済の基礎となる生産額であるGDPが、2倍も違うことになります。経済は発展していることになります。
こうした評価が上辺ばかりで内容のないものであることは、昨日一昨日の説明を参考にしてください。

ほんの30年ほど前までは、40%以上の階層の農家が圧倒的でした。様々な理由から、離農される方が多くなりそうした人たちの生産量を補う形での、規模拡大と高泌乳化があったとは思われます。今さら、小規模農家が増えても周辺産業は困り、地域は衰退するという考え方です。
然しそれは本末転倒ではないかと思われます。規模が小さくても、多くの農家がいる方が地域は豊かになります。派手さはないかもしれませんが、本来の農村の姿が保てるし環境問題も起きないと思われます。
国や経済学者の評価が生産量である限り、この傾向は収まらないでしょう。そうした評価があるかぎり、規模拡大すれば農家は競争力がつくとする、虚構に惑わされ続けることになる。農業・食料生産を経済原則だけを指標にしていては、本当の姿が見えてこないのです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港